産総研:ニュース

お知らせ記事2005/04/04

独立行政法人産業技術総合研究所四国センターに「健康工学」の新研究センターを設置
-健康工学関連産業の創出に向け-

概要

  • 四国において、健康生活のための工学的研究を強化。
  • 2005年4月1日より「健康工学研究センター」を設置。
  • 産総研における健康工学研究のネットワークのハブとして機能するとともに、四国地域における健康関連産業育成・強化に向けた取り組みを推進。

 少子高齢化が進む日本の社会において、持続的に安心して豊かな人間生活の営みを可能にする健康に関する問題は国民の大きな関心事である。そのため健康維持にかかわる技術開発及び健康関連産業の振興は、総合科学技術会議や経済産業省における「新産業創造戦略」の中でその推進が謳われている。

 健康に関する研究は自然環境や身近な生活環境と人間との相互作用に関する研究、人間の生理的な恒常性維持に関する研究や社会生活の様々なストレスなどに由来する生理的精神的な影響に関する研究また、身体的や生理的などの機能不全になった人の回復に関する研究など研究対象内容は多岐にわたる。またその工学的な研究のアプローチも生命工学、人間工学、環境工学、情報工学、材料工学や社会工学など様々な研究分野の知識と技術の組み合わせで推進すべき非常に幅広い研究分野である。

 産総研第2期にあたり、四国センター(所長:一條久夫)に設立された「健康工学センター」(研究センター長:国分友邦)では、これまで四国センターで蓄積されてきた研究実績と研究資源を活用しつつ、人間生活における人体の健康維持管理に関する工学的研究を中心に技術開発を進める。すなわち具体的には健康工学研究分野において、病気とは言えないがその直前の状態(未病状態)にある患者候補の生理的状況を把握し、発症を予防するための先端的な疾患予知診断技術の確立を図る一方、身近な生活圏に存在するさまざまな健康生活に対するリスク要因を排した安心して暮らせる技術開発を推進し、その成果を社会に還元していくことを主たる目標とする。また、健康に関する研究は前述のごとく非常に幅広い研究分野であることから、効果的な研究推進を図るために産総研の健康工学関連分野の研究を行っている研究ユニットとのネットワークを構築するとともに、企業や大学との研究協力を図りながら健康関連産業の振興に資する。

 特に、本研究センターはこれらの研究開発を通し、四国地域を中心とした健康関連産業振興の拠点となっていくことを目指す。