独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:岸 輝雄「以下NIMS」)、独立行政法人産業技術総合研究所(理事長:吉川 弘之「以下AIST」)、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(理事長:立川 敬二「以下JAXA」)は、先端科学技術分野や社会の安全・安心に必要不可欠な材料や構造物等の非破壊信頼性評価分野において、わが国の科学技術及び産業界の振興に資することを目的としたNIMS、AIST、JAXAの3機関による非破壊信頼性評価に関する研究協力協定を締結する。これにより、3機関の研究能力および人材、最先端設備等を活用、連携協力することにより、相乗効果を高める。
NIMS、AIST、JAXAは、従来から物質材料の開発・信頼性評価やロケット、プラント等構造物の非破壊検査分野において研究開発を行ってきた。今回の研究協力協定締結により、JAXAが研究開発するロケット等を対象とした高度信頼性が要求されるような非破壊信頼性評価手法をNIMSが保有する物質・材料評価技術、AISTが保有する先端計測技術と構造物の検査技術を基礎技術として融合させ、従来にはなかった材料−構造−システムと一体化した応用技術の開発を目指す。
今回の連携協力は単に3機関による共同研究開発にとどまらず、3機関共同で「材料や構造物等の非破壊信頼性評価の分野」の現状を調査分析し、定期的に研究会・フォーラムを開催することにより、宇宙航空等の先端分野に限らず、産業社会のインフラストラクチャーであるプラント設備や橋梁等の建築物等の検査の在り方への提言を行う。これにより、鋼構造物等の非破壊検査技術、信頼性評価技術の開発等を我が国の科学技術および産業の発展、さらには国内・国際シンポジウムを共催して広く大学・産業界との連携協力を目指す。今回の研究協力協定締結が新たな分野融合の技術交流を生み、大学との連携を通じた次世代を担う人材育成、企業との連携を通じた新産業の創製等に大きく貢献するものと期待される。

実施概要
NIMS、AIST、JAXAは、より効果的、かつ適正に連携・協力を推進するために3機関による研究協力協議会を設置し、非破壊信頼性評価分野に関して以下の内容を実施する。
1)共同研究
2)調査分析・研究会・フォーラム等の定期開催
3)国内・国際シンポジウムの共催(毎年)
4)検査・評価技術への提言と規格提案
5)装置開発

調査分析・研究会・フォーラム、シンポジウム等の定期開催
NIMS、AIST、JAXAにおいて大学、企業とのネットワークを作り、非破壊による信頼性評価に関する調査分析・研究会を年4回程度開催し、その成果を各機関が開催するフォーラムや学協会の講演会等の中で発表する。また、国内外の著名人を集めたシンポジウムを3機関共催で毎年開催する見込みであり、本年7月にはつくば市で第1回のシンポジウムを行う予定である。
検査・評価技術への提言と規格提案・装置開発
宇宙航空等の先端分野のみならず広く産業社会のインフラストラクチャーであるプラント設備や橋梁等の建築物等の検査の在り方についても非破壊による信頼性評価の視点から提言を行う。
レーザーを用いたAE4)、振動、超音波やテラヘルツ波といった先端光計測技術を用いた非破壊信頼性評価に関する研究成果を、広く産業界で利用可能にするために、測定方法から評価方法を含む各学協会の国内規格やJIS規格、ISOなどの国際規格にまとめ、提案する。また、規格作成とともに検査装置の開発も行う。
期間
平成20年4月18日から平成22年3月31日までとし、その後は、3機関の協議により、1年単位で延長される。
独立行政法人 産業技術総合研究所 広報部 報道室