| 産業技術総合研究所 第3期 中期計画 |
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【別表3】 計量の標準(計量標準の設定・供給による産業技術基盤、社会安全基盤の確保) 我が国経済活動の国際市場での円滑な発展、国内産業の競争力の維持、強化、グリーン・イノベーション及びライフ・イノベーションの実現に貢献するため、計量の標準の設定、計量器の検定、検査、研究、開発、維持、供給及びこれらに関連する業務、並びに計量に関する教習を行う。その際、メートル条約及び国際法定計量機関を設立する条約の下、計量標準と法定計量に関する国際活動において我が国を代表する職務を果たす。 1.新たな国家計量標準の整備 新たに必要となる国家計量標準を迅速に開発、整備し、供給を開始する。具体的にはグリーン・イノベーションの実現に必要な省エネルギー技術や新燃料等の開発、評価を支える計量標準の開発を行う。また、ライフ・イノベーションの実現に必要となる医療診断、食品安全性、環境評価等を支える計量標準の開発を行う。さらにナノデバイスやロボット利用技術等、我が国の技術革新や先端産業の国際競争力を支える計量標準の開発を行う。新たな開発を行う標準の選定にあたっては、整備計画の改訂に従い、技術ニーズや社会ニーズを迅速に反映させる。また、国際規格や法規制に対応した計量標準を整備し、我が国の円滑な国際通商を支援する。 1-(1) グリーン・イノベーションの実現を支える計量標準の整備 グリーン・イノベーションの推進に必要な計量標準の早急な開発、整備を行い、供給を開始する。具体的には、水素エネルギー、燃料電池等の貯蔵技術、利用技術の推進、省エネルギー・エネルギー効率化技術の開発を支援する計量標準の開発、整備を行い、供給を開始する。また、バイオマス系資源の品質管理や安定性評価に必要な標準物質、資源再利用システムの信頼性評価に必要な標準物質をニーズに即応した開発、整備を行い、供給を開始する。 1-(1)-@ 新エネルギー源の利用に資する計量標準 水素エネルギー、燃料電池及び電力貯蔵キャパシタの利用に必要な気体流量標準、気体圧力標準、電気標準、燃料分析用標準液等について、新たに4種類の標準を開発、整備し、供給を開始する。 1-(1)-A 省エネルギー技術の開発と利用に資する計量標準 運輸システム、オフィス、住宅、ビル、工場等における省エネルギー技術開発に必要な高周波電気標準、光放射標準、熱流密度標準等について、新たに7種類の標準を開発、整備し、供給を開始する。 1-(1)-B バイオマス資源の利用技術に資する計量標準 バイオガソリン、バイオディーゼル等、バイオマス資源の品質管理、成分分析、安定性評価等利用技術に必要となる標準物質について、新たに5種類開発、整備し、供給を開始する。 1-(1)-C 資源再利用システムの信頼性評価に資する計量標準 電気・電子機器の廃棄及び製品のリサイクル並びにこれらに係る規制・指令(REACH 規制、WEEE 指令等)に対応するため、資源再利用システムの信頼性を評価、分析する上で必要となる標準物質について、新たに2種類開発、整備し、供給を開始する。 1-(2) ライフ・イノベーションの実現を支える計量標準の整備 ライフ・イノベーションの推進に必要な計量標準の早急な開発、整備を行い、供給を開始する。具体的には、先進医療機器の開発、標準化に資する計量標準及び予防を重視する健康づくりに不可欠な臨床検査にかかわる計量標準の開発、整備を行い、供給を開始する。また、生活に直結する食品の安全性や生活環境の健全性確保に資するため、食品分析にかかわる計量標準、有害化学物質の分析にかかわる計量標準の開発、整備を行い、供給を開始する。 1-(2)-@ 医療の信頼性確保に資する計量標準 医療の信頼性確保のため、超音波診断装置、放射線治療機器等の先進医療機器の開発、利用に必要な超音波標準、放射線標準等について、新たに4種類の標準を開発、整備し、供給を開始する。また、医療現場における医療診断、臨床検査に不可欠な標準物質について、新たに4種類開発、整備し、供給を開始する。 1-(2)-A 食品の安全性確保に資する標準物質 食品の安全性確保及び食品に係る各種法規制、国際規格(食品衛生法、薬事法、米国FDA 規制、国際食品規格(コーデックス規格)等)に対応するため、基準検査項目の分析に必要となる標準物質について、新たに4種類開発、整備し、供給を開始する。 1-(2)-B 生活環境の健全性確保に資する計量標準 国民の生活環境の健全性を確保するため、大気汚染ガス、地球温暖化ガス、有害ガス等の分析、評価、測定等に必要となる標準物質について、新たに9種類開発、整備し、供給を開始する。 1-(3) 産業の国際展開を支える計量標準の整備 我が国産業の国際通商を円滑に実施するために必要な国際規格、法規制に対応する計量標準の開発、整備を行い、供給を開始する。特に、移動体通信機器の電磁波規制にかかわる計量標準を重点的に整備する。また、ナノデバイス、ナノ材料やロボット分野において、我が国産業の国際競争力を支援し、国際的な市場展開を支える基盤的計量標準の開発、整備を行い、供給を開始する。 1-(3)-@ 国際通商を支援する計量標準 我が国産業の国際通商を支援するため、電磁波不干渉性及び耐性(EMC)規制等の国際規格、法規制に対応する計量標準について、新たに10種類開発、整備し、供給を開始する。 1-(3)-A ナノデバイス、ナノ材料の開発と利用に資する計量標準 ナノデバイス、ナノ材料の技術開発と利用に資する計量標準として、ナノスケールの半導体デバイス製造に不可欠な線幅標準、ナノ粒子の機能及び特性評価やナノ粒子生産現場の環境モニタリングのための粒径標準、ナノ機能材料の分析、評価に必要な標準物質等について、新たに10種類の標準を開発、整備し、供給を開始する。 1-(3)-B ロボットシステム利用の安全性確保に資する計量標準 ロボットシステム利用における安全性確保に資するため、機能安全設計の信頼性向上に必要な力学標準、振動標準等について、新たに3種類の標準を開発、整備し、供給を開始する。 2.国家計量標準の高度化 国家計量標準を確実に維持、供給するために必要な国際比較への参加、品質システムの構築を行う。同時に、ニーズに即した範囲の拡大や不確かさ低減等の高度化を、計量標準に関する整備計画に即して行う。また、産総研の校正技術の校正事業者への技術移転を進め、校正事業者が供給する校正範囲の拡張を進めると同時に、校正事業者の校正能力を確保するための認定審査を技術面から支援する。さらに、産業現場まで計量トレーサビリティを普及する校正技術の開発や、トレーサビリティ体系の合理化を行うことで、校正コストの低減や利便性の向上を実現する。国家計量標準の供給体制について選択と集中や合理化の視点から見直しを行い、計量標準政策への提言としてまとめる。計量標準に関する整備計画の改訂に必要な調査と分析を行い、策定した整備計画についての情報発信を行う。 2-(1) 国家計量標準の維持、供給 国家計量標準を維持管理し、JCSS(計量法に基づく校正事業者登録制度)や依頼試験に基づく校正サービス、標準物質等の供給を行う。また、ISO/IEC17025 等校正業務の管理に関する国際規格に適合する品質システムを構築、運用し、品質システムに則した標準供給を行う。国際相互承認に係る技術能力( Calibration andMeasurement Capability: CMC)の登録の維持、追加申請(国際基準への適合性確保)に必要となるピアレビューを実施し、国際比較(基幹比較、補完比較、多国間比較、二国間比較等)へ参加する。 2-(2) 国家計量標準の高度化、合理化 より高度な技術ニーズや社会ニーズに対応するため、供給を開始した計量標準の高度化、合理化を進める。特に、省エネルギー技術の推進、産業現場計測器の信頼性確保及び中小企業の技術開発力の向上を支援する計量標準について、供給範囲の拡張、不確かさの低減等の高度化を行うとともに技術移転等による供給体系の合理化を行う。 2-(2)-@ 省エネルギー技術の利用を支援する計量標準 省エネルギー機器の開発と利用の推進に不可欠な計量標準として、12種類の標準について、供給範囲の拡張、技術移転等を行う。 2-(2)-A 産業現場計測器の信頼性確保に資する計量標準 産業現場計測器の信頼性を確保するため、品質管理、認証、認定等に必要となる計量標準として、50種類の標準について供給範囲の拡張、技術移転等を行う。 2-(2)-B 中小企業の技術開発力向上に資する計量標準 中小企業の技術開発力の向上に不可欠な計量標準として、9種類の標準について、供給範囲の拡張、技術移転等を行う。 2-(3) 計量標準政策に関する調査と技術支援 我が国の計量関係団体、機関への参画や、計量標準総合センター(NMIJ)計測クラブの運営を通じて、計量トレーサビリティ体系に関するニーズ調査や分析を行う。その成果に基づき、政府の計量トレーサビリティ施策に対する技術的支援を、知的基盤整備特別委員会や計量行政審議会等を通じて行う。 2-(4) 計量標準供給制度への技術支援 JCSS(計量法に基づく校正事業者登録制度)等において、事業者認定のための技術審査、技能試験の実施、技術的な指針やガイド等の審査基準文書作成を通して計量標準供給制度の運用に関する技術支援を行い、JCSS 等の普及及び拡大に貢献する。 2-(5) 計量トレーサビリティ体系の高度化、合理化 産業現場やサービス産業への計量トレーサビリティの普及を図るため、校正のコスト低減や効率性向上に必要な技術を自ら開発又は業界との連携の下で開発を行うとともに、開発した技術を適用した校正等を実施する。新たな供給方法として、産業現場で直接校正可能な技術等の開発を行い、トレーサビリティ体系の合理化を図る。 3.法定計量業務の実施と関連する工業標準化の推進 法定計量業務について、品質管理の下に適正な試験検査、承認業務を実施する。特定計量器の利用状況の調査等を通して計量行政を支援するとともに、計量器の信頼性を検証するための適合性評価システムの整備・普及を促進する。 3-(1) 法定計量業務の実施と法定計量政策の支援 特定計量器の基準器検査、型式承認試験、型式承認審査等の技術的な試験検査業務を国際標準に基づく品質管理の下に適正に実施する。さらに特定計量器の技術規格整備や法定計量体系の高度化、合理化、国際化等の政策課題に関して、利用者、製造事業者及び民間認証機関への調査を通して、計量行政への支援を行う。 3-(2) 適合性評価技術の開発と工業標準化への取組 特定計量器について、技術基準の国際整合化を図り、その技術基準に基づき製造される特定計量器の新たな適合性評価技術の開発、整備を行う。また、一般計測、分析器及びそれが生み出す測定結果の信頼性を評価する技術の開発を行い、評価基準の作成、普及を図る。さらに、一般計測器、分析器の内蔵ソフトウェア、計測器モジュールの評価技術基準を作成し、普及を図る。 4.国際計量標準への貢献 計量にかかわる国内の技術動向の調査に基づいて、計量標準、法定計量に関連する国際活動に主導的に参画する。特に我が国の技術を反映した計量システムや先進的な計量標準を諸外国に積極的に普及させるとともに、メートル条約と法定計量機関を設立する条約の下、メンバー国と協調して国際計量標準への寄与に努める。また、二国間MOU(技術協力覚書)の締結、維持により、製品の認証に必要となる計量標準の同等性を確保し、特定の計量器の適合性評価結果の受入れを可能にするための国際協力を行う。 4-(1) 次世代計量標準の開発 国際計量標準の構築において我が国の優位性を発揮するため、秒の定義やキログラムの定義等を改定する革新的な計量標準の開発を世界に先駆けて行う。その成果を国際度量衡委員会(CIPM)、同諮問委員会、作業部会等を通して国際計量標準に反映させる。また、環境、医療、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、エネルギー関連等の先端産業技術を支援する戦略的な計量標準に関しては、先進国の計量標準研究所との競争と協調の下に効率的に開発を進める。 4-(2) 計量標準におけるグローバルな競争と協調 国家計量標準の同等性に関する国際相互承認体制(MRA)及び計量器の技術基準の同等性に関する国際相互受入れ取決め(MAA)を発展させる活動に率先して取り組む。具体的にはメートル条約に係る国際機関、地域機関において技術委員会の主査を務める等、主導的な活動を行う。また、国際貢献の観点から通商の基盤となる計量標準確立への途上国支援を行う。 4-(3) 計量標準分野における校正、法定計量分野における適合性評価の国際協力の展開 製品の認証に必要となる計量標準の同等性を確保し、特定の計量器における適合性評価結果の受入れを可能にするための調査、技術開発を行う。また、受入れに必要となる二国間MOU(技術協力覚書)の締結、維持等の国際協力を行う。 5.計量の教習と人材の育成 法定計量業務に対応できるよう、国内の法定計量技術者の技術力向上を図るための教習を企画、実施する。公的機関、産業界及び開発途上諸国の計量技術者に対し、計量標準技術と品質システムの研修を行い、人材育成を行う。 5-(1) 計量の教習 計量法に基づき、計量研修センターと計測標準研究部門を中核として法定計量の教習を企画、実施して、国内の法定計量技術者の技術力向上を図る。 5-(2) 計量の研修と計量技術者の育成 計量にかかわる公的機関、産業界及びアジア諸国の技術者を対象として、啓発、教育、技術トレーニング等の人材育成プログラムの開発を行い、人材育成を行う。また、計量技術者の自発的な成長を促進するため、計量技術に関する情報について体系的に整理を行い、公開する。 |