産総研:ニュース

お知らせ記事2003/06/23

「先端SoC共同研究センター」が完成
-90nm設計基準世代の標準プロセス技術の整備と開発に向けて-

ポイント

  • 独立行政法人産業技術総合研究所が整備した新しい産学官連携モデル提供の場としての『先端SoC共同研究センター』の完成
  • 産総研と(株)先端エスオーシー基盤技術開発は共同で「先端SoC連携研究体」を構成し、同センターにおいて共同研究を実施
  • 共同研究内容は、300mmウェハーを用いた90nm設計基準以降の高付加価値LSIの設計・製造の共通基盤分野における標準化に関する研究

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)が、かねてより日本電気株式会社 相模原事業場の敷地内に建設してまいりました「先端SoC共同研究センター」が、平成15年3月末日に竣工致しました。同センターは、経済産業省の平成13年度補正予算で整備したもので、約4,500m2のクリーンルーム(クラス1,000(一部クラス1))内に300mmウェハーを用いた最先端のLSIを試作・検証するラインが設置されています。

 産総研は、株式会社先端エスオーシー基盤技術開発【社長 川手 啓一】(以下「ASPLA」という)と共同で「先端SoC連携研究体【連携研究体長 伊藤 隆司】」を構成し、携帯電話・情報家電等で求められる高付加価値LSI(システムオンチップ(SoC))の飛躍的な生産性向上のために、ASPLAと共同研究契約を締結し、同研究センターにおいて、300mmウェハーを用いた90nm設計基準以降のSoCの設計・製造それぞれの共通基盤分野における標準化の共同研究を実施いたします。設計・製造プロセスを高い互換性を持つように標準化し、個々の企業の持つ技術の相互活用を容易にすることによって、各社が独自に設計した半導体を他社の製造工場でも生産できるようになることを目指しています。これにより、半導体設計部品の相互融通や他社への製造委託等が可能となり、半導体産業全体の生産性の飛躍的な向上が期待されています。

減圧気相成長装置の写真
写真1 減圧気相成長装置(LP-CVD)
Low Pressure Chemical Vaper Deposition
 
減圧気相成長装置とイオン注入装置の写真
写真2 左側 減圧気相成長装置
   右側 イオン注入装置
 
乾式食刻装置の写真
写真3 乾式食刻装置(ドライエッチング装置)