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シリーズ:進化し続ける産総研のコーディネーション活動(第25回)
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「知る」、「つなぐ」そして「活かす」


イノベーションコーディネータ 松永 英之(まつなが ひでゆき)

松永 英之の写真

はじめに

 産総研にはさまざまな経歴の「コーディネータ」が所属していますが、私自身は、他機関との兼務の期間はあるものの、もともと旧東北工業技術研究所の出身であるため、主に産総研の東北地域への貢献、とりわけ先の東日本大震災の直撃を受けた東北センター所属のイノベーションコーディネータとして、東北の産業の復旧・復興、ひいては日本の復興を目指した活動を行っています。

東北センターの産学官連携活動

 東北センターの産学官連携活動には大きな特徴があり、多彩なツールを駆使した取り組みを行っています。その一つは、産総研コンソーシアム制度による連携です。参加企業73社の「グリーンインキュベーションコンソーシアム(GIC)」、52社の「Clayteam」、16社の「東北分析・計測科学技術コンソーシアム(TCAST)」の3つのコンソーシアムを設置し、東北センターの研究成果の全国・世界への技術移転や東北地域の技術向上に貢献しています。

 特徴ある取り組みの二つ目は、仙台市内中心部の連携オフィスである東北サテライトを活用した連携事業です(図1、東北サテライトHP:http://unit.aist.go.jp/tohoku/asist/)。東北地域の公設試験研究機関との連携組織である産業技術連携推進会議東北地域部会の事務局のほか、「産総研・新技術セミナー」、「東北巡回サテライト」、「仙台まちなかサイエンス」といった、それぞれユニークな連携事業を行っており、新たな共同研究の開始や事業化の支援につなげています。

図1
図1 東北サテライトを拠点とする連携

コーディネーション活動の実際

 産総研のコーディネータとして次のような点を意識して活動しています。まず、「知る」。産総研研究情報(研究者データベース、プレスリリース、知財データベースの活用)、地域産業情報(企業調査、WEB情報、経済産業局情報)および大学などの研究機関情報(研究者、研究課題)の収集と解析により現状をしっかり把握することで、連携候補の具体化を行っています。次に、「つなぐ」。候補課題が現実の取り組みとなるよう、対象企業の訪問や関係機関との情報交換などにより、現在でもしばしば「敷居が高い」と言われる産総研窓口の、「敷居を低くする」活動を行っています。前述した「コンソーシアム事業」や「東北サテライト事業」もその一環ですが、さらに組織的な取り組みとして、東北地域の100社以上の企業との連携窓口を明確にし直接的かつ具体的な連携を構築しやすくすることにより、「つなぐ」活動の「質と量」を同時に強化する事業、「東北コラボ100」を行っています(図2)。これらの活動により、技術移転に向けたさまざまな課題を克服して、産総研の研究成果を社会に、とりわけ東北の地域産業に「活かす」ことが責務であると考えています。

図2
図2 東北地域企業を「つなぐ」活動の強化

おわりに

 産総研の使命は持続発展可能な社会の実現に貢献することですが、「社会」とは「地域」の集まりですので、産総研の「社会貢献」が「地域貢献」から始まることも当然の流れです。日本の真の産業振興には地域産業の振興、特に現在は東北地域の振興が必須であり、今後とも東北地域の産業振興から日本の産業振興に貢献するべく、「知る」、「つなぐ」、「活かす」を実践していきたいと思っています。特に、東北地域で産総研の研究成果のご活用を考えられる際には、ぜひご連絡下さい。


このページの記事に関する問い合わせ:イノベーション推進本部 https://unit.aist.go.jp/col/ci/coordinator/contact/tsukuba2.html

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