1.目的と効果
液晶ディスプレイの製造に欠かせない部材の一つに液晶配向を制御するための配向膜があります(図1)。現在はポリイミド膜を布でこするというラビング法により作製されています。しかし、ラビングに伴い発生する不純物を取り除くために膜を洗浄処理しなければならず、この工程を簡略化する技術が望まれていました。そこで、非接触で液晶のチルト角を含めた配向を制御することができる配向膜の作製技術を開発しました。この技術は、液晶の3次元的な配向が制御できるのでその複屈性や旋光性を用いることによって様々な光学素子の開発に応用することもできます。[適用分野]
●液晶用配向膜 ●導波路、位相差フィルム、プリズム等光学素子
2.技術の概要、特徴
感光性高分子膜を基板上に作製し、非偏光つまり自然光と同じモードの光を斜め方向から照射すると、高分子中の感光性部位を斜め配向させることができます。この膜を液晶の配向膜として用います。この方法には、図2に示すように光の入射方向によりチルト角を含めた液晶の配向方向を制御できるという特徴があります。これまで偏光を用いた光配向膜は知られていましたが、それと比べ照射光源に偏光子を必要としないので、エネルギーロスを低減でき照射光波長も短波長領域まで自由に選べます。また、ラビング法と異なり光を全面に隙間なく照射できるので歩留まりの向上が期待できます。さらに、フォトリソグラフィーの技術を転用することでマルチドメイン化を容易にできますし、大きなプレチルト角を発生させることが出来るので新しい液晶配向モードに対応することができます。3.発明者からのメッセージ
分子の3次元的な配向を非接触で可逆的に制御することは容易ではありませんが、本技術では光の入射方向を変えるだけで達成することができます。あとは製造プロセスの大型化、実用耐久性などを調べる必要があると思います。実用化のため、企業の方と協力していきたいので関心のある方はご連絡下さい。![]() |
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図1 液晶ディスプレイの構成 |
図2 非偏光照射光配向 |


