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発表・掲載日:2005/05/12

廃プラスチックのガス燃料化技術の実用化


概要

  • 次世代型の廃プラスチック用小型ガス燃料化モジュールの実用化技術を開発した。
  • 従来の油化リサイクル(A重油回収)に比べ、市場性が高く汎用性のある廃プラスチックガス化技術を確立した。
  • 事業採算性のある小規模のガス燃料化リサイクル(燃料回収、3トン/日以下)施設の建設に見通しがついた。


研究の内容

 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門(部門長 山崎正和)は有限会社 高分子分解研究所(黒木健社長、宮崎市)と共同で、廃プラスチックからガス燃料を回収できる廃プラスチックの直接ガス化技術の開発に初めて成功した。これまでにも、廃プラスチック用の油化技術は知られているが、回収油の経済的付加価値が低く(A重油相当品)、用途には制限がある上に、処理能力に最大の課題があり油化リサイクルはほとんど進展していないでいた。

 本研究は、廃プラスチックのリサイクル(燃料・資源化)促進と同時に、市場性の高いガス燃料を連続的に供給できる新様式のプラスチックのリサイクル技術であり、小規模のガス化モジュール技術の実用化に目処をたてることに成功した。

 本技術では、高分子分解研究所の基本技術をもとに水平移動床方式小型廃プラスチック用のガス化モジュールを製作し(図1)、ポリエチレン、ポリプロピレンから70~94wt%の収率でメタン、イソブタン等の混合ガスを回収できることを確認した。本小型モジュールは高い伝熱性能とガス成分制御により、高速連続ガス化が可能であり、廃プラスチックのリサイクルコストを左右する処理能力、回収製品の高付加価値化の二つの大きな課題を同時に解決できる見通しを得た。

 回収製品である混合ガスはA重油の数倍の付加価値と高い汎用性がある。とくに、低コストのガス燃料は、最近製品化が進んだ高性能小型ガスタービン発電機などコジェネレーションシステムの燃料として有望である。連続処理による処理能力の大幅増と回収製品(ガス燃料)の高付加価値化により、小規模施設(3トン/日以下)での事業採算性も確認され、廃プラスチックガス化事業が可能になった。今後、本ガス化技術を使った廃プラスチック油化モジュールが、地域分散設置型の小型燃料化技術として、廃プラスチックリサイクル事業を加速するとみられる。

 多量の廃プラスチックを排出する企業、もしくは収集する産廃中間処理業者、あるいは燃料や電力多消費事業所等においても本格的リサイクルが開始され、廃プラスチックの焼却や埋立て処理の削減、石油資源の節約など、資源循環型社会構築に寄与すると考える。


図1
試作機写真

図1 水平移動床方式ガス化モジュール試験機


お問合せ先

小寺 洋一(こでら よういち)
小寺連絡先
環境管理技術研究部門


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