独立行政法人産業技術総合研究所
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産業技術総合研究所 第1期 中期目標 [PDF全文:62.8KB] Get Acrobat Reader

 独立行政法人産業技術総合研究所は、3200人余の職員を擁する我が国最大規模の公的研究機関である。経済産業省傘下の独立行政法人として期待する役割は、多岐にわたる分野の研究者集団の融合と創造性の発揮による研究活動を通じた新たな技術シーズの創出、機動性・開放性を駆使した産学官ポテンシャルの結集による産業技術力の向上や新規産業の創出への取組みであり、さらには、地質の調査や計量標準の普及・供給に代表される国家的視点に立った信頼性と継続性の要求される業務の遂行を通じた産業社会にとっての知的基盤等の充実への貢献である。そしてこれらを通じた我が国経済の発展、国民生活の向上に寄与していくことが期待される。

 かかる観点を踏まえ、産業技術総合研究所に対しては、産業技術に係るニーズとシーズを踏まえつつ、将来の産業技術の要となる共通基盤的技術課題を抽出し、競争的資金の導入割合の増加等の体制の強化を図りつつ、創造性の高い研究の推進及びこれら研究成果の普及に努めるとともに、地質の調査、計量標準の普及・供給等産業社会の知的な基盤の構築に関する業務を着実に遂行することを求める。更には、自らの有するポテンシャルを結集した産業技術情報の収集、分析等を通じて産業技術政策の策定に貢献することを併せて期待する。


1.中期目標の期間

 独立行政法人産業技術総合研究所の平成13年度から始まる第1期における中期目標の期間は、4年(平成13年4月〜平成17年3月)とする。

2.業務運営の効率化に関する事項

 平成13年度から始まる第1期は、研究業務(独立行政法人産業技術総合研究所法(以下個別法)第11条第1項第1号から第3号に規定された業務)、研究関連業務(同条同項第4号に規定された業務)、管理業務(同条同項第5号に規定された業務)の遂行における費用対効果の抜本的向上を図るため、以下の目標を実現するものとする。

1)【組織運営】

 工業技術院に属する試験研究機関15所及び計量教習所を統合して産業技術総合研究所を発足させたことに鑑み、下記の各業務について、統合のメリットを最大限に活用した業務運営効率の高い研究組織、制度を確立するものとする。また、地域における産業競争力の強化、新規産業の創出に貢献するため、地域の産業界、大学、地方公共団体等と連携を図りつつ、地域展開を図るものとする。

  • 研究業務においては、多重構造を排除したフラットな研究組織を構築すること。
  • 関連業務においては、集中と分散による効率的な運営を行うこと。
  • 管理業務においては、重複業務を整理するとともに、施設・スペース管理を徹底し、有効活用すること。

2)【戦略的企画】

 研究課題の適切な選択および重点化を行うために、科学技術基本計画(閣議決定、2001年3月)、国家産業技術戦略(国家産業技術戦略検討会、2000年4月)、産業技術戦略(産業技術審議会、2000年4月)等に沿った重点研究課題を選び出し、研究資源の集中投資により研究開発を効果的に進めるなど、戦略的に企画するものとする。また、研究課題の評価を定期的に行い、外部ニーズ等の的確な反映により研究展開の柔軟性を保つものとする。

3)【機動的研究組織】

 ミッション遂行に最適な研究体制の構築のために、研究組織については定期的に評価を行い、その結果に基づき、必要に応じて再編・改廃などの措置を講じ、機動的、柔軟かつ効果的な組織形態を維持するものとする。

4)【研究の連携・協力】

 他省庁研究機関、大学、民間企業等、様々な外部ポテンシャルとの連携・協力を強化し、研究推進の効率化を図るとともに、積極的に外部機関等における研究開発の発展に貢献するものとする。

5)【評価と自己改革】

 社会的要請や科学技術の進展の把握に努め、常に研究所の位置づけを確認しつつ、様々な観点から自ら行う研究の方向性、それまでに得られた研究成果等を評価し、その結果を研究資源配分に反映させる等、研究組織間の競争的環境を整備し、研究開発業務の向上に努める。併せて業務効率化の観点から、研究関連部門等の業務内容の妥当性を点検し無駄のない業務運営を行うものとする。

6)【職員の意欲向上と能力啓発】

 定期的に個人の業績を様々な観点から評価し、その結果を具体的な処遇・人員配置として適切に反映させ、勤労意欲の向上を図るとともに、業務を行う上で必要な研修の機会を与え、職員の能力の啓発に努めるものとする。

7)【研究員の流動性の確保】

 若手研究員の自主性、自立性を高める等、国内外の研究者コミュニティーにおける人材の流動性の向上を図るとともに、蓄積された高いキャリアを様々な業務において有機的に活用するものとする。

8)【業務の情報化の推進】

 管理業務においては、先進的に電子化を導入し、ネットワークを活用した事務処理の効率化を進め、処理の効率化・ペーパーレス化・迅速化を図るものとする。

9)【外部能力の活用】

 各業務を精査し、業務内容の見直し、外部専門家の活用を検討し、適当と考えられる業務については外部委託を推進するものとする。

10)【省エネルギーの推進】

 研究開発においても、環境に調和して持続的に発展可能な社会に適応するため、エネルギーの有効利用に努めるものとする。

11)【環境影響への配慮】

 研究活動の環境影響への配慮の観点から、関係規格への対応を進めるものとする。

12)【事業運営全体の効率化】

 運営費交付金を充当して行う業務については、業務の効率化を進め、新規に追加されるもの、拡充分等は除外した上で、中期目標の期間中、毎年度、平均で前年度比1%の業務経費の効率化を行う。

3.国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項

 個別法に記載されたミッションに鑑み、産業界、学界等との役割分担を図りつつ、下記1)から3)に該当する各研究開発目標を遂行して、産業技術の高度化、新産業の創出及び知的基盤の構築に貢献し、我が国経済の発展、国民生活の向上に寄与するものとする。

1)【鉱工業の科学技術】《別表1》

2)【地質の調査】《別表2》

3)【計量の標準】《別表3》

1)〜3)の共通事項

ア)[政策的要請への機動的対応と萌芽的課題の発掘]

 各分野における社会的政策的要請等に機動的に対応するために、最新の技術開発動向の把握に努め、重要性の高い研究課題や萌芽的な研究課題の発掘、発信を行うとともに、研究体制の構築等の必要な措置を講じ、研究開発を実施し、産業競争力の強化、新規産業の創出に貢献する。

イ)[研究活動の質的向上]

 研究活動の質的向上を担保するため、以下の方策をとるものとする。

  • 外部意見を取り入れた研究ユニット評価と運営を行うこと。
  • 競争的研究環境を醸成すること。
  • 優れた業績をあげた個人について積極的に評価する。

ウ)[成果の発信]

 研究所の概要、研究の計画、研究の成果等について、印刷物、データベース、インターネットのホームページ等の様々な形態により、広く国民に対して分かりやすい情報の発信を行うものとする。研究活動の遂行により得られた成果が、産業界、学界等において、大きな波及効果を及ぼすことを目的として、特許、論文発表を始めとし、研究所の特徴を最大限に発揮できる、様々な方法によって積極的に発信するものとする。

エ)[産学官一体となった研究活動への貢献]

 産業界、大学と一体になったプロジェクトなど、産学官の研究資源を最大限に活用できる体制の下での研究活動の展開へ貢献するものとする。

4)【技術指導、成果の普及等】

ア)[産業界との連携]

 産業界等との役割分担を図りつつ研究開発活動を推進するとともに、研究所で醸成された研究成果が、産業界等で広く利活用されることを目指し、産業界等と積極的に以下のような研究協力・連携を推進するものとする。

  • 日本全国に配置された研究拠点を活用して、広く研究開発ニーズや産学官の連携に対するニーズの発掘、収集に努めるとともに、ベンチャーも含めた産業界への技術移転等に努めること。
  • 技術相談等に的確に対応するとともに、これに伴う新たな展開として共同研究への発展を図る等、積極的に技術移転に努めること。特に外部ニーズに積極的に対応するために、受託研究制度を抜本的に見直し、研究受託件数の大幅な増加に努めること。
  • 産業界を支える人材の育成と産業技術力向上への貢献を目指し、企業等研修生、共同研究等に伴う共同研究者等を積極的に受け入れること。

イ)[大学への協力]

 大学への協力として連携大学院制度等への積極的な協力を行うものとする。

  • 将来の産業界を支える人材の育成への貢献を目的として、学生の受け入れ、連携大学院制度への積極的な参画をすること。

ウ)[知的貢献]

 学界、産業界への知的貢献として、内部研究人材・研究ポテンシャルを外部へ提供・活用するものとする。

  • 研究所の人的ポテンシャルの提供を積極的に進め、大学、大学院等の高等教育機関、学会、委員会、民間企業等へ、職員を派遣すること。

エ)[政策立案等への貢献]

 産業技術に係る政策立案への貢献を積極的に推進するものとする。

  • 産業技術に係る研究所の持てる研究ポテンシャルを結集して、経済産業省、総合科学技術会議等における産業技術に関する政策立案に技術的側面から貢献すること。

オ)[標準化・規格化等、知的基盤への貢献]

 国内外から要請の高い各種の標準化、規格化等、知的基盤構築に対して積極的に貢献するものとする。

  • 計量標準、工業標準、化学物質標準、地質図等、知的基盤の整備に貢献すること。
  • 国内外での標準化を目的とした技術開発を実施し、また標準の策定を支援する体制を整備すること。
  • アジア諸国との標準化協力関係を構築すること。

カ)[国際活動]

 科学技術に関する国際的な研究展開、成果の国際普及、途上国技術支援を行うものとする。

  • 国際協力、国際貢献の観点から、国際協力プロジェクトの発掘・実施を積極的に進める等、国際的な研究展開を行うとともに、国際シンポジウムを開催し研究成果の公開普及、研究者の交流を図ること。
  • 発展途上国への技術協力・技術支援の観点から、国際協力プロジェクト等へ参画し、海外研修生の受入れ等を積極的に推進すること。

5)【情報の公開】

 公正で民主的な法人運営を実現し、法人に対する国民の信頼を確保するという観点から、情報の公開に適正に対応するものとする。

6)【その他の業務】

[特許生物の寄託業務]

  • 特許にかかる寄託制度の運営に関わることによる産業界への貢献を目的に、特許庁委託による生物株の寄託・分譲の業務を適切かつ円滑に遂行するものとする。

[独立行政法人製品評価技術基盤機構との共同事業]

  • 標準化関係業務等に関する共同事業を行うものとする。

4.財務内容の改善に関する事項

1)運営費交付金を充当して行う事業については、「2.業務運営の効率化に関する事項」で定めた事項について配慮した中期計画の予算を作成し、当該予算による運営を行う。

2)積極的に外部資金の増加に努め、総予算に対する固定的経費の割合の縮減等の経営努力を行う。

  • 自己収入の増加
    外部資金、特許実施料等、自己収入の増加に努めるものとする。
  • 固定的経費の割合の縮減
    大型機器の共通化、管理業務等の合理化を図り、固定的経費の割合を縮減するものとする。

5.その他業務運営に関する重要な事項

1)業務の実施に必要な施設・設備の適切な整備に努めるものとする。

2)管理業務に関わる支出額(人件費)の総事業費に対する割合を抑制するものとする。