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産業技術総合研究所 第1期 中期計画

【別表3】 計量の標準(知的な基盤の整備への対応)

 我が国経済活動の国際市場での円滑な発展を担保するため、計量標準及び法定計量に関する一貫した施策を策定し、計量の標準の設定、計量器の検定、検査、研究及び開発並びにこれらに関連する業務、並びに計量に関する教習を行う。その際、メートル条約及び国際法定計量機関を設立する条約のもと、計量標準と法定計量に関する国際活動において我が国を代表する職務を果たす。

(1)国家計量標準の開発・維持・供給

 経済構造の変革と創造のための行動計画(閣議決定、2000.12)、科学技術基本計画、知的基盤整備特別委員会中間報告(産業技術審議会・日本工業標準調査会合同会議1999.12)の目標・方針に基づいて計量標準(標準物質を含む。)の開発・維持・供給を行い、また国際基準に適合した計量標準の供給体制を構築して運営する。

・ 計量標準の分野ごとに計量標準の開発・維持・供給を行い、ISO/IEC 17025 及びISO ガイド34に適合する品質システムを構築して運営する。また、国家計量標準と国家計量標準機関が発行する校正証明書に関する相互承認協定(以下グローバルMRAと略す。)の枠組みの中で計量標準の国際比較と国際相互承認を行う。
- 長さ・幾何学量分野では既存の6種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、13種類の開発に着手し、既着手分と合わせて25種類の開発を進め、そのうち19種類の供給を開始する。15種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては32件に参加し、13種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 時間・光周波数分野では既存の1種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、8種類の開発に着手し、そのうち2種類の供給を開始する。2種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。
- 力学量分野では既存の6種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、4種類の開発に着手し、既着手分と合わせて15種類の開発を進め、そのうち12種類の供給を開始する。12種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては22件に参加し、13種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 音響・超音波・振動・強度分野では既存の6種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、9種類の開発に着手し、既着手分と合わせて15種類の開発を進め、そのうち4種類の供給を開始する。8種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては5件に参加し、4種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 温度・湿度分野では既存の13種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、10種類の開発に着手し、既着手分と合わせて21種類の開発を進め、そのうち12種類の供給を開始する。20種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては、7件に参加し、8種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 流量分野では既存の8種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、3種類の開発に着手し、既着手分と合わせて5種類の開発を進め、そのうち3種類の供給を開始する。9種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては3件に参加する。
- 物性・微粒子分野では既存の1種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、15種類の計量標準の開発に着手し、既着手分と合わせて28種類の開発を進め、そのうち8種類の供給を開始する。6種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては1件程度に参加し、5種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 電磁気・電磁波分野では既存の10種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、23種類の開発に着手し、既着手分と合わせて29種類の開発を進め、そのうち22種類の供給を開始する。17種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては7件に参加し、15種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 測光放射測定分野では既存の6種類の計量標準の維持・供給を継続するとともに、4種類の開発に着手し、既着手分と合わせて5種類の開発を進め、そのうち4種類の供給を開始する。7種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては3件に参加し、6種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 放射線計測分野では既存の7種類の標準の維持・供給を継続するとともに、15種類の開発に着手し、既着手分と合わせて17種類の開発を進め、そのうち7種類の供給を開始する。9種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては10件に参加し、8種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 物質量分野では既存の76種類の標準の維持・供給を継続するとともに、60種類の計量標準の開発に着手し、既着手分と合わせて110種類の開発を進め、そのうち107種類の供給を開始する。46種類の計量標準に対して品質システム技術部分を構築して運営する。国際比較に関しては、20件に参加し、35種類の計量標準に関して国際相互承認(暫定承認を含む。)を行う。
- 統計工学分野では計量標準の開発・維持・供給・比較における不確かさについて共通的な評価手法を開発・整備し、文書発行・講習会開催などにより校正事業者、認定機関への成果普及を図るとともに、産業技術総合研究所内部に対しても不確かさ解析技術の支援を行う。

・ グローバルMRAの枠組みの中で、我が国の国際比較への参加を企画・管理し、品質システムの審査に関しては海外の計量技術専門家による国際査察を企画・管理する。また我が国の国家計量標準の国際相互承認を企画・管理する。
・ 計量法に基づいて高精度の校正サービスを行う校正事業者の認定に係る認定申請書類の技術審査、現地審査、技能試験における移送標準器の校正(参照値の導出)を行う。
・ 計量法認定計量管理事業者制度に基づいて極微量物質の分析を行う事業者の認定に係る認定申請書類の技術審査、現地審査、技能試験における移送標準物質の校正(参照値の導出)を行う。
・ 開発された計量標準技術を活用して、化学物質の標準スペクトルデータ及び材料の熱物性に関する標準データを測定により取得し、その信頼性を評価して一般に公開する。

(2)特定計量器の基準適合性評価

 我が国の法定計量システムの整備に必要とされる国内外の動向とニーズを調査し、整備に係る実施計画案を策定するとともに、経済産業省に対して法定計量システムの企画・立案の支援を行う。また法定計量に係わる品質システムを構築して運営する。

・ 国際比較への参加を企画・管理し、品質システムの審査に関しては国際査察を企画・管理する。また、計量器の型式承認について試験データの受け入れに関してドイツ、オランダ、英国などとの国際相互承認を企画・管理する。
・ 法定計量の国際相互承認に必要な分野において品質システムを構築して運営する。
・ 我が国の特定計量器の技術基準に関し、国際法定計量機構 (OIML) の国際勧告に対応して5機種について国際整合化を行う。タクシーメーター等の計量器に対する型式承認試験の国際比較に参画する。また4機種の型式承認に関してOIML計量証明書の発行を行い、そのうち2機種に対して試験データの受け入れに関する国際相互承認を行う。
・ 型式承認に係る技術審査、試験業務に関しては、非自動はかり、燃料油メーターなどを中心として要素型式承認の導入に基づき、試験及び技術審査業務を行う。また基準器検査等の検査業務に関しては、認定事業による校正を導入した新たな検査システムを構築して実施する。
・ 特定計量器のうち、ガスメーター、水道メーター等の4機種について日本工業規格の原案作成を行う。

(3)次世代計量標準の開発

 国際度量衡委員会 (CIPM) の勧告を考慮しつつ先導的な計量標準の技術開発を進め、次世代の計量標準に結実させる。

・ 主要な研究課題として、原子泉方式による新時間標準、光周波数計測による高精度広域波長標準、電磁気量に基づく新質量標準、共晶点を利用した超高温度標準、高温白金抵抗温度計による新国際温度目盛、粘度の新国際標準、高速・高精度の交流電圧標準、イオンビーム堆積物質量標準、情報技術を利用した新しい標準供給方式などを考慮し、適宜柔軟な計画の見直しとチーム編成のもとに技術開発を行う。

(4)国際計量システムの構築

 我が国の計量技術を諸外国に積極的に発信するとともに、諸外国と協調して国際計量システムを構築する。その際、諸外国の計量システムと国際計量システムに我が国の技術を積極的に反映させる。

・ アジアを中心とした開発途上国へ国家標準器の校正サービスを行い、共同研究を推進する。また、技術協力プロジェクトにおける専門家の派遣、技術審査員(ピアレビューアー)の派遣等、相手国の計量システムの構築と向上を支援する。
・ 国際計量システムの発展に資するため、中国、韓国、欧米先進諸国の研究機関と共同研究・国際比較等を行う。
・ アジア太平洋計量計画(APMP)で議長国と事務局の役割を務める。また地域計量機関と国際度量衡局 (BIPM) の合同委員会 (JCRB) に参画する。また、メートル条約のCIPM諮問委員会で作業部会の議長や委員を引き受ける。
・ 国際法定計量機構(OIML)の枠組みの中で、OIMLの国際相互承認協定の締結に関し、OIML TS3/SC5の活動を積極的に行う。また、アジア太平洋法定計量フォーラム (APLMF) の議長国と事務局を引き受ける。

(5)計量の教習と人材の育成

 一般計量士、環境計量士の資格付与のために、計量技術者向けに研修プログラムを作成し、講師と実習指導者を選任する。

・ 国内向けに年間12000人・日の一般計量の教習、年間4000人・日の環境計量の教習を企画・実施する。環境計量講習に関しては、民間の求めの増大がある場合これに対応する。計量士の再教育制度が設けられる場合には、計量教習機能を強化する。
・ 年間200人・日の計量技術者研修を企画・実施する。
・ 校正事業者、環境計量証明事業者の適合性評価を行う審査員のための品質システム研修を行う。
・ アジア諸国を中心にJICA技術協力等に基づき、法定計量と計測技術に関して年間500人・日の技術研修の企画・調整を行う。
・ 計量の技術分野毎に民間の計量技術者が校正業務、環境計量証明業務の遂行等に際して容易に参照できるような専門技術書(モノグラフ)を企画・編集する。


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