第3期の産総研の柱(ミッション)
● 21世紀型課題の解決
- 経済と環境を両立する「グリーン・イノベーション」、国民生活向上のための「ライフ・イノベーション」に貢献する技術や産総研の優位性を活かした革新的な技術の開発を行うとともに、地域ニーズを踏まえた最高水準の研究開発を実施
- 計量標準、地質情報などの産業・社会の「安全・安心」を支える基盤を整備
● オープンイノベーションハブ機能の強化

- 産学官が一体となって研究開発や実用化、標準化等を推進するための「場」の提供などを、地域の中小企業やアジアなどとの連携も重視しつつ実施
- わが国の産業技術の向上に資することができる人材を社会に輩出するための人材養成を推進

産総研はこの果たすべき役割を強く認識し、社会に開かれ、社会で活用され、社会とともに歩むことを通じて世界をリードする研究成果などを創出することにより、人類の持続的成長に大きく貢献
21世紀型課題の解決
(1)第3期の研究開発の重点
@ 「グリーン・イノベーション」の推進
- 太陽光発電、パワーエレクトロニクス、燃料電池、蓄電池など、産総研が長年培ってきた研究実績、さらにはメタンハイドレードやバイオマスに関する実用化研究の実績をもとに、それをさらに発展させることにより、「グリーン・イノベーション」に貢献
第3期の数値目標例
- 太陽光発電:太陽電池の効率を相対値で10%向上
- 蓄電池:高エネルギー密度(250 Wh/kg)を設計可能な電池機能材料の開発
- 燃料電池自動車用水素貯蔵技術:高い貯蔵量(5重量%)と優れた繰り返し特性を有する材料設計技術の開発
A 「ライフ・イノベーション」の推進
- 質の高い医療サービスへの強いニーズ、少子高齢化、介護などの課題の解決に向け、安全性が高く性能の優れた革新的な医療・創薬・介護技術の技術開発を行うことにより、「ライフ・イノベーション」に貢献
第3期の数値目標例
- iPS細胞:作製効率を10倍程度(現行1%から10%程度に)に引き上げ
- 介護・福祉のための生活支援ロボット:ロボットを安全に動作させる際に必要な基盤技術として15種類以上の日常生活用品を対象とした物体把持技術などの開発
B 追随を許さない先端技術開発への挑戦
- 工業技術院の時代から、わが国の産業競争力の基盤を支え、先導するための研究開発を推進するという今日でも変わることのないこの役割を第3期も担っていき、産総研が優位にある材料、ITなどの領域でほかの追随を許さない先端技術開発に挑戦し、今後のわが国の産業の競争力向上に貢献
第3期の数値目標例
- 省エネルギー型ランプ:光取出し効率80%以上の超高効率の赤・黄色発光ダイオードを開発
(2)産業・社会の「安全・安心」を支える基盤の整備
@ 国家計量標準の高度化
- 日進月歩で技術革新が進む現代において日々新たに発生する計測に対するニーズに応えるべく、引き続き、わが国の技術革新や国際競争力を支え、また新素材、新製品の安全性や信頼性を評価する基盤として必要な計量標準を整備
第3期の数値目標例
- これまで開発した約530種類の計量標準を維持・供給するとともに、第3期中に新たに62種類を開発
A 地質情報の整備
- 地質情報を提供する国家機関としての役割を継続することに加え、鉱物、地下水などの資源利用、エネルギーの安定確保、防災などにも資するため、電子化などにより利便性を高めた各種地質図や活断層および活火山などのデータベースなどを整備
第3期の数値目標例
- 第3期中に5万分の1の地質図幅を20作成など
B 新規技術の性能・安全性の評価機能の充実、研究開発成果の戦略的な国際標準化、アジアへの展開
- 新たに生み出された製品・サービスに対して、その性能や安全性を客観的に評価する計測・評価・分析技術を開発し、試験方法、試験装置、規格などの作成を通じて普及。その際、企業および業界団体や、基準認証関係機関とコンソーシアムを形成し、開発、作成、普及を加速
- 国際標準化活動をコンソーシアム活動に反映するために、それぞれのプロジェクトを横断的に管理する組織を産総研に設置し、基準認証関係機関との連携の促進、効率的な標準化活動を推進(2010年4月1日に国際標準推進部を設置)
- 標準化が求められる技術については、研究開発の開始に際して、あらかじめ標準化することを前提にして計画的に実施
- バイオマス燃料の品質評価をはじめとする標準および適合性評価技術のアジア諸国での円滑な定着などのため、アジア諸国との研究協力、標準化に向けた共同作業を推進
第3期の数値目標
- 国際標準化を検討する国際会議への派遣などのためのエキスパート登録数100名以上
- 第3期中の国際・国内標準化の素案作成数100件以上、うちアジア諸国との共同で15件以上
(3)地域経済の競争力を支える最高水準の研究開発の推進
- 地域の産業集積、技術的特性・地域ニーズなどを踏まえて、地域経済の競争力を支える最高水準の研究開発を推進し、地域活性化の中核としての機能強化を実現

オープンイノベーションハブ機能の強化
(1)産学官が結集して行う研究開発の推進
- 大学などの研究成果を、産総研の「本格研究」により民間企業での製品化に繋いでいくという第2期までの中心的な役割(イノベーションハブ)に加え、第3期は、産学官が結集して研究・技術評価・標準化を行うために、産総研の「人」または産総研という「場」を活用する「オープンイノベーションハブ」機能を強化
- 2010年4月1日につくばイノベーションアリーナ推進室を設置

第3期の数値目標
- 産総研の「人」または「場」を活用する形で実施される外部資金による研究規模を、運営費交付金の50%以上
- 年間論文総数で5,000報以上、論文の被引用数における世界ランキングの維持向上
(2)地域におけるイノベーションハブ機能の強化
- 産総研内部の連携協力体制を強化して、公設試験研究機関、大学、中小企業など各地域におけるオープンイノベーションのハブとしての機能を活かした共同研究・技術相談を通じて、中小企業への技術支援・人材育成を強化し、地域経済を活性化
第3期の数値目標
- 第3期中に3,000件以上の中小企業との共同研究などの実施
- 第3期中に10,000件以上の中小企業との技術相談の実施
(3)国際協力の推進
- 米、欧、アジアなど26(※)の包括研究協力覚書締結機関などと、環境・エネルギーなど地球規模の課題解決へ向けた研究協力の強化(※延長交渉中の3機関を含む)
第3期の数値目標
- 包括研究協力覚書締結機関との研究ワークショップなどを第3期中に計50回以上開催

(4)人材の育成、交流の推進
- 産総研イノベーションスクール、専門技術者育成事業、連携大学院制度などにより、わが国の産業技術の向上に資することのできる人材を輩出
- 産総研イノベーションスクールについては、そのノウハウの社会普及も推進
- 地域センターにおいても、共同研究等を通じて地域の研究人材を受入れ、産業化への橋渡し研究人材を育成
第3期の数値目標
- 第3期終了時までに、民間企業・大学などへの人材供給や外部からの受入れ5,000名以上
第3期のミッションを実行・支援するための機能
(1)知的財産の重点的な取得と企業への移転
- 産総研として取得し管理すべき知的財産権に関する方針を平成22年度中に策定し、戦略的な特許取得と効果的な技術移転を促進
- 第3期開始に合わせて外部の技術移転機能を内部化し、より効果的に技術移転できる体制を構築(2010年4月1日に知的財産部門技術移転室を設置)
第3期の数値目標
- 第3期終了時までに800件の実施契約を目指す
(2)企業や一般国民との直接対話を通じた広報の強化
- 報道機関などを通じた情報発信を積極的に実施するとともに、サイエンスカフェ、出前講座、実験教室などの国民との対話型活動も充実
第3期の数値目標

- 一般公開、オープンラボ、産総研キャラバン、サイエンスカフェ、出前講座、実験教室などの対話型活動を第3期中に合計で200回以上開催

(3)産総研人材の確保・育成・流動化
- 人材の確保・育成
→研究職は、若手研究員の採用の促進とともに、女性研究者、外国人研究者の積極的採用
→事務職は、産総研で求める人物像および専門性を明確にした上での採用
→定年退職する人材は、第2期に引き続き再雇用 - 人材の確保・育成とともに、流動化の向上などに向けた中長期的な人事戦略を策定し実行
- 職員の専門性の蓄積・向上のための研修の実施
第3期の数値目標
- 女性研究者の採用比率について第2期を上回る15%を確保し、更なる向上を目指す
- 内部での研修、外部への出向研修を積極的に実施し、研修を受講する職員毎年度300名以上を目標
(4)その他の業務運営の効率化に関する事項
- 管理費、総人件費などの削減・見直し
→一般管理費3%以上、業務経費1%以上の削減。行政改革推進法などに基づく人件費の削減
→アウトソーシングの推進
→研究機器などの所内リユースを進め、第3期終了時までに年間600件以上の再利用を目標 - 契約状況の点検・見直し
- 研究組織および事業の機動的な見直し、外部からの研究評価の充実
→機動的な組織体制の見直しおよび組織の改廃・新設
→「産総研研究戦略」の策定・実行
→地域センター、ベンチャー開発センター、産総研イノベーションスクールなどの見直しの検討 - 研究機器や設備の効率的な整備と活用
- コンプライアンスの推進
- 安全衛生および周辺環境への配慮
