6月25日(金)、第22回産総研サイエンスカフェ「環境を数字にする 都市ヒートアイランドについて語ろう」をつくばカピオ別棟 カフェベルガ(茨城県つくば市)にて開催しました。
話題提供者は、安全科学研究部門 社会とLCA研究グループ 玄地裕 研究グループ長です。
環境問題は、気象、生態系、健康、エネルギーなど様々な問題が複雑に連鎖しています。このような連鎖を考慮し、関係する問題への影響を定量的に表す手法である、「ライフサイクルアセスメント(LCA)」についてヒートアイランドを例に考えてみました。
まず、ヒートアイランドとは?ということから話が始まりました。冬に衛星から東京の地表温度を測定すると、大手町や新宿など、副都心部の高温箇所が島状に浮かび上がるそうです。都市部で熱が島状に分布するヒートアイランドは、東京に限らず都市のあるところではどこでも発生しています。玄地グループ長らの調査結果では、地面がアスファルトで覆われた路上で気温を測定すると、風通しの良い土の上で測定されているAMeDAS(アメダス)の測定結果よりも、日中で最大3℃高いということが紹介されました。
LCAとは、原材料調達から設計・製造、使用、リサイクル、そして最終的な廃棄処分(製品のライフサイクル)にわたって、製品の使用する資源やエネルギーと、製品が排出する環境負荷を定量的に推定・評価し、さらに製品の潜在的な環境影響を評価する手法です。
LCAを使用して数値化することによって、より環境負荷の少ない方向へ生産を移行することが検討できます。例えば、部品製造の際に環境負荷が大きい携帯電話のような製品は、負荷の小さな素材を使用して部品を生産し、使用時の負荷が大きいエアコンのような製品は、省エネタイプの製品開発を行えばよいということが分かります。
LCAでは、温室効果ガスや水質汚染物質の排出量などの環境負荷の算出(インベントリ分析)と、自然環境への影響評価(インパクト評価)を分けて考えます。インベントリ分析は、「カーボンフットプリント事業」に利用されています。商品製造やサービス提供によって排出されるCO2の量を表示し、環境負荷を「見える化」する事業です。インパクト評価は、例えば、ヒートアイランド現象による睡眠障害を健康被害額に換算することで、影響の大きさを表すといったことに利用できるそうです。
話題提供が終わった後も、参加してくださった方の多くが話題提供者と、あるいは会場で初めて一緒になった方と互いの感想を話されたり、意見交換をされていて、環境を数字にする「LCA」について、参加された方同士で理解を深め合っていた様子が見られました。
次回の産総研サイエンスカフェは、2010年9月3日(金)、産総研つくばセンター内で開催いたします。テーマは「花火を科学する 花火の原理と、さらなる進化の可能性」です。ご興味のある方は、ぜひお越しください。
![]() |
![]() |
| 日時 | 2010年6月25日 金曜日 18時30分 〜 20時00分 (終了後、30分程度フリーで話題提供者とお話いただく時間をご用意しています。) |
|---|---|
| 会場 | カフェ・ベルガ 〒305-0032 つくば市竹園1-10-1(つくばカピオ別棟) ※駐車場は、周辺の有料駐車場をご利用ください。 |
| 主催 | 産業技術総合研究所 広報部 |
| 定員 | 30名 ※要予約 |
| 参加費 | 無料(ドリンク付き) |
| 申込方法 | 参加申込につきましては、お申込フォーム、Eメール、FAX、電話でお願いいたします。
[1]サイエンスカフェ専用お申し込みフォーム [2]Eメール:必要事項を記入の上、事務局宛に送信 [3]FAX:参加申込書に記入の上、事務局宛にFAX [4]電話:必要事項をお伝えください |
| 問い合わせ先 | 産業技術総合研究所 広報部 産総研サイエンスカフェ事務局 〒305-8568 つくば市梅園1-1-1 中央第2 つくば本部・情報技術共同研究棟8F 電話:029-862-6211 FAX:029-862-6212 Eメール: ※当日撮影した写真等を産総研の広報活動に使用させて頂く場合がございますのであらかじめご了承ください。 ※ラヂオつくばの番組制作に協力するため、録音させて頂く場合がございます。 ※一般の方が対象ですが、お子様のご参加はご遠慮頂いておりますのでご了承ください。 |
| 産総研サイエンスカフェのページ(開催報告などを掲載) | |