| 独立行政法人 産業技術総合研究所 中期目標 |
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別表1 鉱工業の科学技術 I.健康長寿を達成し質の高い生活を実現する研究開発 我が国が高齢化社会に進んでいく中で、国民が将来とも健康で質の高い生活を維持、向上していくための予防医療、早期診断等の医療技術がこれまで以上に求められている。これを実現するために、ポストゲノム時代におけるバイオテクノロジーを活用した新しい健康関連産業の創出のための研究開発、画像診断技術や細胞工学技術などを活用した診断・治療関連技術の研究開発及び環境負荷の低減にも資する新規生物機能の探索とそれを活用したバイオプロセス技術に関する研究開発を実施する。 1.早期診断技術の開発による予防医療の促進とゲノム情報に基づいたテーラーメイド医療の実現 予防医療の実現を促進するため、疾患特異的バイオマーカーの探索技術や検知技術などの早期診断や創薬に資する基盤技術の研究開発を実施する。また、バイオインフォマティクス技術を発展させ、テーラーメイド医療への応用を目指した研究開発を実施する。 1−(1)ヒトゲノム情報と生体情報に基づく早期診断により予防医療を実現するための基盤技術の開発 疾患等特定の生体反応に関与する遺伝子及びタンパク質等の生体分子の網羅的な解析によってバイオマーカーの探索と同定を行い、これらマーカー分子の検出・評価技術を基盤とする早期診断・予防医療技術に関する研究開発を実施する。 1−(2)テーラーメイド医療の実現を目指した創薬支援技術の開発 薬の効き易さの個人差など、個々人の特質を考慮したテーラーメイド医療を実現するため、ゲノム情報の迅速な解析に基づく創薬・診断支援技術に関する研究開発を実施する。 2. 精密診断及び再生医療による安全かつ効果的な医療の実現 安全かつ効果的な医療の実現に向け、生体を分子レベルでイメージングする精密診断・治療技術及び組織再生や人工臓器等の機能代替技術に関する研究開発を実施する。 2−(1)高度診断及び治療支援機器技術の開発 迅速で正確な検査診断システム及び低侵襲の治療システムの実現に向けた生体の分子レベルでのイメージング技術に関する研究開発及び安全かつ効果的な医療の実現に向けた手術訓練の支援システムに関する研究開発を実施する。 2−(2)喪失機能の再生及び代替技術の開発 喪失した身体機能を生体組織レベルで再生、代替する再生医療技術及び長期生体適合性を有する人工臓器技術に関する研究開発を実施する。 3.人間機能の評価とその回復を図ることによる健康寿命の延伸 社会の高齢化が進展する中で健康で質の高い生活の実現に資するため、脳機能、認知行動特性及び身体調節系特性等を客観的に評価する技術を確立するとともに、低下した身体機能の回復及び健康増進等に関する技術の研究開発を実施する。 3−(1)脳機能障害の評価及び補償技術の開発 脳損傷患者の治療効果を高めるため、脳機能の評価技術を開発するとともに評価結果に基づいた効果的な治療方法やリハビリ手法に関する研究開発を実施する。また、事故及び疾患等による機能欠損を補うための脳機能補償技術に関する研究開発を実施する。 3−(2)身体機能の計測・評価技術の開発 運動動作や循環器機能等に関する計測及びその相互関係の総合的評価技術に関する研究開発を実施する。また、生活習慣病の予防に向け、動作調節系及び循環調節系の機能改善の支援に関する研究開発を実施する。 3−(3)認知行動特性の計測・評価及び生活支援技術の開発 個々の人間特性に適合した安全・安心な生活環境の実現に向け、認知行動特性の計測技術及びその特性の解明技術を開発する。また、日常生活での安全確保等の支援技術の研究開発を実施する。 4.生物機能を活用した生産プロセスの開発による効率的なバイオ製品の生産 新規有用生物や遺伝子資源の効率的探索及び生物機能を活用した有用物質の生産に関する技術の研究開発を実施する。 4−(1)新規な遺伝子資源の探索 バイオプロセスの高度化や新規高付加価値製品の開発に利用可能な微生物及び遺伝子の効率的な探索技術の研究開発を実施する。 4−(2)高効率バイオプロセス技術の開発 バイオプロセスにより、有用物質を低コスト、高効率かつ高純度で生産するための技術の研究開発を実施する。 4−(3)遺伝子組み換え植物を利用した物質生産プロセスの開発 遺伝子組換え植物を用い、生理活性物質等を効率的に生産する技術の研究開発を実施する。 4−(4)天然物由来の機能性食品素材の開発 生理活性をもつ天然物を探索し、その構造と機能の解析を行うことにより、これら天然物を機能性食品に利用する技術の研究開発を実施する。 5. 医療機器開発の実用化促進とバイオ産業の競争力強化のための基盤整備 新しい医療機器の開発に関する技術評価ガイドライン策定に貢献し、優れた医療機器の開発と実用化を促進するとともに、福祉に関連した製品の規格体系を整備する。また、我が国のバイオ産業の競争力強化を図るため、技術融合によるバイオテクノロジー関連計測技術に関する研究開発を実施するとともにその標準化を進める。 5−(1)医療機器開発の促進と高齢社会に対応した知的基盤の整備 医療機器の技術評価ガイドライン作成に資するため、機器の評価に関する基盤研究を実施する。また、高齢者・障害者に配慮した設計指針の国際及び国内規格制定に向けて、感覚・動作運動・認知分野を中心とした関連規格を体系的に整備する。 5−(2)バイオ・情報・ナノテクノロジーを融合した計測・解析機器の開発 バイオテクノロジーと情報技術及びナノテクノロジーの融合により新たな分析機器を開発する。また、これを用いて細胞の情報を迅速かつ網羅的に計測し解析する技術に関する研究開発を実施する。 5−(3)生体分子の計測技術に関する国際標準化への貢献 DNA、タンパク質及び酵素等のバイオテクノロジーの共通基盤となる生体分子の計測技術に関する研究開発を実施し、その国際標準化を目指す。 5−(4)環境中微生物等の高精度・高感度モニタリング技術の開発 遺伝子組換え生物が環境に与える影響を評価するため、環境中の特定の微生物や遺伝子を対象とした高精度・高感度モニタリング技術の研究開発を実施する。また、生活環境中の有害物質の評価及び管理技術の研究開発を実施する。 II.知的で安全・安心な生活を実現するための高度情報サービスを創出する研究開発 情報サービスや情報機器の高度化による情報化社会への進展の中で、産業活動や社会生活における情報サービス提供の利便性向上、提供される情報サービスを安全かつ安心して利用できる社会の実現が求められている。このため、知的資源のネットワーク化と情報の質や価値を高めるための大容量データサービス技術の研究、ロボットと情報家電を始めとする生活創造型サービス創出に向けた研究及び情報のセキュリティ、信頼性、生産性を向上する情報通信の基盤技術に関する研究開発を実施する。また、新たな情報産業の創出に向けた技術の研究開発を実施する。 1.知的活動の飛躍的向上を実現するための情報サービスの創出 人間の知的活動の飛躍的な高度化を目指し、多様なユーザ毎に必要な情報を抽出する技術やネットワークを介した地球規模での知識の蓄積及び高度利用技術の研究開発を実施する。さらに、人間及び社会から得られる情報をデジタル化して有効利用する技術の研究開発を実施する。 1−(1)意味内容に基づく情報処理を用いた知的活動支援技術の開発 加速度的に増大する情報の中から必要な情報を効率よく得るために、あらゆるデータをその意味内容に基づいて構造化して取り扱うための技術及びそれを利用して知的活動を支援する技術の研究開発を実施する。 1−(2)グローバルな意味情報サービスを実現する技術の開発 地球規模で蓄積された知識の自由で容易な利用を可能とするため、多くの情報システム上で動作する情報処理ソフトウェアを効率的に作成するとともに、その動作安定性を向上させる情報技術の研究開発を実施する。 1−(3)人間に関わる情報のデジタル化とその活用技術の開発 人間の身体機能及び行動等に関する情報をはじめとして、社会・生活環境から得られる大規模な情報をデジタル情報として蓄積し、それに基づいた分析・予測によって、個人から社会全体までを対象とした行動の意志決定支援などを実現する情報処理技術の研究開発を実施する。 2.ロボットと情報家電をコアとした生活創造型サービスの創出 誰もがITを活用した創造的な生活の実現を目指し、ロボットや情報家電が人間の生活空間にとけ込み、使っていることを意識させない自然なインターフェースを通じて、個々の生活状況に応じた支援サービスを創出するための研究開発を実施する。 2−(1)人間と物理的・心理的に共存・協調するロボット技術の開発 人間と共存・協調して人間の活動を支援するロボットの実現を目指し、それに必要となる要素技術として、移動や作業機能だけでなく、案内、運搬、見守り、補助等の機能の実施に際しての安全性の確保及びシステム全体の統合的動作に関する技術の研究開発を実施する。 2−(2)情報家電と人間の双方向インタラクションを実現するインターフェース技術の開発 多様で高機能な情報家電の実現を目指し、ユビキタス情報ネットワークと人や環境との接点となるディスプレイ及びセンサ等の入出力デバイスの性能向上に関する技術の研究開発を実施する。また、誰もが情報家電を容易に使いこなすためのユーザインターフェース技術の研究開発を実施する。 2−(3)電子機器を高機能化・低消費電力化するデバイス技術の開発 ユビキタス情報社会を支えるモバイル情報機器及びロボットに搭載されるCPUや入出力デバイスの長時間使用及び多機能化を目指し、2010年以降のLSI微細化ロードマップに対応する超高集積・超高速・超低消費電力デバイス技術の研究開発を実施する。 3.信頼性の高い情報基盤技術の開発による安全で安心な生活の実現 社会のライフラインである情報通信ネットワークの信頼性を確立するため、情報セキュリティ技術、ソフトウェア検証技術及び大容量情報の高速通信・蓄積技術に関する研究開発を実施する。 3−(1)情報セキュリティ技術の開発 不正行為にも安全に対処でき、誰もが安心して利便性を享受できるIT社会を実現するために、情報漏洩対策やプライバシー保護などを目的とした暗号、認証、アクセス制御などの情報セキュリティ技術及びそこで用いられる運用技術の研究開発を実施する。 3−(2)ソフトウェアの信頼性・生産性を向上する技術の開発 情報処理システムソフトウェアの不具合を効率的に検出するなど、利用者が安心して安全に使用できる信頼性の高いソフトウェアの開発生産性を向上させる技術の研究開発を実施する。 3−(3)大容量情報の高速通信・蓄積技術の開発 通信ネットワーク上の情報量の高速大容量化に向けて、光デバイス技術や光信号処理技術などの高速通信技術と、大容量光ディスク技術に関する研究開発を実施する。 3−(4)自然災害予測のための情報支援技術の開発 自然災害の予測及び災害被害の軽減を目的に、多様な地球観測データを統合するとともに、大規模シミュレーションを行うための情報処理支援システム技術の研究開発を実施する。 4.次世代情報産業を創出するためのフロンティア技術の開発 次世代の情報産業創出の核となる技術を産み出すために、従来とは異なる動作原理に基づく情報処理デバイス技術及びバイオ分野へのITの新たな応用技術などに関する研究開発を実施する。 4−(1)電子・光フロンティア技術の開発 コンピュータ性能を革新するための新機能材料等を利用した電子・光デバイス技術及び光情報処理によるバイオ・医用計測技術の研究開発を実施する。 4−(2)超伝導現象に基づく次世代電子計測・標準技術の開発 超伝導現象を利用することにより、高精度かつ低雑音を実現する電子計測技術の研究開発を実施する。 III.産業競争力向上と環境負荷低減を実現するための材料・部材・製造プロセス技術の研究開発 地球温暖化防止等の国際的な環境意識の高まりの中で、我が国の産業競争力の源泉であるものづくり産業の競争力を環境と調和させながら強化していくことが求められている。これを実現するため、我が国の産業競争力の中核である製造分野の強化を図るためのナノテクノロジーによる先端ものづくり産業の創出につながる研究、情報通信、環境、医療等の産業に革新的な進歩をもたらすナノテクノロジーの基盤技術研究及び環境負荷低減化のための機能性材料に関する研究開発を実施する。 1.低環境負荷型の革新的ものづくり技術の実現 省資源・省エネルギー型ものづくり産業の創出を目指し、電子機器の高密度基板実装、高集積化学センサ等、高機能・高付加価値を最小限の原料とエネルギーの投入で実現する革新的ものづくり技術の研究開発を実施する。 1−(1)省資源と高機能化を実現する製造プロセス技術の開発 材料資源をリサイクルも含め有効利用することにより原材料の投入と廃棄物の発生を最小限に抑え、また、多品種少量生産及び製品機能の仕様変更への容易な対応が可能な製造プロセス技術に関する研究開発を実施する。 1−(2)省エネルギー型製造プロセス技術の開発 従来と比較して著しい低温若しくは小型装置により製造・加工を行うことで実現される省エネルギー型製造プロセス技術の研究開発を実施する。 2.ナノ現象に基づく高機能発現を利用したデバイス技術の創出 分子及び超微粒子等の相互作用による自己組織化プロセスに基づくナノスケールデバイスの製造技術及びナノシミュレーション技術等に関する研究開発を実施する。 2−(1)ナノ構造を作り出す自己組織化制御技術の開発 ナノスケールの特異な物性を利用して機能的ナノ構造を作り出すための理論的基盤を構築するとともに、自己組織的な構造形成及び機能発現の制御により飛躍的な省エネルギー・省資源を実現するナノ材料、ナノデバイス及びナノ製造プロセス技術に関する研究開発を実施する。 2−(2)ナノスケールデバイスを構成する微小部品の作製及び操作技術の開発 ナノチューブ、有機半導体分子等の機能性ナノ材料を微小部品として利用するため、ナノ材料の作製・操作技術の研究開発を実施する。また、分子デバイス、磁性半導体デバイス等のナノ構造デバイスを実現するために必要な超微細加工技術の研究開発を実施する。 2−(3)飛躍的性能向上をもたらす新機能材料及びそのデバイス化技術の開発 スイッチング及び発光等の機能の飛躍的向上が期待される新材料の作製及びそのデバイス化技術の研究開発を実施する。 2−(4)ナノ現象解明のためのシミュレーション技術の開発 ナノスケールデバイスの動作原理を解明するため、ナノ物質の構造・物性・反応やナノ現象の解析・予測を行う基盤的シミュレーション理論及びナノスケールデバイスの設計・作製を支援する統合的なナノデバイスシミュレーション技術の研究開発を実施する。 3.機能部材の開発による輸送機器及び住環境から発生するCO2の削減 自動車等の輸送機器のエネルギー消費の大きな要因となっている車体重量の軽量化を目指し、軽量合金部材の研究開発を実施する。また、住宅におけるエネルギー消費の削減に有効な断熱及び調湿機能を持つ建築部材に関する研究開発を実施する。 3−(1)耐熱特性を付与した軽量合金部材の開発 エンジン等への使用を可能とする耐熱性に優れた軽量合金の鋳鍛造部材に関する研究開発を実施する。 3−(2)軽量合金材料の大型化と冷間塑性加工を可能とする部材化技術の開発 自動車等の輸送機器の軽量化に向け、軽量合金を大型構造部材として実用化するために必要となる冷間塑性加工による薄板材製造技術及び低コストな素形材生産技術の研究開発を実施する。 3−(3)快適性及び省エネルギー性を両立させる高機能建築部材の開発 居住者の快適性を確保しつつ省エネルギー化を実現するために、窓、壁及び屋根等の高断熱及び調湿等の機能を持つ建築部材並びにそれらの低コスト化技術の研究開発を実施する。 4.ものづくりを支援するナノテク・材料共通基盤の整備 国内のものづくり産業の国際競争力強化を支援するため、ナノテクノロジー・材料・製造に関する技術の研究開発力の強化に必要な共通技術基盤としてのインフラを整備する。 4−(1)先端計測及びデータベース等の共通基盤技術の開発 先端技術のものづくり産業への円滑な導入を図るため、共通に必要となる機能性部材の作製、加工、計測、分析及び評価のための技術を開発する。また、産業界及び大学の利用が可能となる加工技術等のデータベース等の整備と運用を行う。ほか、ナノテクノロジーの社会的意義と技術に内在するリスクに関し調査・研究を行う。 4−(2)先端微細加工用共用設備の整備と公開運用 産業界及び大学の外部研究者及び技術者の利用が可能な最先端微細加工用の共同利用施設を整備する。 5.ナノテクノロジーの応用範囲の拡大のための横断的研究の推進 機能性部材の作製、加工、計測、分析及び評価の基盤技術を医療等へ応用展開するため、横断的研究を推進する。 5−(1)バイオテクノロジーとの融合による新たな技術分野の開拓 ナノ材料の化学特性を利用したドラッグデリバリシステム等ナノテクノロジーとバイオテクノロジーの融合技術の研究開発を実施する。 IV.環境・エネルギー問題を克服し豊かで快適な生活を実現するための研究開発 環境・エネルギー問題を克服し豊かで快適な生活を将来とも実現していくため、産業活動や社会生活の環境への負荷を低減するとともに、これらの活動や生活の源になるエネルギーの需要や供給をCO2 の排出量を削減しながら安定的かつ効率的なものとしていくことが求められている。このため、我が国における産業活動に伴い発生する環境負荷の低減を目的として、環境評価・保全技術、環境に調和した国土の有効利用及び化学産業の環境負荷低減技術に関する研究開発を実施する。また、CO2 排出量の削減及びエネルギーの安定供給確保を目的として、再生可能エネルギー、燃料電池等の分散エネルギー源とそのネットワーク化技術及び産業・運輸・民生部門の省エネルギー技術に関する研究開発を実施する。 1.環境予測・評価・保全技術の融合による環境対策の最適解の提供 種々の環境変化に対応した環境対策の最適解の提案を目指し、環境計測、リスク評価、環境負荷評価及び環境浄化・修復・保全に関する技術の統合的な研究開発を実施する。 1−(1)化学物質の最適なリスク管理を実現するマルチプルリスク評価手法の開発 社会、行政及び産業のニーズに対応し、30種類以上の化学物質に関する詳細なリスク評価を実施する。また、代替物質や新技術による生産物等の評価手法及び複雑なリスクの相互依存関係に対応できる多面的なリスク評価手法に関する研究開発を実施する。 1−(2)生産・消費活動の最適解を提案するライフサイクルアセスメント技術の開発 生産と消費に係わる諸活動の環境、経済及び社会への影響を統合的に評価するライフサイクルアセスメント技術に関する研究開発を実施するとともに、その結果の普及と利用を推進する。 1−(3)環境問題の発生を未然に防止する診断・予測技術の開発 環境汚染を早期に発見し、汚染の拡大を防止するとともに、環境浄化・修復の効果を評価するため、環境負荷物質の極微量検出を可能とする計測技術の研究開発を実施する。また、CO2等の産業活動に起因する温暖化関連物質の排出源対策技術の評価に関する研究開発を実施する。 1−(4)有害化学物質リスク対策技術の開発 汚染された大気・水・土壌の浄化、修復及び保全を目指し、揮発性有機化合物(VOC)、難分解性化学物質及び重金属等の汚染物質の処理技術に関する研究開発を実施する。また、廃棄物の集中する都市域における最終処分量の削減と資源循環の適正化に有効なリサイクル技術に関する研究開発を実施する。 2.地圏・水圏循環システムの理解に基づく国土の有効利用の実現 自然と経済活動の共生を目指した地下深部の利用に向け、地圏における水の循環システムを解明するとともに、低環境負荷資源開発、土壌汚染リスクの評価と修復、地層処分及びCO2地中固定に関する研究開発を実施する。 2−(1)地圏における流体モデリング技術の開発 地球環境に配慮した地下深部の利用を実現するため、地圏内部に含まれる流体の挙動に関するモニタリング及びシミュレーション等の技術の研究開発を実施する。また、低環境負荷資源開発に関する研究開発、土壌汚染リスクの評価及び地層処分に関する環境評価を実施する。 2−(2)CO2地中貯留に関するモニタリング技術及び評価技術の開発 大気中のCO2濃度を削減することを目的として、地中の帯水層にCO2を固定するCO2地中貯留システムの実現に向け、CO2の挙動に関するモニタリング技術及び帯水層のCO2貯留可能ポテンシャル評価に関する研究開発を実施する。 2−(3)沿岸域の環境評価技術の開発 都市沿岸域において海水流動や水質・底質の調査を行い、産業活動や人間生活に起因する環境負荷物質の評価技術の高度化を図る。 3.エネルギー技術及び高効率資源利用による低環境負荷型化学産業の創出 化学製造プロセスにおける環境負荷の低減を目指し、バイオマスを原料とする化学製品の製造技術の研究開発を実施する。また、副生廃棄物の極小化を実現する化学反応システム技術、気体分離膜を利用した省エネルギー型気体製造プロセス技術に関する研究開発を実施する。 3−(1)バイオマスを原料とする化学製品の製造技術の開発 バイオマスの化学製品原料としての長期的な利用の拡大を目指し、高性能かつ高機能なバイオマスベース化学製品の製造技術及び低品位バイオ生産物からの基礎化学品の生産プロセス技術に関する研究開発を実施する。 3−(2)副生廃棄物の極小化を実現する化学反応システム技術の開発 高付加価値ファインケミカルズ製造のための高選択性反応技術の研究開発を実施する。また、製造時における環境負荷が大きい高機能化学製品の製造プロセスにおいて、廃棄物の発生を極小化することにより環境負荷を低減する技術に関した研究開発を実施する。 3−(3)気体分離膜を利用した省エネルギー型気体製造プロセス技術の開発 燃料電池の燃料として需要拡大が見込める水素等を、省エネルギーかつ安価に供給するプロセスを実現するため、水素や酸素等の高性能な気体分離膜及びその利用システムに関する研究開発を実施する。 4.分散型エネルギーネットワーク技術の開発によるCO2排出量の削減とエネルギー自給率の向上 CO2の削減とエネルギー自給率の向上を可能とする電力の低コストかつ安定的な供給の実現を目指し、太陽エネルギー、水素エネルギー及び燃料電池等の分散型エネルギー源並びに分散型エネルギーネットワークの運用技術に関する研究開発を実施する。 4−(1)分散型エネルギーの効率的な運用技術の開発 個々の分散型エネルギー源をネットワーク化されたシステムとして機能させるため、高効率エネルギー管理技術、電気・熱・化学エネルギーの統合運用技術及びモバイル機器等への応用可能な可搬型エネルギー源技術に関する研究開発を実施する。 4−(2)小型高性能燃料電池の開発 小型高性能燃料電池の普及促進に向け、固体高分子形燃料電池の信頼性向上、電解質・電極触媒の革新的性能向上及び低価格化のための技術に関する研究開発を実施する。また、固体酸化物形燃料電池に関し、性能評価技術及び規格・標準化技術の研究開発を実施する。 4−(3)太陽光発電の大量導入を促進するための技術開発 再生可能エネルギーである太陽エネルギーの大量導入を促進するために、薄膜シリコン系多接合太陽電池の開発など、太陽光発電の高効率化・低コスト化技術に関する研究開発を実施する。 4−(4)水素エネルギー利用基盤技術と化石燃料のクリーン化技術の開発 水素エネルギーの利用に際しての安全性の確保を図るため、その製造、貯蔵及び輸送技術の研究開発を実施する。また、炭化水素系資源から水素、メタン及び新合成燃料等のクリーン燃料を製造し、利用する技術の研究開発を実施する。 5.バイオマスエネルギーの開発による地球温暖化防止への貢献 バイオマスの利用により地球温暖化防止へ貢献するため、木質系バイオマスからの液体燃料製造技術及び最適なバイオマス利用に向けての評価技術に関する研究開発を実施する。 5−(1)木質系バイオマスからの液体燃料製造技術の開発 大気中のCO2濃度を低レベルで安定化させるために、特にCO2固定効果の大きな木質系バイオマスを原料として、運輸用液体燃料などを高効率・低環境負荷で製造するエネルギー転換技術に関する研究開発を実施する。 5−(2)バイオマス利用最適化のための環境・エネルギー評価技術の開発 アジアに大量に賦存するバイオマス資源の利用を推進し、その市場への導入を図るため、経済価値の高い素材から経済価値の低いエネルギーに至るまでバイオマスの総合的な利用を推進する技術の研究開発を実施する。 6.省エネルギー技術開発によるCO2排出の抑制 CO2の排出抑制のため、省電力型パワーデバイスの開発及び分散型エネルギーネットワークの構築など、エネルギー供給における省エネルギー化を実現する技術の研究開発を実施する。また、エネルギー消費の大きい化学産業におけるエネルギー消費の低減をはじめ、輸送機器の軽量化及び情報通信機器の省電力化など、製品の製造及び利用の両面において省エネルギー化を実現する研究開発を実施する。 6−(1)省電力型パワーデバイスの開発 民生及び運輸部門の省エネルギー化を目指し、材料・デバイス技術の統合によるパワーデバイスの高パワー密度化、低コスト化及び汎用化のための基盤技術を確立し、エネルギー損失を大幅に低減するパワーデバイスの研究開発を実施する。 6−(2)省エネルギー化学プロセス技術及び環境浄化技術の開発 化学プロセスの省エネルギー化を実現するための熱交換技術、蒸留技術及び反応技術の研究開発を実施する。また、環境浄化及びリサイクルの実施に際しての投入エネルギーの低減を図るため、省エネルギー型の水処理技術及び金属再生技術に関する研究開発を実施する。 6−(3)分散型エネルギーネットワークにおける省エネルギーシステムの開発 個々の分散型エネルギー源をネットワーク化されたシステムとして機能させるため、高効率エネルギー管理技術、電気・熱・化学エネルギーの統合運用技術に関する研究開発を実施する。 (IV.4−(1)を一部再掲) 6−(4)輸送機器及び住居から発生するCO2の削減のための機能部材の開発 自動車等の輸送機器のエネルギー消費の大きな要因となっている車体重量の軽量化を目指し、軽量合金部材の研究開発を実施する。また、住宅におけるエネルギー消費の削減に有効な断熱及び調湿機能を持つ建築部材に関する研究開発を実施する。 (III.3を再掲) 6−(5)電子機器を低消費電力化するデバイス技術の開発 ユビキタス情報社会を支えるモバイル情報機器及びロボットに搭載されCPU及び入出力デバイスの長時間使用を目指し、2010年以降のLSI微細化ロードマップに対応する超低消費電力デバイス技術の研究開発を実施する。 (II.2−(3)を一部再掲) V.産業基盤を構築する横断技術としての計測評価技術の研究開発 計測技術は、観測、実験及び生産等全ての科学研究や産業活動の発展の基盤をなすものであり、様々な分野における共通の基盤技術として広く利用されている。広範囲にわたる産業活動を横断的・共通的に支援し、産業技術の信頼性を向上させるため、計測評価技術の研究開発を実施するとともにデータベースの構築や試験評価方法の標準化を推進する。 1.計測評価技術の開発と知的基盤構築の推進 広範な先端技術分野において新たな知見を獲得するためのツールとなる計測評価技術を開発するとともに、それらの標準化に貢献する。また、新技術や新製品の国内外市場の開拓を促進するため、製品の機能及び特性等を評価する技術を開発する。 1−(1)先端的な計測・分析機器の開発 新たな産業技術の発展を促進するため、光・量子ビーム源の開発及び高感度検出技術の開発など先端的な計測・分析機器に関する研究開発を実施するとともに、それらの標準化に貢献する。 1−(2)計測評価のための基盤技術の開発 材料・部材及び構造物における損傷及び劣化現象等の安全性及び信頼性の評価に関わる計測技術の研究開発を実施するとともに、それらの標準化に貢献する。さらに、バイオテクノロジー等の先端産業技術における信頼性の高い計測評価技術を開発することにより、産業と社会の信頼性確立に向けた計測評価技術基盤の構築に資する。 2.産業と社会の発展を支援するデータベースの構築と公開 先端産業技術の開発と社会の安全・安心のための基盤となる重要な計測評価データを蓄積し、データベースとして産業界と社会の利用に広く提供する。 2−(1)産業技術の基盤となるデータベースの構築 産業技術の基盤となる物質のスペクトル特性及び熱物性等のデータベースを構築し、産業界と社会の利用に広く提供する。 2−(2)社会の安全・安心に関するデータベースの構築 環境、エネルギー及び安全性等の社会の安全・安心の基盤となる計測評価データベースを構築し、産業界と社会に広く提供する。 |