お知らせ

お知らせ記事2004/11/22

産総研、アジア地域でのバイオマス有効利用によるCO2削減へ向けて、本格的に研究協力を開始
-タイの2つの中核研究機関と研究協力協定を締結し、ジョイントワークショップを開催-

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)は、タイの中核研究機関である国家科学技術開発庁(National Science and Technology Development Agency, NSTDA)およびタイ科学技術研究院(Thailand Institute of Scientific and Technological Research, TISTR)と研究協力協定を締結し、ジョイントワークショップ「Thailand-Japan Collaboration Workshop 2004」を平成16年11月24・25日にバンコクで開催します。

背景と展望

 産総研は、アジアの「持続可能な発展」を実現するため、アジア諸国と連携して、環境負荷低減技術、環境調和型の新エネルギー創出技術等の研究開発を進めております。今回、その一環として、タイの中核研究機関(NSTDA、TISTR)と研究協力協定を締結し、産学官の共同研究開発に向けてジョイントワークショップを開催します。

 ワークショップは、バイオマスや太陽光発電等の再生・分散エネルギー・環境技術とナノテク・材料開発に焦点を当てて行います。特に、アジアがバイオマス資源の世界で最も豊富な地域であることから、このバイオマス資源を利用して、エネルギーの多様化やバイオマテリアル市場の集中化を図り、さらに、バイオマスの増産、森林再生、砂漠緑化等をあわせて推進することにより、CO2排出量削減を目指すこととしています。

 今回のワークショップにより、日・タイ間の共同研究開発が促進され、さらに日本企業の海外展開の環境整備をサポートすることにより、上記の目標達成が加速されることが期待されます。

NSTDAおよびTISTRの概要

 タイの中核研究機関は、分野の異なる次の2つの研究機関NSTDAとTISTRがあり、産総研はこの両者と研究協力協定を締結します。それぞれの研究機関の概要は次のとおりです。

NSTDANational Science and Technology Development Agency, 国家科学技術開発庁):1991年に科学技術環境省によって設立された、官庁でも国家事業でもない自主的な準政府機関で、傘下に次の4研究所があります。すなわち、バイオのBIOTEC、材料のMTEC、ITのNECTEC、ナノテクのNANOTECです。商業的応用の支援研究を行うだけでなく、生産および業務の改善も目的としています。

TISTRThailand Institute of Scientific and Technological Research, タイ科学技術研究院):1963年設立、現在は科学技術環境省傘下の非営利国家事業体です。研究開発を行うことによって国家の開発計画の達成を助けることを目的としており、そのミッションは、

  1. 研究開発による産業および農村の問題解決
  2. 中小企業への技術移転
  3. 産業界の生産性向上および輸出力強化

となっています。

今後の予定

 今回のワークショップについて、来年3月にフォローアップを行うことを予定しており、さらに研究協力を推進していきます。