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シリーズ:進化し続ける産総研のコーディネーション活動(第30回) |
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産業構造の変化に即応する技術移転を目指して |
イノベーションコーディネータ 樋口 哲也(ひぐち てつや)
はじめに私は、2011年7月からイノベーションコーディネータになりました。情報通信・エレクトロニクス分野研究企画室と情報技術研究部門を兼務しています。旧通商産業省工業技術院電子技術総合研究所(電総研)に入所以来、記憶システム研究室を皮切りに、人工知能や回路システムといった情報技術分野の研究を行ってきましたが、主にリアルワールドコンピューティングや半導体MIRAIプロジェクトなどの国プロが活動の場でした。進化型ハードウエアという研究を90年代から十数年行ったあとは、電力線通信(PLC)やパターン認識の研究にシフトしました。イノベーションコーディネータとなって一年未満で、まだ教えられることの多い日々を過ごしております。 コーディネート活動の意義私は電総研時代から企業との共同研究が多く、企業の現場からの思いがけないニーズに触れて新たな研究テーマを見いだしたことが再三ならずありましたので、産学連携やコーディネート活動は非常に大事だと思っています。特に産総研は、開発した技術を社会に普及させる使命があり、大学よりもコーディネート活動の重要性は高いと考えます。企業現場からの生のニーズを産総研の研究現場にも伝え、Win-Winの関係を築けるようにしたいと思っています。 コーディネート活動の留意点コーディネート活動を進める上で、私が兼務する情報通信・エレクトロニクス研究分野の研究シーズを把握するのは当然ですが、他分野のイノベーションコーディネータの方々とも連携して、なるべく産総研全体のシーズ把握ができるように努めたいと考えます。その意味では、オープンラボがとても勉強になっています。 コーディネート活動を進める上で留意点として学んだことは、企業からのニーズが経営層からの要請なのか、事業部門からの要請なのか、あるいは研究部門からの要請なのかをまず見定めることが重要であるということです。さらにその要請が社内においてコンセンサスを得ているのかについても見極める必要があると思います。これらによって、産総研に求められるスピード、予算規模がおおよそ決まるはずです。そのあと、産総研が提供しうるシーズ、あるいはソリューションを見極めて、企業ニーズとのマッチングを図ることが企業と産総研の双方にとって一番実りのある近道ではないかと感じています。 今後の連携活動現在、震災後の再生可能エネルギーへの転換の動き、TPPに関連した農業問題、工場の海外シフトに伴う熟練労働者確保の困難さなど、日本の産業構造に大きな変革が起きようとしています。これらの分野では、IT技術がまだ十分に活かされているとはいえない面があります。これは逆に産総研にとってのチャンスなので、社会動向に絶えず留意し、新しい技術への社会的要請を敏感に感じ取って、コーディネート活動を進めていきたいと考えています。 |
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