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お知らせ

2017/08/21

産総研とフラウンホーファー研究機構(ドイツ連邦共和国)との連携拡充
-包括研究協力覚書の延長により、共同研究開発と人材交流を促進します-

ポイント

  • エネルギー・環境分野、エレクトロニクス・製造分野、ライフサイエンス・バイオテクノロジー分野における最先端研究を推進
  • 産総研の技術シーズと産業界のニーズを結びつけるマーケティング機能強化への貢献に期待

概要

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)は、ドイツ連邦共和国教育研究省傘下のフラウンホーファー研究機構【理事長 ライムント・ノイゲバウアー】(以下、「フラウンホーファー」という)との包括研究協力覚書(以下「MOU」という)を延長しました。

 エネルギー分野では、太陽電池などのエネルギーデバイスの評価を実施しており、さらなる連携強化を促進します。

 また、エレクトロニクス・製造分野では、レーザー溶融による強相関半導体単結晶成長に関する予算を獲得し、国際共同研究が開始されます。

 これまで、産総研のエネルギー・環境、生命工学、材料・化学、情報・人間工学、エレクトロニクス・製造領域などからフラウンホーファーへの過去 5 年間の出張実績は、海外の他の MOU 締結機関への出張実績と比べて群を抜いており、連携活動が非常に活発です。

 フラウンホーファーと産総研の間の人材交流の促進により、国際研究開発力と産業競争力の強化をより一層推進し、世界的な研究拠点になることを目指します。

産総研 中鉢理事長(左)とフラウンホーファー研究機構 ノイゲバウアー理事長(右) 会談時の様子の写真
産総研 中鉢理事長(左)とフラウンホーファー研究機構 ノイゲバウアー理事長(右) 会談時の様子

経緯

 産総研とフラウンホーファーは平成 24 年 7 月にMOUを締結し、産総研のエネルギー・環境、生命工学、材料・化学、情報・人間工学、エレクトロニクス・製造領域などで連携を推進してまいりました。

 平成 26 年に本格的な共同研究体制を構築するため、産総研 関西センターに共同研究ラボ(エレクトロアクティブポリマーアクチュエーターデバイスの開発のためのプロジェクトセンター)を開設し、医療福祉機器への応用を目指した、電気活性高分子デバイスの実用化を推進しました。

 産総研は、フラウンホーファーとともに、トムソン・ロイター社選定の「イノベーションをけん引する世界の国立研究機関ランキング」で上位に位置づけられており、両機関はイノベーション実現のためのトップランナーとして機能しています。また、対象とする研究分野や産業界との関わり方などにおいて、多くの共通点があります。

 本 MOU の延長により、若手研究者、研究マネジメント、事務系職員、幹部レベルまでの広範囲での人材交流と情報交換を展開します。さらに、国際共同研究ならびに、両機関が連携している日独産業界との交流を継続的に促進することが可能となります。

 以上の経緯に鑑み、本 MOU を延長することにしました。

これまでの連携実績

  1. 産総研 健康工学研究部門とフラウンホーファー・生産技術・オートメーション研究所(IPA)とは、電気活性高分子デバイスの応用開発の研究に関する連携を強め、平成 26 年から平成 29 年にかけて、産総研 関西センター内に設置された共同研究ラボで研究開発を実施してきました。共同研究を通じて、3Dプリンターによる基板デザインの検討、ハイブリッドアクチュエーター(HBA)開発によるピペット機能の高性能化、さらに電源や回路の一体化を行うことで、HBAを用いたマイクロピペットにおいて企業向けのマーケティングが可能なプロトタイプの開発に成功しました。
  2. 産総研 太陽光発電工学研究センター(現 太陽光発電研究センター)では、フラウンホーファー、米国国立再生可能エネルギー研究所との3機関によるMOU を締結し、基礎分野での連携と太陽エネルギー分野における若手人材交流の促進に努めてきました。また、平成28年3月に3機関による「The Terawatt Workshop」を開催し、同ワークショップの成果がScience誌にINSIGHTSの論文「Terawatt-scale photovoltaics: Trajectories and challenges (Science, 356(6334), 141-143 (2017))」として掲載されました。
  3. 材料科学、診断・検査技術、エネルギーデバイス技術の分野でも連携を進めてきています。

今後の連携予定

  1. 産総研 電子光技術研究部門とフラウンホーファー・レーザー技術研究所(ILT)は、双方で予算を獲得し、レーザーを用いた強相関半導体の単結晶成長に関する国際共同研究を開始します。(新規)
  2. 産総研 エネルギー・環境領域(太陽光発電研究センター、再生可能エネルギー研究センター)、フラウンホーファー・太陽エネルギーシステム研究所(ISE)、米国国立再生可能エネルギー研究所と共同で、エネルギー安定供給や気候変動抑制における太陽光発電の役割を考える「The Terawatt Workshop」の第2回の開催を検討しています。さらに、産総研 エネルギー・環境領域のフェローシップ制度などにより、継続的に研究者を長期間派遣する研究者交流プログラムを実施していきます。(継続)
  3. 産総研 情報・人間工学領域では、ヘルスケアやモビリティ、ものづくり等の分野で、人工知能技術を活用した効率的で高品質な製品やサービス供給を可能とする技術の開発を目指し、国際的な人材交流や共同研究の推進に取り組んでいきます。(新規)
フラウンホーファー・レーザー技術研究所(ILT)の写真
フラウンホーファー・レーザー技術研究所(ILT)

補足説明

◆フラウンホーファー研究機構 (Fraunhofer-Gesellschaft)
フラウンホーファーは、実用化のための研究を担う研究機関として、1949年に設立されました。ドイツ連邦共和国教育研究省傘下にあり、2017 年時点の職員総数は約2万4500 名(うち大部分が科学者およびエンジニア)、年間予算は約21億 ユーロです。ドイツ各地に69の研究所を擁するほか、世界各地に研究センターや代表部を持っています。ドイツには公的研究機関として、基礎科学を行うマックス・プランク協会、大型研究施設を擁し基礎科学から応用研究の橋渡しを行うヘルムホルツ協会、ライプニッツ学術連合がありますが、フラウンホーファーは最も実用化に近い応用研究を行っています。このため、企業などからの委託研究、企業への技術サービスの提供などが特徴です。研究分野は大変幅広く、マイクロエレクトロニクス技術、材料・部品材料技術、生産技術、情報コミュニケーション技術、光学および表面技術、ライフサイエンス、防衛・安全保障技術、ナノテクノロジー、自動車生産技術、エネルギー技術、生活支援環境技術、高分子表面技術などが強力に推進されています。[参照元へ戻る]

 

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