
ライフサイクル的思考について語る井原さん
平成24年7月27日(金)、つくばカピオ別棟「カフェ・ベルガ」(茨城県つくば市)にて第34回産総研サイエンスカフェ「正しく『節電』してますか? ライフサイクル的思考に基づく節電評価」を開催しました。
話題提供者は、安全科学研究部門 社会とLCA研究グループ 井原智彦客員研究員です。
今回の内容は、節電対策とその評価についてです。物事を俯瞰的に考える「ライフサイクル的思考」に基づき、窓日射遮蔽(すだれや緑のカーテン)、計画停電、打ち水といった節電対策の効果をシミュレーションする井原さんの研究をご紹介しました。
2011年3月の東日本大震災の影響により一部の発電所が停止して以降、エアコン需要の増える夏に電力不足が叫ばれるようになりました。そのため、節電対策が都市・地方のレベルでどのような影響を及ぼすのかシミュレーションする井原さんの研究が脚光を浴びています。「単に省エネを心がけるのではなく、他への影響も考慮してピーク時の総電力需要を削減することが重要です」と井原さんは語ります。
シミュレーションでは、これまで別々に節電対策を行なっていた産業部門(製造業など)、業務部門(オフィスビル、商業施設、学校など)、家庭部門(戸建住宅、集合住宅など)について、各節電対策が全体として節電になるかを評価します。それをグラフで表示することにより、どの時間にどのくらいの電力需要が発生しているかが誰でもわかるようになっているのです。
節電対策としてまず紹介されたのが窓日射遮蔽(すだれや緑のカーテン)、窓開け換気、空調の目標室温の変更の3種類。どれも有効で、ピーク電力を削減することができます。意外だったのが計画停電で、停電終了後に暑くなった部屋を冷やそうとエアコンが一斉稼働してしまうためピーク電力の削減にはあまり効果がなく、場合によってはピーク電力が増えてしまいます。

井原さんが用意してくださった電力需要グラフはとてもわかりやすく、会場でも好評でした。
節電対策の最後には、打ち水が紹介されました。打ち水は気温を低下させますが、同時に湿度を上昇させます。夏場は温度だけでなく湿度も電力需要に影響するため、この2つをあわせて考える必要があります。シミュレーションは朝と夕の打ち水が有効という伝統を裏付ける結果となり、参加者からも驚きの声が上がりました。サイエンスカフェ終了後も井原さんのもとへ多くの質問が集まり、参加者の皆さんの関心の高さがうかがえる回となりました。

参加者の質問に井原さんは丁寧に答えてくれました。

途中で用意したクイズではテーブルごとにディスカッションを行い、和やかな空気が流れました。
次回のサイエンスカフェは9月28日(金)に開催いたします。テーマは「聞きやすい音・わかりやすい音 “耳が遠くなった”ひとのことも考えた音づくり」です。詳細が決まり次第、産総研サイエンスカフェのホームページでお伝えします。ご期待ください!
| 日時 | 2012年7月27日 金曜日 18時30分 〜 20時00分 (終了後、30分程度フリーで話題提供者とお話いただく時間をご用意しています。) |
|---|---|
| 会場 | カフェ・ベルガ 〒305-0032 つくば市竹園1-10-1(つくばカピオ別棟) ※駐車場は、周辺の有料駐車場をご利用ください。 |
| 主催 | 産業技術総合研究所 |
| 定員 | 30名 ※要予約 |
| 対象 | 高校生以上 |
| 参加費 | 無料(ドリンク・菓子付き) |
| 申込方法 | 参加申込につきましては、お申込フォーム、Eメール、電話でお願いいたします。
[1]サイエンスカフェ専用お申込フォーム [2]Eメール:必要事項を記入の上、事務局宛に送信 [3]電話:必要事項をお伝えください |
| 問い合わせ先 | 産業技術総合研究所 広報部 産総研サイエンスカフェ事務局 〒305-8568 つくば市梅園1-1-1 中央第2 つくば本部・情報技術共同研究棟8F 電話:029-862-6211 Eメール: ※「ラヂオつくば」の番組制作に協力するため、会場で録音させていただく場合があります。 ※「産総研サイエンスカフェ」を紹介する目的で、Web等で公開するための写真やビデオ撮影を行うことがあります。 |
| 産総研サイエンスカフェのページ(開催報告などを掲載) | |