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憲章 -趣旨-

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趣旨

人類が真の豊かさを共有するためには解決すべき課題がいくつも残されている。ここで言う「豊かさ」とは、単にその場限りの物質的な豊かさではなく、社会が安全で、精神的にも物質的にも繁栄しており、将来にわたってもその状態が持続的に保証されているであろうという安心感を持ちうる状態である。

これら社会の抱える課題の一部は科学技術の発展による解決が望まれているものであり、科学者・技術者の集団(科学コミュニティ)に対する社会の期待は大きい。これからの科学技術開発に求められることは、個々の技術発展の追求のみでなく、その技術が社会や自然環境に与える影響までよく考慮された、制御された(理知的な)発展であり、科学コミュニティ自身が、発展の方向性について責任をもち、社会に対して必要な提言を行っていくことが望まれる。産総研、また、産総研に働く私たちは、科学コミュニティの一員として、関係機関と協力し、科学コミュニティが社会でこれまで以上に重要な役割を果たせるよう努力していくべきである。

「科学」あるいは「研究」という行為は、人類特有の行為であり、社会の営みのなかの一部である。研究は、社会から切り離されて行うものでなく、専門としない人たちにとっても常に身近なものであってほしいものである。産総研で働く私たちは、研究活動が社会の営みの中にあることを常に意識しなくてはならない。また、上述のような社会からの負託、すなわち、自らの使命と責任を自覚し、良識に基づいて誠実に行動しなければならない。私たちは「社会とともに、社会のために(Full Research in society, for society)」活動すべきである。

以上のような理念のもと策定した。

平成17年1月 産総研憲章起草委員会
関連:産総研TODAY VOL.5 No.4「産総研憲章 制定の意味」(PDF:1.0MB)
AIST

憲章
「社会の中で、社会のために」

国立研究開発法人産業技術総合研究所

すべての人々が豊かさを享受できる社会の実現は、人類共通の願いです。その重要な鍵となる科学技術を、自然や社会と調和した健全な方向に発展させることは、科学コミュニティ、その一員である産総研、そして私たちに託された使命です。

私たち産総研にはたらくすべての者は、自らの使命と社会への責任を認識し、産業科学技術の研究開発を通して豊かな社会の実現に貢献すべく、以下の行動の理念を共有します。

  • 社会動向の把握

    私たちは、地域から国際社会にわたるさまざまなスケールの
    社会の動向や要請の把握に努め、外部の諸機関とも協力しつつ
    速やかに問題を提起し、科学技術を基礎とした解決方法を提案します。
    [趣旨]

    私たちは、常に社会に目を向け、社会が必要としているもの、あるいは社会が今後必要とするであろうものを察知し、どのような課題があるかを明らかにして社会に説明し、科学技術を用いた解決の方法を提案する。その際、必要に応じて積極的に他機関と協力する。もちろん、科学技術は人類の直面する問題を解決するための手段のひとつであり、万能でないことを認識しておく必要がある。

    対象となる社会とは、地域社会、日本社会、国際社会など、さまざまなスケールの集団であり、必要としているものはそれぞれ異なっている。私たちはそれぞれに対して最適な方法での関与の方法を考えるべきである。

  • 知識と技術の創出

    私たちは、一人ひとりの自律と創造性を尊重するとともに、
    協調と融合により総合力を発揮し、
    高い水準の研究活動によって新たな知識と技術を創出します。
    [趣旨]

    一人ひとりが自律的な研究者として課題に取り組み、高い創造性と卓越性をもった研究を行うとともに、総合研究所の強みを生かして研究所内外の研究者と協力し、分野の枠を超えた国際レベルの質の高い研究を行うことを目指す。研究関連・管理部門においても同様に、一人ひとりが自律的に、創造性を発揮して職務に取り組んでこそ質の高い業務が行えるのであって、そのうえで周囲と協力してさらに大きな力を発揮し、所の研究活動を支えていく必要がある。

  • 成果の還元

    私たちは、学術活動、知的基盤整備、技術移転、政策提言等を通して、
    研究成果を広く社会に還元し、わが国の産業の発展に貢献します。
    また、情報発信や人材育成等を通して科学技術の普及と振興に努めます。
    [趣旨]

    研究成果は、学界への発表にとどまらず、知的基盤の整備、技術移転やベンチャー創業、また、政策への反映等を通して、さまざまな方法で科学技術の振興に資するとともに、わが国の産業競争力の強化に結びつける。また、ホームページや広報誌、所内公開等を用いた一般市民への科学技術の普及や、産業科学技術の研究をバックグラウンドとした人材育成も重要な職務である。

  • 責任ある行動

    私たちは、職務を効果的に遂行できるよう、
    自己の資質向上や職場環境の整備に積極的に取り組みます。
    また、法の精神を尊重し、高い倫理観を保ちます。
    [趣旨]

    私たちは、社会に対する説明責任を常に意識し、より良く職務を遂行するためにはどうすればよいかということを基準に判断し、改善を怠らない。そのために、自己研鑽も必要であり、また、各人の能力を最大限に発揮できるような環境(いわゆる業務効率化の範疇を超えて、人権や労働環境への配慮等、誇りをもって生き生きと働ける環境)を整備し、運営を行うことも重要である。

    また、社会からの信頼を裏切ることのないよう、法の精神を尊重し、高い倫理観を保って職務を遂行する。例えば、研究の遂行にあたっては、データやアイデアの捏造、改ざん、盗用などが、研究の信用を失墜させ、真理や知見を追究する研究者の基本姿勢から大きく逸脱していることを深く認識し、決してそのようなことが起こらないよう自らを律するべきである。

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