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シリーズ:進化し続ける産総研のコーディネーション活動(第22回) |
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オープンイノベーションを加速するための技術移転 |
技術移転マネージャー 小島 芳和(こじま よしかず) 技術移転マネージャーになった経緯産総研の技術移転マネージャーとして、情報通信・エレクトロニクス分野の知財を企業に技術移転する業務をしています。民間企業で半導体集積回路の研究開発・設計・生産技術・製造の部門に25年間従事したのち、国の研究機関が企業の競争力アップに貢献できるようにしたいと考え、大学出願特許の支援業務をするために特許主任調査員として科学技術振興機構に転職しました。その後、日本産業技術振興協会で産総研の技術移転業務に従事したのち、現在に至っています。 ライセンス実績からわかること事業化を目指して産総研の技術ポテンシャルを企業に移転する際の方法として、下図のように技術情報開示型(B社)と共同研究型(A社)の二つのパターンがあります。技術情報開示型では、企業が産総研から開示された技術情報を用いて企業単独で開発します。共同研究型では、産総研の保有技術を導入するとともに、企業のニーズに合わせて共同で研究開発します。 2010年度のライセンス契約の内訳を分析すると、約7割の契約が情報開示あるいは共同研究を介して実用化されたライセンス契約です。このライセンス実績から、共同研究あるいは技術情報の開示が、産総研の成果を企業が実用化するために役に立っていると考えられます。また、半分以上のライセンス契約が、許諾対象としてノウハウやプログラムを含んでいることから、ノウハウなどの技術情報が技術移転に効果的であると考えられます。 オープンイノベーションを加速するために求められること企業はビジネスをスピーディーに展開するために、市場のニーズに必要なシーズを外部から導入する"課題解決型オープンイノベーション"の開発スタイルをとってきています。企業のこのような課題解決型オープンイノベーションを産総研が加速支援するためには、ウェブ・メールなどの情報技術を利用することにより、企業が産総研のシーズを簡単に選択できるようにするとともに、企業のニーズを先取りするような営業と企画が重要になります。民間企業が顧客に対して行う商品広告活動やよい商品を品ぞろえすることと同様だと思います。 今後の技術移転活動に向けて産総研は企業の技術力向上に貢献してきていますが、その貢献が具体的にライセンス実績としても客観的に見えるようにしなければならないと思います。そのためには、研究部門の協力を得て、論文・学会などにより公表すべき情報と、ノウハウ・特許などの知財にすべき情報とを戦略的に区分けしてマネージする必要があります。研究部門に埋もれている価値あるノウハウ・特許などの知財を発掘することにより、産総研の企業への貢献をライセンス実績としても見えるようにしていきたいと思います。
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