よく寄せられる質問をQ&Aにいたしました。
Bq(ベクレル)は線源の放射能の強さを表す単位で、1秒間に原子核が壊変する数を表します。一方、Gy(グレイ)は放射線を受けた物質が1 kgあたりどれだけのエネルギーを吸収したかを表す単位として用いられています。Sv(シーベルト)は受けた放射線の量から人体への影響を考慮した安全管理の指標として用いられています。ベクレルからシーベルトへの変換は、放射能の核種がわかっていれば1 cm線量当量率定数あるいは実効線量率定数を用いて変換することができます。詳しくは(社)日本アイソトープ協会編「アイソトープ手帳」を参照ください。なお、単純にシーベルトからベクレルに換算する式はありません。
「線量当量」は放射線が人体に与える影響を表す単位で、組織中のある点における吸収線量に線質係数を乗じたものです。類似の放射線関連量である「実効線量」は、臓器・組織ごとに吸収線量に放射線荷重係数と組織荷重係数を乗じて全身について合計した線量です。 「線量当量」および「実効線量」 の単位はどちらもSvです。 「線量当量」は測定可能な量で、「実効線量」は測定不可能な量です。測定されるSvは「線量当量」で、定義通りで世界共通です。また、「実効線量」は、個人・人種によって評価することは可能ですが、通常は、標準人が定義されていて、その標準人に対して評価を行います。
計測器の原理や特徴、放射線・放射能の測定に関する基本的な知識、測定法と単位などについて、社団法人 日本電気計測器工業会の放射線計測ガイドのページに詳しく解説されています。
3.1の「換算表」は「単位面積の汚染密度の解析」、すなわち、「表面汚染測定」に対応したものですので、これから外れる条件下での測定結果には使用できません。例えば、表面だけでなく内部方向にも汚染が分布しているような対象物の測定値の評価にはこの換算表を使用することはできません。
空間線量率(Sv/h)の値を表面密度(Bq/cm2)に換算することはできません。
その計測器がβ線とγ線の両方を計測できる場合、今、β線を測定しているのか、γ線を測定しているのかを把握しながら注意深く計測を行う必要があります。表面汚染測定の場合は、β線を計数率(cpm)で読み取ります。γ線を測定するときは、空間線量率(Sv/h)で読み取ります。同じ機種でも測定対象によって測定方法が異なります。
海外の基準値とその要求の妥当性につきまして、弊所は回答できる立場にはありません。なお、各国の通関時の検査に関する情報の一部は、日本貿易振興機構(JETRO) や国土交通省のホームページなどに掲載されています。リンク集でご確認ください。
例えば、文科省ホームページに掲載されているデータは、文科省の協力機関(大学等)が測定した結果に基づいています。また、産総研でも、つくば研究センター構内における放射線関連量の測定結果を掲載しています。文科省及び県、産総研などの公的機関のデータはトレーサビリティが確保された計測器を用いているので、信頼性は高いといえます。
トレーサビリティが確保されている測定方法によるものであり、前述の技能試験に参加し、良い試験成績を収めている試験機関による結果であれば正確といえます。
まず、国家レベルの標準は、国際度量衡委員会相互承認協定(CIPM MRA)に参加した国家標準機関が実施する国際比較により同等性が保証されています。今、話題のCs-137、 I-131放射能などの国際比較の結果(図4〜6)をご覧下さい(前述の国際比較結果図にリンク)。また、個々の測定結果は、トレーサビリティで保証された計測の信頼性を理解してもらえれば認められます。第三者機関が国際ルールに基づいて認定した試験所等が測定した結果は諸外国で受け入れられます。 第三者機関としては、 (独)製品評価技術基盤機構(NITE)、(社)日本適合性協会(JAB)などがあります。
図4〜6の縦軸(右側)は各国の測定値xiと国際比較参照値xRの相対偏差ですが、この相対偏差値のエラーバーは、その相対偏差の「拡張不確かさ(包含係数k=2)」をあらわしています。「不確かさ」については、産総研NMIJの不確かさWebをご参照下さい。
図3「放射能計測の国際的トレーサビリティ体系」をご覧下さい。この図の下方に位置する測定者の各測定器が、切れ目のない連鎖によって、図の上方の国家標準に辿りつく事が一目でお分かり頂けると思います。このトレーサビリティは、「計量トレーサビリティ」ともいいます。
産総研計量標準総合センター(NMIJ)にトレーサブルな測定は、米国標準技術研究所(NIST)の他、CIPM MRAに署名している各国の国家計量機関にトレーサブルな測定と整合しています。例えば、国内においてNMIJにトレーサブルな地域環境衛生研究所による測定と、NISTトレーサブルな米軍部隊による測定、主要国の国家計量機関にトレーサブルな国際原子力機関(IAEA)の計測者による測定は整合性がとれています。
トレーサビリティは、当研究所またはNITE, JABにお問い合わせ下さい。また、トレーサビリティと関連した放射線計測の信頼性に関するご質問も当研究所で受け付けております。
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独立行政法人である産総研は、国の技術行政や産業振興などの活動を産業技術の研究開発や普及を通じて支える立場にあります。その中でもNMIJは特に計量標準を通じた社会基盤の維持・発展の役目を担っており、このために国家標準の研究開発、国際比較や国際相互承認への参加、 校正事業者等への標準供給やトレーサビリティの普及啓発などに努めています。放射線計測においては、産総研NMIJは技術専門家としてその信頼性等に関する相談を受けつけております。また普及啓発のための講習会や会合も開きます。一方で、放射線計測に関係して行政判断を必要とするような質問や相談に関してはお受けすることができないことをご理解ください。
産総研NMIJにおける国家標準の研究開発例はこちらをご覧ください。国際比較と認定事業者測定器の校正については 図2〜5をご参照ください。また普及啓発活動としては、公設試験所等を対象にした放射線測定講習会(PDF:87KB)や放射線・放射能・中性子計測クラブの研究会などを開催しております。
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