独立行政法人産業技術総合研究所
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第II部 研究の責任ある遂行に向けて


研究者・研究リーダーの役割

審査における義務と社会への責任

 産総研の研究者は、研究コミュニティーの一員としてその責任を果たすためにも、投稿論文や応募課題の審査に積極的に参加すべきです。審査は、専門家としての評価を適正に行うことを強く求められていることに十分留意すべきであり、評価に恣意的な視点を混入してはいけません。また、求められている評価が自己の能力を超えていたり、利害関係によって公正な評価が困難であると判断する場合には、審査員を辞退すべきです。

 審査員は、審査を通して、他の手段では得られない研究上の情報を入手できる特権を持つ立場にあることから、それらの情報を投稿者や応募者の不利益に、あるいは自分自身や第三者の利益のために不正に利用することは許されません。

研究者間のコミュニケーションの重要性

 研究は一人で行えるものではなく、自分の主張を大事にしつつも異なる立場や異なる見解を持つ研究者とも理解しあえる度量と協調の精神を発揮して、良好な人間関係を築いていくことが重要です。

 特に上の立場に立つものは研究の議論においては上下関係などなく、真理のものさしだけが力を持つものであることを肝に銘じてコミュニケーションを大切にしていくことが重要です。このような場合において、自らの見解を大切にしつつ、さまざまな研究者の考えの統合を図っていくことは決して簡単なことではありませんが、研究リーダーに求められる重要な資質です。

リーダーの役割と責任

 研究リーダーは、研究の立案、遂行、成果の発信をリードすると共に、各研究者が十分に能力を発揮できるよう研究環境を整え、研究者の成長と、適性に応じたキャリアパスの形成に配慮しなければなりません。

 研究の立案にあたっては、ミッションに照らし設定するのは勿論ですが、テーマの社会的意義や学問的な意義を明確に捉え、産業界や行政を始めとする社会状況や所内の状況を把握しなければなりません。

 研究の遂行に当たっては、研究者の創意や能力を最大限発揮できるように配慮すべきです。研究環境の整備には、個々の研究者がそれぞれの得意分野で最大限の能力を発揮し、それが有機的に絡み合い、相乗効果により大きな成果を得ることができるようにすることが重要です。

 研究者の流動性も高まっています。研究リーダーは産総研を離れたグループ員の研究成果について問い合わせがあったときに対応できるようしておかなければなりません。

差別やハラスメントの無い職場環境

 職員は、互いに雇用形態・職種・身体的・年齢・性・国籍などの違いを超え、互いに尊重されるべきです。研究ハラスメントやセクシャルハラスメント等の問題が起こらないよう日頃からコミュニケーションに心がけ、相互理解に努め信頼関係を築くよう努めるべきです。特に、リーダー的立場にある者は、その権限を適正に行使するように心がけてください。それでも何らかの問題が起こってしまったときには、迅速な対応が肝心です。

【関連規程等】
独立行政法人産業技術総合研究所におけるセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規程 [PDF:28KB]
独立行政法人産業技術総合研究所研究業務に係るハラスメントへの対応に関する規程 [PDF:12KB]



おわりに


 この行動規範はできる限り分かりやすくすることを念頭に置き作成しましたが、必ずしも全てにわたって見解を明確にして提供するものではありません。不十分な点は、今後の様々な機会での議論、多くの経験を通して、よりすぐれた内容に進化・発展させることが重要だと考えています。