独立行政法人産業技術総合研究所
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平成23年度 産総研つくばセンター一般公開 開催報告(1)

平成23年度 産総研つくばセンター一般公開 開催報告

パンフレット表紙

 7月23日(土)に行われた「産総研つくばセンター一般公開」は、好天にも恵まれ、5,495名の来場者を得て、盛況のうちに終了することができました。

 このイベントは、「産総研が何をめざしているのか」「どのように世の中の役に立とうとしているのか」を地域の皆さんをはじめとする一般の方々に知っていただく、またとない機会となっています。

 今年の特別講演は、3月11日に発生した東日本大震災以降、多くの皆様に注目されたトピックをテーマにしました。1つめの講演として、計測標準研究部門 齋藤則生 研究科長による講演「福島原発とつくばの放射線量計測」を、そして2つめの講演として、活断層・地震研究センター 岡村行信 研究センター長による講演「東北地方太平洋沖地震は貞観地震の再来か?」をお送りしました。

 地質標本館特別講演には、写真家・須田郡司さんをお迎えし、「世界石紀行 −地球の記憶を訪ねる−」と題した講演を行っていただき、さらに産総研フェロー 加藤碵一氏による講演「石の造形に見るジオ多様性」を行いました。

 いずれの講演にもたくさんの来場者が集まり、皆様とても熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

 今年の一般公開にも、多くの親子連れで賑わいました。手や体を動かして、楽しみながら科学を身近に・わかりやすく体験できる「工作コーナー」や「チャレンジコーナー」のブースには、子どもたちの笑顔と楽しそうな声が溢れていました。

 産総研の研究成果を一般の皆様にもわかりやすく解説する「サイエンスコーナー」や、普段は見ることのできない研究施設をご覧いただく「見学ツアー」は、大人の方にもご満足いただけたのではないかと思います。また、昨年までは高校生限定のコーナーとして行っていた「サイエンストーク」を、今年は広く一般の方向けに開催いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

 どの出展会場でも人の波が途絶えることなく、お子様から大人まで、楽しみながら科学の不思議にふれていただきました。

 「産総研つくばセンター一般公開」にご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。来年以降も、もっと皆さんに楽しんでいただけるような一般公開にできるよう、さらに努力していきたいと思います。

2011年産総研つくばセンター一般公開の様子(動画)

2011年度開催・産総研一般公開の様子(動画) YouTubeによる動画配信を行っております。ご覧頂きます場合にはJavaScriptをオンにし、<a href="http://get.adobe.com/jp/flashplayer/">Adobe Flash Player</a>をインストールしていただく必要がございます。

大きな映像を見たい方はダブルクリックしてください。フルスクリーンで表示されます(YouTubeのサイトにジャンプします)。

   

特別講演

福島原発とつくばの放射線量計測
齋藤 則生(計測標準研究部門 量子放射科 研究科長)
  • 特別講演「福島原発とつくばの放射線量計測」写真1
  • 特別講演「福島原発とつくばの放射線量計測」写真2
3月11日に発生した東日本大震災による原発事故以降、多くの市民の皆さんが「放射能」「放射線」に不安を覚え、関心を寄せています。この講演では、放射線の単位や数値とそれを測る機材について紹介しました。また、産総研では「放射線の測定」の研究開発を行っています。被災地である福島県いわき市で行っている「工業製品の放射線測定」現地協力や、つくば市内での空気中の放射線測定など、産総研が行っているさまざまな地域協力についても紹介しました。
(A会場:共用講堂 大講堂)
東北地方太平洋沖地震は貞観地震の再来か?
岡村 行信(活断層・地震研究センター 研究センター長)
  • 特別講演「東北地方太平洋沖地震は貞観地震の再来か?」写真1
  • 特別講演「東北地方太平洋沖地震は貞観地震の再来か?」写真2
3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」による被害を甚大なものにしたのは、想定外の津波だといわれています。しかしながら、平安前期に大地震と巨大津波が東北地方を襲ったという歴史記録があり(貞観地震)、地質調査からも仙台平野を中心に繰り返し巨大津波が襲っていたことがわかっています。本講演では、過去の地震を正しく知ることで被害を最小限にとどめるための地震研究について、わかりやすく紹介しました。
(A会場:共用講堂 大講堂)

地質標本館特別講演

世界石紀行 −地球の記憶を訪ねる− 須田 郡司さん(写真家)
石の造形に見るジオ多様性 加藤 碵一(産総研フェロー)
  • 地質標本館特別講演「世界石紀行 −地球の記憶を訪ねる−」写真1
  • 地質標本館特別講演「世界石紀行 −地球の記憶を訪ねる−」写真2
  • 地質標本館特別講演「石の造形に見るジオ多様性」写真1
世界各地をまわり、さまざまな「石」を撮影してきた写真家の須田氏をお迎えして、ファインダーを通して見た自然の石たちとそこに根ざした地域文化の関係について、独自の感性で語っていただきました。また、地質研究者としてフィールドを巡り、ハンマーを振るってきた加藤氏が語る、石の魅力についての講演もお楽しみいただきました。
(A会場:共用講堂 大会議室)

特別展示 「これが産総研」「これも産総研」……いろんな産総研を紹介しました。

A会場

T01「放射能」と「放射線」 検出・測定方法と数値の意味
  • 特別展示T01:写真1
  • 特別展示T01:写真2
私たちは、それまで聞いたこともなかった単位と、何とくらべて良いのかもわからない数値に、日々不安を覚えながら放射能・放射線のニュースに耳を傾けています。検出・測定機器の展示や微弱サンプルの測定実演を通して、放射能・放射線の意味を解説しました。
計測標準研究部門、計測フロンティア研究部門、環境安全管理部
T02東北地方太平洋沖地震 日本列島の地下で何が起こっているか
  • 特別展示T02:写真1
  • 特別展示T02:写真2
地震や津波といった自然災害は、時に想像を絶する被害をもたらします。いつ起こるかわからない災害に、私たちはただ怯えているのではなく、地下で何が起こっているのか、またそのメカニズムを知ることで正しい備えをしていかなければならないでしょう。将来ふたたび起こりうる大地震の被害を軽減するための地質研究について紹介しました。
活断層・地震研究センター、地質情報研究部門、情報技術研究部門
T03バリアフリー推進室 チャレンジドチームの活動
  • 特別展示T03:写真1
  • 特別展示T03:写真2
産総研では、障がいのある方が社会に踏み出すことを力強く支援しています。チャレンジドチームの活動を紹介するとともに、チームメンバーがリサイクル事業で作った「新聞紙エコバッグ」を展示・配布しました。また、チームメンバーが余暇に描き上げた作品の展覧会もご覧いただきました。
人事部 バリアフリー推進室
T04くらしを支える標準化
  • 特別展示T04:写真1
  • 特別展示T04:写真2
産総研では「国際標準」「工業標準」にも力をいれています。「標準化」と聞くと少し難しそうなイメージがありますが、私たちの身近な生活に、とても重要なものなのです。サイエンス・スクエア内標準化コーナーでアタマの体操をしながら、標準化について楽しく学んでいただきました。
国際標準推進室

B会場

T05地質標本館特別展「世界石紀行」
  • 特別展示T05:写真1
  • 特別展示T05:写真2
写真家の須田郡司氏は、世界各地の巨石・奇石の写真を通して、自然やそこに根ざした文化を紹介する活動を続けています。須田氏の石の写真とともに、同じ種類の岩石標本を解説つきで展示しました。
地質標本館
★なお、地質標本館 夏の特別展「世界石紀行」は、地質標本館にて2011年9月25日まで開催しております。

サイエンストーク 話題の研究テーマについて、研究者と話ができるチャンス。

  • サイエンストーク写真1
  • サイエンストーク写真2
Aコース自然界の燃える氷 メタンハイドレート
メタンハイドレートとは、メタンガスが氷に取り込まれた結晶です。メタンハイドレートを分解するとメタンガスと水になることから、天然ガス資源として注目されています。高圧で低温な深い海の底に存在していることが明らかになってきて、資源が乏しい日本にも多く分布すると言われています。新たなエネルギーとしての可能性をみなさんで考えてみました。
環境管理技術研究部門 小笠原 啓一
Bコース夏を乗り切る節電対策
今年の夏、東京電力管内では消費電力の15%削減が目標とされています。皆さんもさまざまな節電対策を実施されていると思いますが、ポイントは真夏の最大電力需要をいかに抑えるかです。計画停電はどのくらい効果があるのか?最大電力削減に効率的な方法は?外気温とエアコンの相互関係をもとにしてシミュレーションした結果をご紹介しました。
安全科学研究部門 玄地 裕
Cコース計算科学シミュレーションで探る原子・分子の超微細な世界
計算科学シミュレーションとは?スーパーコンピュータってなに?1ナノメートルの原子・分子の超微細な世界を調べるために注目されている方法です。生物、電器製品、食物、地球など万物は原子から作られています。インフルエンザウイルスや水分子などはどのようにふるまっているのか、コンピュータグラフィックスをつかって作成した最新の計算科学シミュレーションの動画を紹介しました。
ナノシステム研究部門 三上 益弘
Dコースシリコン球で定義するs キログラム原器からアボガドロ定数NA
質量、時間、長さ、温度などの物理量を《はかる》ための尺度として様々な単位が用いられます。世界中で同じ基準を用いてはかるためには、条件さえそろえば再現できる定義が必要です。しかし、キログラム(kg)だけは昔からの人工物《キログラム原器》によって定義される最後の国際単位として残っています。このkgを再定義するための取り組みについてお話しました。【高校生以上】
計測標準研究部門 藤井 賢一
Eコース巨大地震と津波 −過去を知って将来に備えよう−
2011年3月11日に東北地方太平洋岸を襲った巨大津波は多くの方にとって想像を絶するものだったと思います。しかし、過去に目を向ければ今回の津波も決して想定外とは言い切れません。日本列島太平洋岸では、実はどの地域にも巨大津波の可能性があるのです。過去に日本でどんな地震や津波があったのかについて、自然に残された痕跡から読み解き、将来への心構えについて皆さんと考えてみました。【小学校高学年〜大学生限定】
活断層・地震研究センター 宍倉 正展
Fコース花火の科学 −花火の原理とさらなる進化の可能性−
夏といえば花火。でも、花火が鮮やかに燃える仕組みはあまり知られていません。原理をやさしくご紹介しました。また産総研では、爆発を安全に制御するという観点から花火の安全化に関する研究に取り組んできました。その中で、新しい素材を使った花火や、世界最小の花火を開発しました。伝統文化からの脱却、化学産業としての可能性など、新しい「花火」を考えてみました。
安全科学研究部門 松永 猛裕