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シリーズ:進化し続ける産総研のコーディネーション活動(第29回) |
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人や物との出会いを新しい知見や価値の創造に結びつける |
イノベーションコーディネータ 佐々木 義之(ささき よしゆき)
コーディネータへの道 1979年に産総研の前身の一つである旧公害資源研究所に入所して以来、基本的には専門分野である環境・エネルギー関係の研究に携わってきました。2008年5月にNEDO研究開発推進部のプログラムディレクター(「産業技術研究助成事業」いわゆる若手グラント担当)を拝命し、ライフサイエンスやナノテクノロジー、情報通信など、専門分野以外のさまざまな研究テーマに接する機会を得ました。2010年5月からは中国センター所長代理兼イノベーションコーディネータに、2012年4月からは専任のイノベーションコーディネータに就任し、産総研の中国地域におけるイノベーションハブとしての機能強化と個別テーマの発掘に取り組んでいます。 コーディネータとしての視野の拡大 NEDOでは若手グラントへの応募書類を中心に2年間で1,000件以上の提案書を読みました。専門分野以外の提案書を読み込むには、まず専門用語を知ることから始めて、最新の研究の方向性を把握する必要があります。とにかく提案書の数が多いので、各分野の技術的なトレンドを概観するために、各研究テーマの中で用いられている「技術」とその「適用分野(階層)」とを縦軸と横軸にして、それらのマトリックス的な分布を見る、というやり方を考えてみました。例えば、2006年から2009年にかけてライフサイエンス分野で採択されたテーマに最も適切と思われるキーワードを割りつけ、そこで用いられている技術とその適用対象にしたがってプロットしてみると、図1のようになります。この図から、物理操作や創薬技術をタンパク質や細胞レベルで開発するテーマが比較的多く採択されている、というようなことがわかります。 コーディネータとしてのパッション 中国産学官連携センターでは、さまざまなバックグラウンドを持ったイノベーションコーディネータや連携主幹の個人的なネットワークを活かすとともに、1+1を3や4にするチームとしての連携活動を心がけています。そのため、東広島市への移転当初はハチの巣状に孤立していた事務机を、コの字型に配置していつでも打ち合わせができるようにしました。 対外的な活動としては、ものづくりに関連する中小企業などの立地が比較的多い中国地域にあって、産総研による地域貢献を強化するための仕組みの一つとして、「産総研中国センター友の会(産友会)」を立ち上げ、メールマガジンを発行するなどの活動を開始しました。また、中国地域の各公設研と連携して、各県の中小企業のニーズを定期的に把握する試みや、具体的なテーマに基づいて企業や公設研と産総研の研究者とを橋渡しする研究会を立ち上げ、外部資金への応募を支援する活動を展開しています。 研究でも連携活動でも、「人や物との新たな出会いを既知の物や既存の物にうまく結びつけられたときに物事が前に進む」という気がしています。今後は、企業訪問やマッチングイベントを通してできるだけ多くの出会いを図るとともに、これまで培ってきたアイデアや経験をいろいろな分野での連携活動に活かすことができればと思っています。
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このページの記事に関する問い合わせ:中国産学官連携センター http://unit.aist.go.jp/chugoku/col/sangaku.html
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