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シリーズ:進化し続ける産総研のコーディネーション活動(第21回) |
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活用される産総研知的財産の創出へ |
イノベーションコーディネータ 横地 俊弘(よこち としひろ)
イノベーションコーディネータへの道産総研で研究に従事していたときは、海洋微生物の活用に関する研究、特に高度不飽和脂肪酸生産の研究を行っていました。2002年から知的財産部が本務になり、知的財産高度化支援室で知的財産強化から活用支援にかかわる仕事などを続けてきました。2010年4月に知的財産コーディネータ(兼)知的財産高度化支援室長、同年10月よりイノベーションコーディネータ(知的財産部への兼務)となっています。 コーディネート活動への想い知的財産高度化支援室での数年間においては、特許出願された研究成果について技術移転機関(当時は外部TLO:産総研イノベーションズに委託)へつなぐ仕事を中心に、各種の技術移転展示会における研究成果の紹介などを多く手がけてきました。また、知的財産部の業務が本務ではありましたが、研究ユニットへの兼務をさせてもらいながら、自分の研究成果活用も図ってきました。出願した特許が実用化されることの喜びやうまくいかなかったことの経験などをコーディネータ活動で伝えられればと思っております。そのなかで感じたことは、産総研では多くの特許出願がありながら、新しい研究成果について産業界や社会に発信する情報量が少ないことと、研究成果に対する産業界や社会からの評価をフィードバックする機会も極めて限られていることです。技術移転展示会への出展や技術移転案件の紹介については、TLOとともに積極的な情報発信に努めてきたところですが、いろいろなメディアやチャンネルはありながら効果的に相互を連携することの難しさは今も感じております。 産総研では今年3月に、これまでの「パテントポリシー」から知的財産権の戦略的・効率的な取得、管理、活用を推進することを目指した「知的財産ポリシー」へと改訂を行い、技術移転の可能性を考慮した出願戦略や出口戦略を検討することに重点が置かれるようになりました(http://unit.aist.go.jp/ipd/ci/index.html)。そのなかで、知的財産部を兼務するイノベーションコーディネータとしては、活用される産総研知的財産の創出を目指すため、特許出願時の研究者とのかかわりのほうに重点を置いた活動となっています。「出願戦略シート」や「特許出願プレビュー」などの取り組み、先行技術調査支援、イノベーション関係部署との連携支援などの活動のなかで、研究成果の活用にかかわる外からの情報・評価を研究展開や出願戦略へフィードバックすることなどを行っております。 今後の活動に向けて活用される産総研知的財産の創出に向けては、産総研内部での活動のみならず、産業界や社会のニーズが効果的にフィードバックされるなかで、産業界や社会に役立つ知的財産の創出や活用されるための連携戦略が作られていくものと思います。また、新しい魅力をもった特許出願が企業との連携によって補完されていくべきところも重要と思っています。産総研内外の連携活動の緊密化という点では、産総研の技術移転機関は昨年度から内部組織化されて知的財産部技術移転室となりました。その技術移転マネージャーと連携した活動なども通じて、企業などにおける開発ニーズを把握しながら、産総研の知的財産が活用される技術移転が進むよう取り組みを進めていきたいと思っておりますし、いろいろな企業との共同研究など、連携の契機につながるような情報発信にも努めていきたいと考えています。
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このページの記事に関する問い合わせ:イノベーション推進本部 知的財産部 http://unit.aist.go.jp/ipd/ci/index.html
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