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平成21年9月4日、幕張メッセ国際会議場において、日本分析機器工業会(JAIMA)の協力のもと、2009分析展・JAIMAコンファレンスの一環として糖鎖産業技術フォーラム(GLITセミナー)を開催しました。今回は、「糖鎖新技術が開拓する未踏のバイオ分野とバイオシミラー」と題し、様々な糖鎖構造解析技術の紹介とともにバイオ後続品に向けた取り組みや課題について、議論がなされました。会場には100名を超える聴衆が参加する盛況を見せ、その上、製薬企業、測定機器メーカー、化学・バイオ企業、関係官庁など幅広い分野の方々が参加されたことから、糖鎖研究に対する注目度が上がってきたものと考えられます。
まず、GLIT運営副委員長である平林淳(独立行政法人 産業技術総合研究所(以降、産総研と記載)糖鎖医工学研究センター 副センター長)により、「バイオ研究の産業化に果たす糖鎖分析技術の役割」として、糖鎖機能の概要およびその応用へ向けた動向の紹介をしました。
次に、ベンチャー企業等に投資をする立場から、北海道ベンチャーキャピタルの伊藤勝彦氏より、「一(いち)ベンチャーキャピタリストが考える糖鎖工学の将来像」と題して講演をしていただきました。まず伊藤氏は、ベンチャーキャピタリストの仕事としては、ただ単にベンチャーに投資するのではなく、企業あるいは業界が進むべき方向性を、調査、分析、評価した上で提言することであると紹介されました。そして、アナリストとしての技術評価基準に照らしても、糖鎖はバイオマーカーやバイオ後続品など様々な社会ニーズに応えうるものであること、糖鎖解析機器等の実用化が進展し始めていること等から、バイオ分野の研究の流れの中において糖鎖研究は有望であるとお話しされました。
産総研 糖鎖医工学研究センターの千葉靖典氏は、「バイオシミラー生産へ向けた糖鎖新技術」と題した講演の中で、酵母を宿主としたヒト型糖鎖をもつ糖タンパク質の生産技術や、化学的糖タンパク質合成法、エンドグリコシダーゼを用いた糖鎖転換法についても紹介し、バイオ後続品の同等性の問題、バイオ後続品の糖鎖の均一性、糖鎖の標準物質や標準化についても精力的に言及しました。質疑応答では、政策や知財について、海外動向および日本の国としての取り組み方について、討論が白熱しました。
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| 産総研 糖鎖医工学研究センター 平林淳 副センター長 | 北海道ベンチャーキャピタル(株) インベストメントマネージャー 伊藤勝彦氏 | 産総研 糖鎖医工学研究センター 千葉靖典 主任研究員 |
休憩をはさんで、糖鎖構造の様々な最先端構造解析技術について3名の方からご紹介いただきました。
島津製作所の中家修一氏は「糖鎖構造解析のための質量分析システムの開発」と題して、質量分析計の内部で糖鎖を断片化し、それぞれの多段階にわたる断片化パターンを質量分析計にて測定する、高精度な糖鎖解析技術の原理を紹介されました。GPバイオサイエンスの山田雅雄氏からは、レクチンマイクロアレイの開発と、バイオ医薬や再生医療等への応用例について「糖鎖プロファイリングによる糖タンパク質・細胞の品質評価」と題して講演をいただきました。最後に、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンターの加藤晃一教授からは「糖鎖構造解析の体系的戦略:プロファイリングから3次元構造解析まで」と題して、多次元HPLCによる糖鎖構造のマッピング(データベースGALAXY)や、安定同位体標識した試料等をNMR解析などによって分析する糖鎖構造解析技術の紹介がされました。
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| (株)島津製作所 分析計測事業部 主任 中家修一氏 | (株)GPバイオサイエンス 糖鎖事業本部 本部長 山田雅雄氏 | 自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター 加藤晃一教授 |
糖鎖を専門としない人間が大半を占めるという従来にない参加者層のGLITセミナーでしたが、総じて活発な質疑応答が行なわれ、アンケートの結果でも糖鎖についての理解が深まったという感想や、バイオシミラーや糖鎖研究に積極的な意見が寄せられるなど、エネルギーに満ちたセミナーとなりました。
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(報告:産総研 糖鎖医工学研究センター 連携戦略班長 新間陽一)
| 日時 | 2009年9月4日 金曜日 13時00分 〜 17時00分 |
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| 会場 | 幕張メッセ 国際会議場 2階 国際会議室 〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬2-1 |
| 主催 | 糖鎖産業技術フォーラム(産業技術総合研究所、財団法人 バイオインダストリー協会) |
| 参加費 | 2,000円 |
| 申込方法 | オンライン登録 ※「2009分析展」への入場登録が別途必要になります。 |
| 申込期間 | 7月6日 月曜日 〜 8月28日 金曜日 |
| 問い合わせ先 | GLIT-AIST事務局(産業技術総合研究所 糖鎖医工学研究センター内) 電話:029-861-3254 |
| プログラム、申込み、その他詳細情報 | 2009分析展JAIMAコンファレンス 「糖鎖新技術が開拓する未踏のバイオ分野とバイオシミラー」(GLITセミナー) http://www.glit.jp/wp/archives/1062 |