| 独立行政法人 産業技術総合研究所 中期目標 | [PDF全文:260KB] |
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平成17年3月1日 独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)は、旧工業技術院に置かれていた15の国立研究機関及び旧通商産業省に置かれていた計量教習所を統合し、平成13年4月に公務員型の独立行政法人として発足した。その目的は、鉱工業の科学技術に関する研究及び開発等の業務を総合的に行うことにより、産業技術の向上及びその成果の普及を図り、もって経済及び産業の発展並びに鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保に資することである。発足して以降これまでの間、産総研では統合と独立行政法人化したことによるメリットを活かし、研究所内の資源配分及び組織構成を研究所全体として最適化することによって、この目的の達成に努めてきた。 現下の技術を巡る状況を俯瞰すれば、我が国の経済と産業のより一層の発展を図る上では従来にない価値を新たに生み出していくことが不可欠であり、そこにおいて技術の果たす役割がこれまで以上に増大していくことは言をまたない状況にある。中長期的にも、人類社会の持続的な発展を維持していく上で技術に対する期待は非常に大きなものとなっている。こうした期待に対応し、内外を問わず研究開発における競争は活発化するとともに、産業界、学界を問わず研究開発活動はグローバル化し、また、融合化していくものと考える。 このような状況において、産総研に課せられた目的と、その目的を達成するために現に産総研が行ってきている業務の重要性は、従前にも増して高まっている。こうした認識の下、第2期中期目標期間の開始に向け、産総研に期待される役割を的確に果たしていくためには、産総研が多様な人材それぞれが持てる能力を最大限発揮し得るような研究環境を実現し、研究所全体として研究能力を高めていくとともに、目的達成に効果的に資する研究分野への研究の重点化を図っていくことが必要である。同時に、いかに研究成果をあげ、それを普及させるかという観点から、企業、大学といった性格の異なる組織との間で有効な連携を進めていくことも強く求められる。 こうした基本認識を踏まえ、産総研の目的達成能力を一層高めていく上で、組織形態という観点からは、産総研は、制度的自由度がより高い非公務員型の独立行政法人に移行することが適切と考える。このため、移行に必要な法律措置を講じたところであり、産総研は平成17年4月1日、第2期中期目標期間の開始とともに非公務員型の独立行政法人へ移行する。第2期中期目標期間における産総研では、非公務員型の独立行政法人として持ち得る能力を最大限発揮し、研究開発の実施にとどまらず、人材の育成、研究成果の移転、技術情報の発信といった産総研の行うあらゆる活動を通じ、我が国におけるイノベーションの実現に多大な貢献を果たすことを期待する。 |
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I.中期目標の期間 産総研の平成17年度から始まる第2期における中期目標の期間は、5年(平成17年4月〜平成22年3月)とする。 II.国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項 第2期中期目標期間において産総研は、知識の発見、現象の解明を目指す基礎的な研究を主として大学が、また、技術を製品として具現化する開発的な研究を民間企業が担う中にあって、基礎的な研究の成果である個々の知識体系を融合し、社会・経済ニーズへの適合を図る、いわば基礎的な研究と開発的な研究との間をつなぐ研究を中核に据えつつ、基礎的な研究及び開発的な研究を非公務員型移行のメリットを最大限活かして大学及び産業界と連携を図ることにより、各フェーズの連続的な研究の実施を目指す。こうした研究の実施により、新産業の創出等我が国の産業構造の変革と、これによる我が国及び世界の持続可能な発展に貢献する。また、経済産業省所管の独立行政法人として、産業技術政策をはじめとする経済産業政策に貢献するとともに、我が国の技術革新システムにおいて技術開発のプラットフォーム機能を発揮し、また、産業界に直接働きかけ得る主体的な組織としての役割を果たすことにより、産総研は、公的研究機関の改革における先導的モデルとなることを目指す。 1.質の高い研究成果の創出とその活用のために講じる方策 (1)戦略的な研究開発の推進 (戦略的な研究企画及び研究資源配分の重点化) 新産業の創出や地域経済の活性化などの産総研に対するニーズを的確に把握し、これを踏まえて研究課題を戦略的に企画した上で、これに沿った研究テーマの重点化と研究資源の重点的な配分を実施する。また、地域センターにおいては、地域の技術特性を踏まえた研究からの世界最先端の研究成果の創出を目指すとの観点から、研究テーマの重点化と研究資源の重点的な配分を実施する。 (技術情報の収集・分析と発信) 国内外の科学技術の動向に関し、産総研独自の分析能力を高めることにより、技術情報の蓄積や知識の集積を行い、これを産総研における研究開発の実施に有効に活用するとともに、広く社会に発信する。 (研究組織の機動的な見直し) 社会や産業界及び地域のニーズに対応した研究成果の効率的な創出のため、研究ポテンシャル、人材、施設などの研究資源を有効に活用し得るよう、研究組織を、具体的な研究分野、研究テーマの消長、取捨選択に合わせ、また、定期的に実施している評価の結果も踏まえ、再編・改廃も含めて機動的に見直す。 (国際競争力強化のための国際連携の推進) 国際競争力のある研究成果の創出と人材の養成を目的に、世界の有力研究機関や研究者との人材交流、共同研究などの研究交流を実施する。 (研究成果最大化のための評価制度の確立とその有効活用) 研究ユニットの評価に際しては、従来のアウトプットを中心とした評価に加え、費用対効果や実現されたアウトカムといった新たな視点も踏まえた評価制度の見直しを図り、その評価結果を研究ユニットの見直しや研究資源の配分に有効に反映させる。また、個人評価については、個々人の業務内容に応じた評価軸を設定するとともに、その結果を適切に処遇に反映し得るよう人事・給与制度を見直す。 (2)経済産業政策への貢献 (産業技術政策への貢献) 産総研が持つ知見を活かして我が国の研究開発プロジェクトを効率的かつ効果的に推進するなど、産業技術政策の立案、実施に積極的に貢献するため、経済産業省が実施する技術戦略マップの策定や技術開発プロジェクトへの中核的研究機関としての参画及びプロジェクト実施に際しての産総研が有する研究インフラの提供などを行う。また、産業技術の発展に貢献する高いプロジェクトマネジメント能力を有する人材の育成を行う。 (中小企業への成果の移転) 産業の現場を支える中小企業の技術力の向上を図るため、共同研究や受託研究の実施、技術情報の提供及び地域公設研との連携、協力などを通じ、研究開発に取り組む中小企業への成果の移転を積極的に行う。 (地域の中核研究拠点としての貢献) 産総研の研究成果等を活かして地域経済産業をより一層発展させるため、地域における研究ニーズの収集やこれに応じた研究成果の移転などの地域連携機能を強化するとともに、地域の技術特性を踏まえた産業クラスター計画への参画等を通じ、地域社会における産業技術研究を推進する中核研究拠点としての役割を果たす。 (工業標準化への取り組み) 社会からの要請の高い各種の工業標準等の確立に向け、第2期中期目標期間中には、国際提案も含めた40以上の標準化の素案を作成するなど積極的な貢献を行う。 (3)成果の社会への発信と普及 (研究成果の提供) 知的財産権の実施許諾、共同研究や技術研修の実施、外部研究員の受け入れ、産総研研究員の外部派遣などの多様な方法を組み合わせることにより、産総研の創出した研究成果の社会への最大限の普及を目指す。また、論文などの学術的な成果についても、研究活動の遂行により得られた科学的、技術的な知見などを広く社会に公表することによって産業界、学界での科学技術に関する活動に貢献するとの観点から、積極的に発信する。 (研究成果の適正な管理) 産総研の研究活動や外部機関との共同研究等によって得られた産総研の研究成果については、産総研の重要な経営財産であるとの認識の下、人材の交流や産学官の連携等を円滑に推進するとの観点から、これを適正に管理する。 (広報機能の強化) 産総研の活動や研究成果等が専門家だけでなく広く一般の国民にも理解されるよう、分かりやすい広報の実現を図る。また、国際展開を含めた広報活動関連施策を見直すことにより、海外における産総研の認知度の向上を目指す。 (知的財産の活用促進) 知的財産権の適切な確保と、確保した知的財産権の有効活用により、産総研の成果の社会への移転を推進するため、産総研の知的財産権関連施策を見直す。 (4)技術経営力の強化に寄与する人材の育成 (研究開発を通じた技術経営力の強化に寄与する人材の育成等) 幅広い研究分野について基礎から製品化に至る双方向かつ融合的な研究を行う産総研の特長を活かし、研究開発の現場において、研究に参加する企業等の研究者等を技術経営力の強化に寄与する人材に育成し、企業の現場における活用を促進するなど、技術経営力の強化に寄与する人材の養成、その資質の向上、及びその活用の促進に関する取組を積極的に推進する。(5)非公務員型移行のメリットを最大限活かした連携の促進 (産業界との連携) 質の高い産業技術シーズの創出と、その社会への迅速かつ確実な移転を図るために、非公務員型への移行のメリットを最大限活かし、産業界との多様な形態の連携を積極的に推進する。 (学界との連携) 多様で優れた研究成果の創出と世界に通用する研究人材の育成を目的に、基礎研究分野に相対的な強みを有し研究体制も産総研とは大きく異なる大学等との連携を強力に推進する。 (人材の交流と育成) 非公務員型への移行により構築が可能となる柔軟な人事制度を活用し、職員の能力向上と技術革新を担う人材の育成を目的に、産業界や学界等との人材交流を積極的に行う。また、その一環として、産業界からの出向受入れと産総研から産業界への出向を新たに開始する。 (弾力的な兼業制度の構築) 産総研の研究成果の外部への移転を円滑に行うため、非公務員型への移行のメリットを最大限活かした柔軟な兼業制度を構築する。 2.研究開発の計画 (鉱工業の科学技術) (地質の調査) (計量の標準) 3.情報の公開 公正で民主的な法人運営を実現し、法人に対する国民の信頼を確保するという観点から、情報の公開及び個人情報保護に適正に対応する。 4.その他の業務 (特許生物の寄託業務) 特許生物の寄託制度の運営に関わることによる産業界への貢献を目的に、特許庁からの委託による特許生物株の寄託・分譲の業務を適切かつ円滑に遂行する。 (独立行政法人製品評価技術基盤機構との共同事業) 独立行政法人製品評価技術基盤機構との標準化関係業務等に関する共同事業を適切に行う。 |