2011年8月26日(金)、つくばカピオ別棟「カフェベルガ」(茨城県つくば市)にて、第29回産総研サイエンスカフェを開催しました。今回のテーマは、エネルギー技術研究部門 エネルギーネットワークグループ 安芸裕久研究グループ長による「スマートグリッドってなんだろう? 将来のエネルギー供給システムについて考える」です。
前半では各国の電力事業や電力系統についての多様なあり方について紹介していただきました。
まず、電力会社の数が各国で様々なことや、その分け方も地域で分けられていたり、発電・送電配電と役割で分けられていたりと多様であることを紹介してくれました。
電力系統についても国を跨いで電力の需要と供給のバランスをとっている国がある一方、日本は国内で分割され、それぞれ狭い範囲で需給のバランスをとっています。
このようなことからわかるように、世界のエネルギー事業に「普通」はない。「どこの国ではこうしているから、こうしたほうがよい」とは言えない。と安芸さんは話します。

各国の発電エネルギー源についてのクイズが出されました。各エネルギーの使用率のデータを見ながらどこの国か当てるというものでした。
再生可能エネルギーでほとんどの電力を賄っているのが、アイスランドとノルウェー。原発が8割を占めるのが、フランス。火力中心は日本・ドイツ・アメリカという答えでした。
後半では各国様々なスマートグリッドが導入された背景と、その技術について紹介していただきました。
国によって導入の背景は様々で、欧州のように再生可能エネルギーや分散型電源が普及への対応が目的の地域もあれば、アメリカでは景気対策の一面もあります。
ではスマートグリッドとは何なのでしょうか?
安芸さんは電力需要が逼迫した際に電気機器を停止する「デマンドレスポンス」や各部屋や機器の消費電力を見える化する「スマートメータ」などの機器を紹介してくれました。
これらの機器や分散電源などを駆使することで、エネルギーの流れを双方向にする技術がスマートグリッドなのです。

「節電、どこまでできますか?暑さを我慢するのが、この夏だけでなく、これから30年ずっとだったら?皆さんがラーメン屋の亭主で、節電のためにエアコンを停止しているため、暑くてお客さんが来なくなってしまったら?そして、向かいのラーメン屋ではエアコンを使用し、涼しいのでたくさんお客さんが入っているとしたら?これでも節電すべきですか?」
このような安芸さんの問いかけにディスカッションはたいへん盛り上がりました。
参加者の方から出た幾つかの意見で「震災前後で大きくエネルギーに対する意見が変わった」というものがありました。
確かに東日本大震災以来、エネルギーに関するあり方が世間で大きく注目を集めています。今回の「産総研サイエンスカフェ」が、そのエネルギーのあり方について、専門家の話を聞きながら、参加者の皆様に改めて考えていただける機会となれば幸いです。
次回の産総研サイエンスカフェは10月21日(金)、幹細胞工学研究センター 小沼泰子研究員による「iPS細胞が描く未来社会 これからの再生医療への期待と課題」を開催いたします。お楽しみに!
| 日時 | 2011年8月26日 金曜日 18時30分 〜 20時00分 (終了後、30分程度フリーで話題提供者とお話いただく時間をご用意しています。) |
|---|---|
| 会場 | カフェ・ベルガ 〒305-0032 つくば市竹園1-10-1(つくばカピオ別棟) ※駐車場は、周辺の有料駐車場をご利用ください。 |
| 主催 | 産業技術総合研究所 広報部 |
| 定員 | 30名 ※要予約 |
| 参加費 | 無料(ドリンク・菓子付き) |
| 申込方法 | 参加申込につきましては、お申込フォーム、Eメール、電話でお願いいたします。
[1]サイエンスカフェ専用お申し込みフォーム [2]Eメール:必要事項を記入の上、事務局宛に送信 [3]電話:必要事項をお伝えください |
| 問い合わせ先 | 産業技術総合研究所 広報部 産総研サイエンスカフェ事務局 〒305-8568 つくば市梅園1-1-1 中央第2 つくば本部・情報技術共同研究棟8F 電話:029-862-6211 Eメール: ※「産総研サイエンスカフェ」では、お子様のご参加はご遠慮いただいております。 ※「ラヂオつくば」の番組制作に協力するため、会場で録音させていただく場合があります。 ※「産総研サイエンスカフェ」を紹介する目的で、Web等で動画公開するためのビデオ撮影を行うことがあります。 |
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