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難燃性マグネシウム合金の精製方法

特許第3284232号(出願1997.4)
関連特許(登録済み:国内1件、出願中:国内1件)

1.目的と効果

 難燃性マグネシウム合金は、大気中でも安全に溶解・鋳造ができるので、マグネシウムのベース合金として、製造プロセスを安全でシンプルなものにすることができます。しかし、この合金は溶解中に生成する酸化物などの夾雑物が溶湯に混入し、強度や耐食性に悪影響を及ぼします。夾雑物を除去する従来法は煩雑なので、生産工程で問題となっています。そこで、このような夾雑物を取り除くための単純で効果的な方法を開発しました。これは極めてシンプルなために実施が容易で、特に大規模な生産現場でも導入できます。
[適用分野]
 ●マグネシウム鋳造用溶解炉   ●ダイキャスト用溶解炉
 ●塑性加工用インゴット溶製炉  ●マグネシウムスクラップリサイクルプラント

2.技術の概要、特徴

 マグネシウム合金溶湯中に含まれる夾雑物はその比重が溶湯と近いために、沈殿させたり浮上させたりして分離するのが困難で、完全な分離除去は難しいのが現状です。本法は、合金溶湯を減圧下で保持することにより、夾雑物を合金溶湯の表面に浮上させて、これを掻き取って分離除去する簡単な方法です。夾雑物には種々のガスが吸着しているので、減圧によりガスに付随して溶湯表面に短時間で浮上します。減圧は通常の機械式ポンプの排気能力で充分であり、保持時間は溶湯の量に応じて数十秒から数分です。このため、大型の溶解炉でも容易に応用することができます。本法はフラックス法のような有害化合物が不要なので作業環境が安全でクリーンであり、また、フラックスが溶湯中に残留する心配がないので材質的な信頼性を損なう心配もありません。

3.発明者からのメッセージ

 本法の原理は極めて単純なものですが、マグネシウム合金へ適用するには難燃化を含めた溶解・脱ガス等の難燃性合金の溶解技術全体に精通して、ノウハウの蓄積が必要です。これを生産現場と協力して移転して行きたいと考えています。

図1 図2

●図1:難燃性マグネシウム合金の発火温度に対するCa添加量の影響
(AZ:Mg-Al-Zn系合金)

●図2:減圧法による難燃性マグネシウム合金溶湯の夾雑物除去精製の概略図


基礎素材研究部門
PDF(209.0KB:AIST TODAY Vol.2 No.8 p.29)

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