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別表2 地質の調査(知的な基盤の整備への対応)
我が国の産業の発展、国民生活の安寧はもとより広く人類の持続的発展に貢献するため、我が国の技術開発及び科学研究に関する基本的な計画の要請に沿って、国土の利用や資源開発・環境保全に必要不可欠な地質の調査及びこれらに共通的な技術課題について重点的に取り組むものとする。
1.【地質情報の組織化と体系的集積・発信】
日本の地質の調査研究を実施するとともに、地質の調査に係わる探査・分析技術、情報解析技術、情報提供技術の高度化を進める。それらの成果を地質図・地球科学図及び各種のデータベース等の知的基盤として整備し、社会に公表するものとする。
[地質図・地球科学図の作成]
- 国土の地質情報基盤である1/5万地質図幅及び1/20万地質編さん図については、長期的な計画に基づいて着実な整備を進め、それぞれ新たに30図幅と8図幅を作成するとともに、特定観測地域の1/20万総括図の調査を行う。
- 我が国周辺海域の1/20万海洋地質図については、北海道東方海域の海洋地質調査を継続するとともに、過去の調査成果を含めた14図を新たに作成する。
- 九州地域の重力基本図の整備を行い、全国6地域中4地域の整備を完了するとともに、全国をカバーする地球化学図を新規に作成する。
- 国内および周辺諸国における社会ニーズに対応した各種主題図を作成し、大都市圏国土利用、都市防災、資源安定供給等に必須な地球科学情報基盤の構築を進める。
[情報の数値化・標準化・データベース整備]
- 地質図、各種地球科学図の数値化を進め、社会からの容易なアクセスと利便性の向上を図る。
- 地質の調査に係わる地球科学情報の高精度化と標準化を進めるとともに、地質標本の整備を推進する。
- 地質の調査の調査研究成果、ならびに各種地球科学情報、地質文献資料等の系統的収集・集積を行い、データベースとして整備公表する。
[地質情報の提供]
- 地質の調査に係わる成果を、地質図類・報告書等の出版、オンデマンド印刷及びウェブ情報発信により提供するとともに、ウェブ総合情報検索システムを構築する。これらをさらに普及させるため、地質関連イベントへの参加、地質情報展の開催、地質標準的試料・標本の頒布等の活動を行う。
- 地質の調査への理解を広げるため、地質の調査の成果の効果的な普及に努めるとともに、国民・企業等からの地質に関する相談に確実に対応する。
[地質の調査のための基盤的基礎的研究]
- 地質の調査に係わる研究手法・技術の高度化を進めるとともに、新たな地球科学的理論・モデルを提出する。
2.【深部地質環境の調査・研究】
- 地層処分システムの安全性評価に関する国の施策に資すために、評価手法・基準に関する地質の知見・データを整備し、評価モデルを構築するとともに、地質特性長期変化のメカニズム等の技術資料の整備を図る。また、地質環境図類の作成などによって深部地質の情報を社会に提供する。
3.【地震・活断層及び火山の調査・研究】
地震・活断層及び火山の研究については、地震防災対策特別措置法、大規模地震対策特別措置法、第6次噴火予知計画等の法律および省庁横断的な研究推進計画に基づいた研究項目を分担実施するものとする。
[地震・活断層]
- 政府の地震調査研究推進本部によって決定された全国主要98活断層の地震発生危険度調査を分担実施し、地震発生確率評価を行うとともに、12活断層に関する調査報告書を出版し、活断層ストリップマップを公表する。
- 地震前兆現象の把握に資する地下水等の変化観測システムの整備、観測・解析手法の高度化、地震発生のモデル化と予測精度向上を図るとともに、強震動評価のための地下構造探査を行い、それらの情報を国・社会に提供する。
- 日本周辺海域における海域活断層の分布把握や活動評価手法の開発等を進める。
[火山]
- 測地学審議会による活火山のうち、最も活動的な火山である三宅島および岩手山の火山地質図を作成し、合計13火山の整備を完了する。さらに、火山噴火予知及び火山防災に資する研究を行い、火山地域地球物理総合図、新たな火山科学図の作成手法を開発するとともに、火山関連情報のデータベース化を図る。
4.【緊急地質調査・研究】
- 地質調査分野における社会的要請等への機動的な対応に努めるとともに、地震、火山噴火を初めとする地質災害発生時には緊急の調査・研究を実施し、必要な関連情報の発信を行う。
5.【国際地質協力・研究】
- 地質の調査業務として実施すべき国際共同研究・国際プロジェクトについて、国の基本施策に基づきその長期戦略や実施内容等を策定するとともに、国際的に我が国のプレゼンスの維持向上が達成されるよう、地質の調査に関する我が国を代表する責務を果たす。
- 海外、特にアジア太平洋地域の地下資源全般、地球規模環境問題及び沿岸域の持続的開発に関する研究協力・技術移転を進めるとともに、資源情報・地質環境情報の収集整備を行うとともに、地質情報の信頼性の向上と国際標準化の推進を実施し、知的基盤整備を行う。
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