English

 

第24回産総研サイエンスカフェ

「音楽情報処理研究が可能にする 未来の音楽のたのしみかた」


ポスター画像

 2010年10月27日(水)、つくばカピオ別棟「カフェベルガ」(茨城県つくば市)にて、第24回産総研サイエンスカフェを開催しました。今回のテーマは、情報技術研究部門 メディアインタラクショングループ 後藤真孝研究グループ長による「音楽情報処理が可能にする 未来の音楽のたのしみかた」です。

 音楽鑑賞は、受動的なものと捉(とら)えられがちです。しかし私たちは、生演奏を聴いた時には拍手や歓声などで演奏者へフィードバックをしたり、録音した楽曲の曲順や音質などを自分で編集して、自分の好みに合わせて能動的に音楽をたのしんでいます。

 今回のサイエンスカフェでは、情報処理技術により、さらに音楽の鑑賞と制作を能動的にたのしむための話題を提供いたしました。

 前半は「音楽鑑賞の未来」という観点でのお話です。
 音楽の聴き方をより能動的で豊かにするための音楽音響信号理解研究に関する音楽再生(位置、歌詞)、音楽加工(タッチアップ)、音楽検索・閲覧について、話題提供者が開発に携わった能動的音楽鑑賞インタフェース[PDF:1.9MB]のうち、4つのデモンストレーションを中心にお話がありました。

 まずは、音楽再生についてのデモを2つ。
SmartMusicKIOSK(サビ出し機能付き音楽試聴機)は、似ている区間を表示し“音楽地図”を作成することで曲の構造が分かります。画面上に示された聴きたい区間をクリックするだけで、好きなところへスキップできる様子が披露されました。また、サビ出しボタンで簡単にサビだけを聴くことも可能です。

 LyricSynchronizerは歌詞と楽曲との自動的な時刻同期を行います。曲の構造ではなく、歌詞と再生位置が同期表示できるので、好きな単語をクリックすればその場所から再生できる様子が披露されました。

 次に、音楽加工(タッチアップ)に関して、Drumix(ドラムパートのリアルタイム編集機能付きプレーヤー)の紹介がありました。バスドラムとスネアドラムの音量と音色を別々に変更したり、楽曲再生中にドラムパターンを容易に編集したりできる様子が披露されました。

 そして音楽検索・閲覧については、好みの楽曲の歌声に類似した音声を持つ楽曲を検索・発見できるVocalFinderが紹介されました。

 それぞれのデモンストレーションが行われる度に、会場からは驚きや関心の声が上がり、熱心にお聞きになって楽しんでいる様子が伝わってきました。

 技術の進歩によって、より自分の好みに合わせて音楽を鑑賞できるようになってきましたが、まわりの人が音楽のどのような要素を重視して鑑賞しているのかは分かりません。また、音楽家ではない人が音楽を聴く力を向上させるためには、一体何をしたらよいのかもわかりません。そこで話題提供者から、「あなたの音楽の聴き方が人と違うと思ったことがありますか?」「ほかの人の音楽の聴き方を、知りたいですか?」「音楽をより深く理解するためにコンピューターにどんな手助けをしてほしいですか?」といった質問を参加者のみなさんへ投げかけ、意見交換を行いました。人それぞれ鑑賞の仕方が異なり、歌詞を重視する方もいれば旋律やパートを重視する方もいて、意見交換を通して改めてまわりのみなさんとの違いに気付かれた方も沢山いらっしゃいました。なかには、カラオケで外れた音程をリアルタイムで自動的に修正してくれるシステムが欲しいという方もいました。

 後半は「音楽制作の未来」という観点でのお話です。
歌声情報処理[PDF:607KB]に関する研究についての話題提供がありました。

 VocaListener(通称:ぼかりす)はユーザーの歌う音の高さや声の大きさをまねて歌声を合成するシステムです。VocaListener2(ぼかりす2)は音程と音量に加え、声色変化や息継ぎのときのブレス音までまねることができるようになっています。さらに、VocaWatcher(通称:ぼかうお)というユーザーが歌う顔の表情をまねてロボットの歌唱動作を生成する技術が紹介されました。

 また、これらの技術を使った研究成果として、10月に開催された「CEATEC JAPAN2010」に出展した、産総研のヒューマノイドロボット「HRP-4C 未夢」が自然な歌声と表情で歌唱する動画が紹介されました。あまりに自然な様子に驚かれた方も沢山いらっしゃいました。

YouTube動画:歌声合成技術VocaListenerで歌うHRP-4C未夢_楽曲「PROLOGUE」

 日本は歌声情報処理の先進国だそうです。音楽のプロフェッショナルではなくても、自分の音楽を制作して発表し、またインターネット上で提供されている膨大な曲の中から好きな曲を選びだして好みに合わせて編集し、好きな部分を繰り返し聴く。そんな自由な音楽のたのしみかたがもうすぐできるようになることを、今回のサイエンスカフェを通じて実感していただくことができたのではないかと思います。

 次回の産総研サイエンスカフェは、2010年12月10日(金)、カフェベルガにて「快適3Dライフのすごしかた 立体視の仕組みから安全快適基準まで」というテーマで開催する予定です。ぜひお越しください。

写真1 写真2

開催概要
日時 2010年10月27日 水曜日 18時30分 ~ 20時00分
(終了後、30分程度フリーで話題提供者とお話いただく時間をご用意しています。)
会場 カフェ・ベルガ
〒305-0032 つくば市竹園1-10-1(つくばカピオ別棟)
※駐車場は、周辺の有料駐車場をご利用ください。
主催 産業技術総合研究所 広報部
定員 30名
参加費 無料(ドリンク・菓子付き)
申込方法 参加申込につきましては、お申込フォーム、Eメール、FAX、電話でお願いいたします。

[1]サイエンスカフェ専用お申し込みフォーム

[2]Eメール:必要事項を記入の上、事務局宛に送信
 必要事項・・・お名前(ふりがな)、参加人数、連絡先

[3]FAX:参加申込書に記入の上、事務局宛にFAX

[4]電話:必要事項をお伝えください
 必要事項・・・お名前、参加人数、連絡先

※ご登録いただいた個人情報を本イベントの対応以外に使用することはありません。
問い合わせ先 産業技術総合研究所 広報部 産総研サイエンスカフェ事務局
〒305-8568 つくば市梅園1-1-1 中央第2 つくば本部・情報技術共同研究棟8F
電話:029-862-6211 FAX:029-862-6212
Eメール:メールアドレス:s.cafe-ml*aist.go.jp(*を@に変更してご使用ください)
※当日撮影した写真等を産総研の広報活動に使用させて頂く場合がございますのであらかじめご了承ください。
※ラヂオつくばの番組制作に協力するため、録音させて頂く場合がございます。
※一般の方が対象ですが、お子様のご参加はご遠慮頂いておりますのでご了承ください。

▲ ページトップへ