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【別表2】 地質の調査(知的な基盤の整備への対応)
我が国の産業の発展、国民生活の安寧はもとより広く人類の持続的発展に貢献するため、国土の利用や資源開発・環境保全に必要不可欠な地質の調査、国土の地質学的・地球科学的実態の正確な把握、地球科学に関する基礎的・先導的・応用的研究、ならびに地震・火山等の地質災害の軽減研究を実施するとともに、海外地質調査、国際研究協力及び技術協力を推進し、これらの地質学的・地球科学的情報を広く国民に提供する。
(1)【地質情報の組織化と体系的集積・発信】
[地質図・地球科学図の作成]
・ 地震予知・防災に関する緊急性の高い特定観測地域1/5万地質図幅13図幅、社会的及び地球科学的重要地域の1/5万地質図幅17図幅を作成する。1/20万地質編さん図の全国完備を目指して、未出版8地域を作成する。さらに特定観測地域の1/20万総括図8地域の調査を実施する。
・ 主要四島沿岸海域のうち未調査である北海道東方5海域の調査を行うとともに、1/20万海洋地質図を14図作成する。
・ 重力基本図4図と50元素の全国1/200万地球化学図を作成し、中国・四国地域における重力調査を実施する。さらに、人為汚染地域の1/20万精密地球化学図作成手法の開発を進める。
・ 大都市圏精密基盤構造図および衛星地盤変動図作成手法を開発する。
・ 未利用地熱資源量評価のために、地熱資源評価システムの設計及び数値地熱資源量分布図の作成を行う。
・ 1/200万鉱物資源図2図、燃料資源地質図2図、1/50万鉱物資源図2図、水文環境図4図、大都市圏の地質汚染評価図2図を作成する。
[情報の数値化・標準化・データベース整備]
・ 1/5万地質図幅315図、出版済1/20万地質編さん図全99図をベクトル化し、数値地質図として整備する。
・ 新第三紀標準複合年代スケール及びデータベースならびに1/20万地質図の共通凡例を作成し、地質表示基準を完成する。これを用いて1/20万精度の暫定版全国地質図を編さんし、大都市地域の1/20万地質図を再編する。
・ 地球化学標準試料を新たに4個作成し、標準値を設定する。
・ 地質標本を2万点追加登録するとともに、岩石鉱物・化石の分類・系統・標準研究高度化の第1フェーズとして日本の岩石鉱物カタログを作成する。
・ 石炭起源ガス、ガスハイドレート等の天然ガスを中心とする燃料資源、大規模潜頭性鉱床等の鉱物資源及び西太平洋の海底鉱物資源情報を体系的に収集する。
・ 日本地質図データベース、日本全国空中磁気データベース、日本周辺海域の海洋地質データベース、水文地質データベース及び日本地層名検索データベースの構築と、日本地質文献データベース、日本及び世界地質図索引図データベース、地球化学情報データベース、地質標本管理用データベース、ならびに地質標本館登録標本画像データベースの継続的な更新を行い、ウェブ上に公開する。
・ 地下構造3次元データベースと国内モデル5地域の1/20万統合地球科学データベースの試作を行う。
・ これらのデータベース構築に必要な技術開発と標準化を行う。
[地質情報の提供]
・ 地質の調査に係わる地質図類、報告書、研究報告誌等の出版を継続するとともに、オンデマンド印刷・CD-ROM等電子媒体による頒布体制を整備する。
・ 新たに地質の調査に関連するメタデータ及び総合的な検索システムをウエブ上に構築する。
・ 各種イベントへの参加協力および独自の地域地質情報展などを毎年開催するとともに、地球化学標準試料を含む標準的試料・標本や成果普及物の頒布と野外見学会や普及講演会の実施を行う。
・ 資源・地質災害等の重点研究分野における産業界、学界、地方自治体等との交流・連携を強化推進するとともに、地学に関する内外からの相談に積極的に応える地質相談を行う。
[地質の調査のための基盤的基礎的研究]
・ 島弧地域における地史未詳地質体の研究を行い、北部フォッサマグナ構造図の作成等による島弧地質現象モデルの高度化、地質調査技術の高精度化を行う。
・ 地殻深部の不均質構造探査手法の研究を行うとともに、古地磁気/岩石磁気手法の高度化と海底付近での物質循環や海底環境把握手法の開発を行う。
・ アジアの金資源の開発・利用におけるリスク要因の研究とリスクアセスメントの高度化を国内外で行う。
・ 二次イオン質量分析法による精密同位体分析法の開発を進め、地質不均質系成因モデルを構築する。
(2)【深部地質環境の調査・研究】
・ 地層処分システムに関係する地球科学的知見・データの取りまとめと分析を行い、安全性評価のための論理モデルを構築するとともに、地下水流動モデルや長期的な物質の挙動のナチュラルアナログ等の研究を行う。
・ 東北南部の列島横断地帯及び地質項目毎の代表的地域において、総合的な広域地質調査・解析を実施するとともに、長期変化プロセスとメカニズムの抽出・検証、及び定量的な影響評価解析・予測手法等の研究を行い、技術資料等を整備する。
・ 既存公表資料を対象とした地質の隔離性に関する全国データベースシステム、及び地質構造解析システム等のデータ処理システムを構築する。
・ 深部地質の災害や環境保全に関する要素や指標を抽出し、それらの地域分布に関する各種の地質環境図類を作成し、分り易い形での情報発信を行う。
(3)【地震・活断層及び火山の調査・研究】
[地震・活断層]
・ 全国主要活断層の第一次調査、及び第一次評価を完了し100年以内の地震発生確率を明らかにするとともに、平成16年度末までに活断層12件の調査報告書を出版する。
・ 活断層ストリップマップ3図、1/50万活構造図3図、地震発生危険度マップ1図を刊行する。
・ 2つの活断層系を対象として、セグメンテーション及びセグメントの連動を解明する。
・ 京阪神2地域の震源断層モデルと地下構造モデルを完成し、被害予測図を作成する。
・ 地下水等の変動観測システムと前兆的地下水位変化検出システムを構築する。
・ 活断層による歪蓄積過程を把握し、モデル地域における活断層深部構造物性図の作成を行う。
・ 室内実験および野外観測調査により断層の深部すべり過程のモデルを構築し、地震発生予測のためのシステムを設計する。
・ 日本周辺海域の地質構造・地震性堆積物の解析から、地震発生頻度の予測手法を開発する。
[火山]
・ 薩摩硫黄島、有珠・岩手火山観測を行い、マグマ供給系の物理化学過程を明らかにする。
・ 雲仙平成新山の科学掘削を行い、マグマ上昇モデルを検証し、噴火成長史・マグマ発達史を構築する。
・ 火山科学図および火山地域地球物理総合図の作成手法を開発するとともに、火山地質図2図を作成し、第四紀火山活動の時空分布および火山衛星画像をデータベース化する。
・ 火山体地質環境・変質部等の脆弱部を空中物理探査から定量的に評価する手法を確立する。
(4)【緊急地質調査・研究】
・ 社会的要請への組織的かつ機動的な対応のために必要な調査・研究の調整を実施するとともに、地震、火山噴火、地すべり等の地質災害発生時には、直ちに情報収集の体制を組み、必要に応じて緊急調査研究を実施し、現地調査観測情報および関連情報を一元的かつ速やかに提供する。
(5)【国際地質協力・研究】
・ 地質の調査に係る国際協力の枠組み作り、国際地質標準の設定に向けた企画調整、および国際機関関連業務等に関する実施内容の策定を行うとともに、2国間、多国間および国際機関に係わるプロジェクトについての企画および実施の調整を行う。
・ CCOP(東・東南アジア沿岸・沿海地球科学計画調整委員会)、ICOGS(国際地質調査所会議)等に係わる活動に、我が国を代表する実施機関として参画する。
・ 東・東南アジア地域の地球科学情報収集を実施するとともに、鉱物資源データベース、地熱資源データベース、及び海洋地質環境情報デジタルデータベースを構築し、小縮尺東アジアの地質災害図を作成する。
・ アジア地域における地質情報の標準設定と地球科学図類の数値化、データベース化、メタデータ構築を実施するとともに、インターネットによるアジア各国との地球科学情報交換システムを整備する。 |