独立行政法人産業技術総合研究所
現在位置広報活動 > 出版物 > 産総研 TODAY Vol.12(2012) 一覧 > Vol.12 No.09 > 先端計測分析技術を実現するキーテクノロジー

先端計測分析技術を実現するキーテクノロジー

[ PDF:2.4MB ]

産総研の先端計測分析技術

科学技術立国を支える最先端計測分析技術

 生物は進化の過程で、持続的発展(生存)のために必要な計測技術を開発(獲得)してきました。例えば、地球に酸素をもたらしたシアノバクテリアは、光合成に有利な環境を得るために走光性を有します。走光性のための光センサーとして青色光受容体タンパク質をもっています。

 私たちヒトの光子計測装置(眼球)の性能は、シアノバクテリアより格段に優れており、網膜にある桿体(かんたい)と錐体(すいたい)という二つの光受容体で光子を計測しています。白黒を検出するための桿体には、単一光子を吸収するレチナール分子がオプシンに付いたロドプシンというタンパク質があります。錐体には、光の色(波長)を識別することができる錐体タンパク質があります。明暗だけでなく、光の色を識別する能力の出現は、"計測機器"の発明に当たります。さらに、離れた位置に同じ検出器を二つ置くことにより立体視(距離の測定)を可能にしています。これは、"計測手法"の発明です。網膜に写ったイメージを、脳に蓄積された情報と照合することにより、ヒトは文字を認識できます。文字という"知識(データベース)"の発明があって、初めて読み書きができるようになります。

 現代社会は、DNAに依存した進化では追いつけないほど超高速で変化し続けています。この変化は、既存技術では解決できない諸問題を必然的に生み出します。私たちが採用すべき戦略は、人工の最先端計測分析技術を開発することです[1]

計測技術を分析技術に仕上げて普及させる

 計測フロンティア研究部門は、3つのフロンティアを開拓し、先端計測技術を分析技術として仕上げて、普及させることをミッションとしています。研究者が活躍する場として、5つの戦略課題を設定しています。その関係を図に示します。

3つのフロンティア開拓
 1. ハード (計測機器)
 2.ソフト(計測手法、解析手法、ソフトウエア)
 3. 知識 (データベース)

5つの戦略課題
 1. ライフイノベーションのための計測分析技術開発
 2. グリーンイノベーションのための計測分析技術開発
 3. 安全安心のための計測分析技術開発
 4. 先端計測分析機器の公開
 5. 標準(ISO-IEC-JIS)、データベース

 特徴あるコア技術をもつ9つの研究グループが、3つのフロンティア開拓を担っています。この特集では、そのコア技術(キーテクノロジー)を紹介します。グループの詳細や研究部門の最新情報はホームページ(http://unit.aist.go.jp/riif/index.html)をご覧ください。

3つのフロンティア開拓と5つの戦略課題の関係図
図 3つのフロンティア開拓と5つの戦略課題の関係

計測フロンティア研究部門
研究部門長
大久保 雅隆(おおくぼ まさたか)



このページの記事に関する問い合わせ:計測フロンティア研究部門 http://unit.aist.go.jp/riif/index.html


戻る産総研 TODAY Vol.12 No.09に戻る