独立行政法人産業技術総合研究所
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3.機械・製造技術
 経済社会の持続的発展を支えるための技術の緻密化と融合化による産業競争力の強化ともに、環境と調和した経済社会における資源の円滑な循環、高度情報通信社会及び高齢化社会、少子化社会への対応のために、製造技術と基盤となる情報基盤技術に関するものづくり支援技術、各種産業へ影響する機械製造技術の微細化、精密化のためにマイクロナノ加工組立製造技術、環境との調和を実現する循環型社会構築のためのIT技術と融合化した循環型生産システム技術、機械システムの信頼性・安全性の向上を目的とした信頼性工学技術の研究開発を推進するため、各項目の中期計画に対して、平成15年度は以下の研究開発を行う。
(1)ものづくり支援技術
 加工技能の技術化に関する研究を、製造技術とその情報通信技術に関するアプローチで集中的、先導的に進め、産学官連携体制の中で、成果を随時産業界へ提供する速効波及型研究を行い、テクノナレッジネットワーク上で評価する。
【中期計画(参考)】
・ ニーズや重要性の見地から選定した加工分野に関して、センシング技術、加工データベースシステムと加工条件決定などの技術コンサルテーションが可能な加工支援プロトタイプシステムを開発し、加工条件設定などに必要な時間が短縮されることを示す。
≪平成15年度計画≫
・ 加工情報集積については、成形加工 100件以上、除去加工 100件以上、付加加工 200件以上、改質加工 50件以上の加工事例、加工条件データ、アプリケーションを収集し、加工全般に関係する加工データシート集として実現する。
・ ネットワーク上に蓄積されている加工技術文書等加工データシートを対象とし、加工現場ユーザが加工横断的な技術内容を検索する機能の強化を図り、加工全般の技能の技術化を支援するシステムとして開発し、システム構築機能や運用機能と共にとりまとめる。
【中期計画(参考)】
・ ものづくり支援に統合的に運用可能な、プログラム単位の結合、自由な組合せにより、設計製作現場で必要となる情報を、既存のシステム等が管理する利用者権限に応じて使用可能とする設計製作支援共通プラットフォームシステムを開発し、有効性検証を目的としたプロトタイプシステムの開発と評価を行う。
≪平成15年度計画≫
・ プラットフォーム機能として、XML連繋機能およびアプリケーションビルダー機能改善版を開発する。
・ 「3次元形状情報の品質確認の基本機能」の企業での評価を継続し、その評価に基づき機能強化する。新規に「製品データの管理機能」を開発する。
(2)マイクロナノ加工組立製造技術
 各種産業へ影響する機械製造技術の微細化、精密化のために、ナノ加工技術、マイクロファブリケーション技術等の研究開発と、その一層の高度化のため、基礎となる各種現象の解明、原理・手法の確立、計測、評価を行う。
【中期計画(参考)】
・ 精密形状転写加工や、ビーム加工等における加工点付近での微小な加工現象を解明し、それを応用して、微細構造、超精密形状等のマイクロ構造材料に適用できるマイクロファブリケーション・解析評価技術を開発する。ダウンサイジングに適した工作原理を示すため、体系的なマイクロ機構力学の解明と設計技術に基づいて、実用性の高いハードウェア/ソフトウェアを市場および学会に発信する。さらにナノトライボロジーの解明、微細固体駆動素子技術および組立技術等を通じ、超微細加工技術と評価技術、微小流体操作システム等の高集積機械システムを実現する。
≪平成15年度計画≫
・ 原料粒子特性と膜特性の相関データ取得し、シミュレーション解析と併せ、微粒子ビーム成膜法のメカニズムモデルの1次検証を完了する。
・ 原料粉末特性を変えるため、真空中での微粉末状態での輸送方法を確立する。
・ イオン結晶内部の電子励起による欠陥回復効果を利用した新しい制御技術の提案を行う。
・ 微粒子作成技術においては、平成14年度までは、金微粒子の作成に限定されていたが、平成15年度では金以外の微粒子形成技術と条件を見いだし、より実用的な触媒担持技術を念頭にした化学反応促進の実例を見出す。
・ デバイス応用では、より低電圧駆動可能な光スキャナーやマイクロ流体素子などの2次試作、性能向上と製造上のメリットを明らかにする。
・ ナノコンポジット材料としての応用展開を得るために、原料微粒子作成方法や混合方法の基礎的検討を完了する。
・ 加工メカニズムの現象解明に関しては、
1)エアロゾルデポジション法に最適な原料微粒子特性を明らかにする。
2)DLCの機械特性の微視的構造と、作成プロセスとの関係を明らかにする。
3)イオン結晶内部のイオン照射によって意図的に導入した欠陥と機械特性との関係を明らかにする。
4)実験との対比のため、より大きなモデルを計算できる2Dの有限要素法プログラムを作成する。
・ 各種エネルギー援用により、電気特性の改善、大面積化(10cm2角)、微細パターン形成(50µm幅)の達成、積層構造形成の目処を得る。
・ 単一分子レベルのナノ機能・マクロ機能をマクロレベルに展開することを目的に,導電性分子や分子機械分子を集積して分子素子の雛形を作る。様々な分子のSAMの摩擦特性を測定し、摩擦係数を最小にする分子構造を探索する。分子による固体量子素子の実現へ向けたナノギャップ電極の作製と分子の配列技術の研究に着手する。超潤滑状態発現のための固体最表面原子の終端化に関する研究を開始する。超薄膜潤滑技術の確立を目的に、吸着層の上に流動層を効率的に塗布する方法を開発するとともに、吸着層と相性のよい流動層の解明に努める。
・ 微小荷重下のマイクロ・トライボロジー現象の解明を目的に,シリコン製微小AFMステージの汎用性を高めるための設計を行う。
・ 電気粘性流体のマイクロ・ナノ潤滑技術へ応用を目的に、ジャーナル軸受の動特性を数値解析により明らかにし、応答性に着目した制御性の検討を行う。
・ ナノインデンテーション法による硬質薄膜表面の物性測定技術の高度化を目的に、BAM、NISTとの間でミニラウンドロビンテストの第2回目を実施し、インデンター圧子形状の補正関数の求め方について統一した見解を出す。また、レーザーアコースティック法によるヤング率測定結果との相関についても検討する。
・ ナノスケール機械加工およびその応用について研究を進める。また、具体的なアプリケーションを想定したナノスケール加工システムの構想を進める。
・ 実用的に使用可能な小型3次元座標測定装置用プローブを開発する。接触に伴う振動インピーダンス変化を検出する微小プローブを作製し、これをピエゾアクチュエータに取り付け、前年度の成果に基づく原理で接触検出と接触角度の同時検出を行う。プローブを校正し、プローブの達成精度を調べる。マイクロパーツを測定対象にして形状測定実験を行い3次元形状測定が可能であることを実証する。
・ 引き続きマイクロファクトリの普及のための啓蒙活動と、国内外の企業・研究機関との連携を進める。開発した卓上型超高速ミリング加工機の総合評価を行う。超小型ホットプレス加工機および射出成形機の開発と評価を行う。開発した設計支援ツールを適用して、再構成可能な小型工作機械の設計を行う。
・ 複合加工機で現在可能な単独加工、複合加工について加工精度を評価する。ドリルやエンドミル等を用いて切削加工を行った場合の剛性、振動特性、またこれらが加工物の制度に及ぼす影響等について調べる。また、その結果に基づき、マイクロ加工機の最適構造、改良法について検討する。デスクトップ複合加工機製造、使用、廃棄に伴う環境負荷評価項目を検討する。レーザを含む複合加工技術を提案し基礎加工実験を行う。
・ 表面観察では見られなかったフェムト秒レーザの加工影響層について調査する。また測定項目に残留応力、硬さなどを加えセラミックの材料除去プロセスについて考察する。セラミック微小金型を用いたガラスの成形加工技術について検討する。
・ ピエゾ薄膜を利用した2軸のスキャナーを製作する。高周波側と低周波側を同時に駆動し、ディスプレーのデモンストレーションを行う。企業と共同で簡易型ハンドヘルドプロジェクタの試作を行う。ミラー製造の歩留まり向上策としてヒンジ部の最適設計とパターニング精度向上を図る。同時にピエゾ電流モニタリングによる光交換素子の振れ角度自己検出を行う。
・ 引き続きガラス、金属ガラスおよびセラミックス材料のエンボス加工を検討する。ガラスについては導波路やモスアイ構造、金属ガラスについてはICプローバ、セラミックスについては化学反応チップの試作を共同研究を通じて行う。同時に本研究で開発した成形装置の実用化を図る。
・ マイクロ流体システムの製作および機能の信頼性向上およびコストダウンに努める。具体的には検出部の微小化、バックグラウンド雑音の除去、検出部のアレー化を行う。マイクロ流体チップの接合部やマイクロリアクターメンブレンの信頼性向上を行う。具体的には接合時の環境改善、接合位置合わせ精度向上に努める。マイクロ流体の計測を行いビーズの洗浄の効率化について検討する。
・ ツーリングの最適化により、ウエハの薄片化時のチッピング防止策を検討する。シリコン直接接合は接合不良を避けることが困難なため、サイトップ等の新規に開発された接着方式を検討する。これに伴って必要とされる4層ウエハのプラズマCVD法による低温絶縁化の検討を行う。電極作製法としては経済性の高いペースト真空吸い込みによる電極作製を行う。
・ 小型燃料電池システムの開発を目標として、イオン導電性セラミックスの自立膜形成を検討する。膜形成については、いくつかの手法を検討してデバイスに適した方法を採用する予定。また、全体システムの設計を進めプロトタイプを試作する。
・ 強誘電体素子の発電機能を用いた発電デバイスを試作し、その特性を評価する。素子特性がデバイスの特性として発現される機構を明らかにする。力学的特性と電気的特性の発現機構の解明を進める。
・ 平成14年度に引き続き、革新的MEMS(微小電気機械システム)ビジネス支援について、共同研究施設の整備を実施する。
【中期計画(参考)】
・ ナノメートルオーダーの構造を制御して量子機能を発現する構造体の基盤となる、均一(標準偏差1.2以下)無汚染の1〜50nmの超微粒子の作製・制御技術を開発するとともに、プロセス場の計測・解析及び制御技術と、ナノ粒子操作技術の応用展開によりナノスケールの機能付加加工技術を開発する。
≪平成15年度計画≫
・ 高コヒーレンス固体レーザー実現のための要素技術である高熱流束除熱技術に関して、金属の仕事関数の差による熱電冷却を活用する方法の最大冷却効果を、実験と理論により推定する。レーザー微細加工技術については、高集光長焦点深度ビームを用いた同時多点加工のための光学系を設計・検討し、複数点同時加工の可能性を実験的に検証する。
【中期計画(参考)】
・ ナノメートルオーダーの構造を制御して量子機能を発現する構造体の基盤となる、均一(標準偏差1.2以下)無汚染の1〜50nmの超微粒子の作製・制御技術を開発するとともに、プロセス場の計測・解析及び制御技術と、ナノ粒子操作技術の応用展開によりナノスケールの機能付加加工技術を開発する。
≪平成15年度計画≫
・ レーザーアブレーションで作製した粒子の複合構造化プロセス技術の高度化を図る。具体的には、単分散均一金属粒子の表面を酸化膜等により修飾した後、分級法を適用する装置を設計・試作し、コア/シェル比の制御された複合構造粒子の作製システムの構築を目指す。また、多元系半導体粒子の作成手法を構築する。更に、粒子集積構造制御について、制御手法を検討し、プロセスを基本設計する。
【中期計画(参考)】
・ マイクロスケールオーダーの微細形状の成形加工プロセスの最適化に向けて、プロセス条件とミクロな環境の構造、組織、形状及びその機能が性能特性との関連について検討し、成型材料の硬化の過程の解析技術とホログラムを用いた非接触計測技術を開発する。
≪平成15年度計画≫
・ 実用的な観点からは、より大きな効果を発現することが重要であるので、ケモメカニカル効果の発現に影響を及ぼすと考えられる添加物等の組成を変えた硬脆性材料で、硬さ試験を行う。
・ 光干渉計を用いて、非球面レンズ形状を加工機上で計測可能な技術を目指して、計測する形状の基準となる計算機ホログラムを作製し、また、実用化に向けて、計測可能範囲を拡大する技術を開発する。
(3)環境負荷低減生産技術
【中期計画(参考)】
・ 環境との調和を実現する循環型社会構築のためのIT技術と融合化した循環型生産システム技術の確立を目指し、設計・製造・使用(メンテナンス含む)・廃棄(リサイクル含む)といったライフサイクルシナリオを製品特徴に応じて最適化し、製品ライフサイクル管理手法を確立するとともに、各種エコマテリアルプロセス等、省エネルギー型のプロセスの開発を行う。また、次世代のエコトライボロジーシステム構築のための基礎研究を推進する。
≪平成15年度計画≫
・ 使用済み製品の排出量予測モデルを新たに収集するデータによって検証するとともに、より精度を高めるために必要なデータの検討、収集を行う。エミッションフリーマニュファクチャリング関連のプロジェクト化を目指す。
・ 金属ガラスの製造を確立するために金型を開発を行ない、応用可能な形状の金属ガラスバルク材の製造を行う。また、板、棒材などのスケールアップのための金型の検討を行う。
・ 金属ガラスやマグネシウムなどの難加工材の成形法として、加熱機構を付与した電磁成形プロセスや多軸プレス加工を行い、成形の高速度化と低温化を目指す。また、環境負荷低減と低コスト化を目指したマグネシウム板材の直接製造プロセスの開発を行う。
・ 高性能金型の開発を目的に、高速噴射法、衝撃法を利用した超微粒ダイヤモンド等の炭素成膜技術を開発し、最適成膜条件等の検討を行うとともに、素形材加工用金型への応用展開を図る。
・ 低環境負荷材料の開発を目的として、製品評価技術基盤機構筑波技術センターと共同で金属材料の腐食疲労試験方法の素案をまとめる。また、整形外科インプラントの長期寿命等の性能を実験室的において予測できる力学的加速試験法の開発を工業標準部成果普及部門およびNEDO、製品評価技術基盤機構筑波技術センターと共同で行う。具体的には、臨床系および工学系で構成される生体親和性材料のテクノロジーアセスメント技術開発委員会を開催し、性能評価技術を開発する。
・ 高速超塑性を発現し、かつ、高強度であるナノ結晶SUS304の高速超塑性ガスバルジ成形用板材の試作に向けて、製造工程を決定する。超塑性ガスバルジ成形によれば、複雑形状で一体のステンレス板成型品(化学プラント内の部品など)を1成形工程で製造可能となる。本年度は最終目標である直径120mmの円板素材を製造するための加工熱処理工程を決定する。
・ Mg合金AZ91Dの噴射成形法の適用条件を、更に具体化するとともに、結晶粒の異方性が強度および高温延性に与える影響を把握することにより、家電機器・情報機器、特にデジタルカメラ、PDA、ノートパソコン、携帯電話、MD などの筐体への利用を図る。
・ 大気中1773Kでの耐久性に優れる耐酸化コーティングの開発と同時に、放電プラズマ焼結法による高温摺動材料の開発を行う。Al2O3あるいはTiO2などのセラミックスベースの複合材料について、組織制御および各相の体積率を変化させることにより、室温〜1073Kで低摩擦係数かつ低摩耗を示す作製条件を明らかにする。
・ エコ・トライボマテリアルの基本トライボロジー特性DBの完成とデータの充実を図る。
・ 水、アルコール等の大気中のCO2バランスを崩さない流体で潤滑するための材料開発を行う。環境分解性潤滑油の開発とこれを用いたトライボシステム構築のための調査研究を行う。
・ サステイナブル・トライボロジー技術の確立を目標に、100%植物油による潤滑システムの実現に向けた技術課題の抽出と基礎データの収集を図る。
(4)信頼性工学技術(安全対応技術)
【中期計画(参考)】
・ 診断アルゴリズムの開発、AEや振動など複数の情報を解析するマルチモニタリングによる高信頼性異常予知診断システムや電磁現象を応用した高精度損傷評価技術の開発を行い、実機への適用性を検証する。また、機械要素の寿命・材料評価に関するデータベースを構築するとともに機械要素の精度保証システムを提案し、国内案を作成、ISOの規格制定・改定に貢献する。
≪平成15年度計画≫
・ 融液成長複合材料(MGC)等の超耐熱構造材料について、超高温・高圧水蒸気環境下におけるクリープ試験を継続し、高圧水蒸気による加速現象の発現メカニズムを明らかにする。また、第一原理計算を用いて材料中での各種イオン・分子等の安定性を調べ、超高温・高圧水蒸気環境下における各種イオンの拡散挙動を理論的に解明する。
・ ハイブリッド・ナノキャラクタリゼーションにより強磁性形状記憶合金等の機能発現メカニズム、機能劣化メカニズムの解明に関する研究を継続する。また、シミュレーション手法を援用することにより、MEMSの信頼性確保、耐久性向上のための設計指針の策定を図る。さらに、MEMSやNEMSの構成微小材料のメカニックスに関する研究を継続する。
・ 先進複合材料を中心とした損傷許容性の評価研究を継続しその研究成果をデータベース化してACMDSをさらに充実化させる。また、材料データベースのみならず製造プロセス、設計データベースを包含するシステムデータベースの構築・整備の在り方等について提言としてまとめる。
・ 歯形測定機校正技術の開発、実証試験および測定不確かさの評価を行い、ISO規格化に必要な資料を得る。
・ 軸受損傷に特化して、メンテナンストライボロジーの技術課題抽出を目的とした調査を継続する。
・ 風力発電システムやコジェネレーションシステムに組み込まれた転がり軸受などの機械要素を対象として、AEをはじめとする各種損傷診断技術の高度化・複合化とネットワークを利用したリモート診断に関する実証試験を行う。
・ 地電流観測ステーションによる地中電荷変動計測、電磁波観測を継続して行い、異常信号と地震発生との関連を調べる。電磁気異常発生条件や、従来知られている圧電電気に起因する現象との強度関係について実験的に調べる。
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