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シリーズ:進化し続ける産総研のコーディネーション活動(第27回) |
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産総研をイノベーションハブに |
イノベーションコーディネータ 鈴木 英一(すずき えいいち)イノベーションコーディネータへ 旧通産省工業技術院電子技術総合研究所時代から一貫して微細化シリコンデバイスの研究開発に従事していましたが、2008年に産学官連携推進部門に異動し、関東産学官連携推進センターとつくばセンターを兼任して連携活動を始めました。2010年10月の組織再編により、イノベーション推進本部と情報通信・エレクトロニクス分野研究企画室兼務のイノベーションコーディネータとして、引き続き、エレクトロニクス分野だけに限らず、大企業から中小企業まで連携関係構築を図っています。 コーディネート活動の実践 関東産学官連携推進室では、主に浜松商工会議所での産総研技術相談会を担当し現在も続けています。多くの企業からさまざまな相談をこれまでに100件以上受けました。中小企業からの実に切実な課題に対して、少しでも産総研の技術が役立つように努めてきました。一方、巨大な規模に成長した半導体産業の低迷の時期に当たり、産総研が半導体企業に貢献するよい機会ととらえて、この時期に発足した装置提供型共同研究や人材移籍型共同研究の新制度が適用された大型案件を多数扱い、新しい形の共同研究をスタートさせることに寄与しました。 コーディネート活動のノウハウ これまでの活動で得た教訓はまず、共同研究をスタートさせるまでには相当の時間と労力が必要ということです。これは企業側、特に中小企業の求めるものと、産総研のもつ技術シーズをうまくマッチングさせるためにどうしても必要な期間だと思います。また、産総研の研究活動が意外に知られていないことに気がつきます。コーディネート活動には、産総研の一押し技術をよく理解して、いろいろな手段で周知していくことが必要です。この意味で、回を重ねているオープンラボはよい機会だと思います。一方、いくつかの大企業を巻き込む大型案件では、必ずまとめるという強いパッションが必要だと思います。中には、「これはわが国の国益のために産総研でやるべき技術開発だ」との判断が必要な場合がありますが、その判断がぶれないことが大切です。 イノベーションハブの構築を目指して 今後の産総研には産学官連携は必須であり、産総研がその中心的役割を果たすことが求められます。産総研の技術シーズを売り込むという従来型の連携活動だけでは、いずれシーズの枯渇をまねきます。それに対して、シーズ研究・基礎研究から産学官連携をして共同で研究開発を行う形がますます求められてきます。この実行のためには、産総研側に確かな技術シーズがあり、リーダーシップを持てることが条件になります。企業のニーズ把握力の強みと産総研のシーズ開発力の強みをうまくマッチさせて、その実りを共有するわけです。産総研がイノベーションハブになることを強く意識し、産総研の研究サイドと企業側との両者からの信頼を獲得して連携推進を図っていくことが、イノベーションコーディネータに課せられた役割であると思っています。
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このページの記事に関する問い合わせ:イノベーション推進本部 https://unit.aist.go.jp/col/ci/coordinator/contact/tsukuba2.html
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