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暗視カラー撮像技術

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暗闇中にある被写体のカラー動画像の撮像に成功

永宗 靖の写真永宗 靖 ながむね やすし
永宗連絡先
ナノシステム研究部門
ナノシステム計測グループ 主任研究員
(つくばセンター)

高度情報化社会の安全に寄与する機器やシステムの開発を目指して高感度イメージセンシング技術の開発と応用にかかわる研究を行っています。本稿で紹介した研究成果は、光物性の基礎研究や半導体電子デバイスの開発での経験を基になされたもので、新規な概念も含んでいるため、新分野の開拓にもつながると考えています。(顔写真は本技術により撮影、右下は照度計)

開発の社会的背景

 近年の防犯意識の高まりにより、防犯カメラや監視カメラなどのセキュリティーカメラの需要がますます増大しています。しかし、これまでの赤外線暗視撮像技術による撮像、表示、録画は、モノクロ(単色)あるいは疑似カラーであり、画像の視認性の面で問題があります。このため、モニター監視者の疲労軽減や犯罪摘発率向上の観点から、より高性能な暗視カメラなどの開発が急務であり、視認性の高い撮像技術が望まれています。

開発した暗視カラー撮像技術

 私たちは今回、独自に開発した高感度赤外線撮像技術と高速画像処理技術を用いて、暗闇でも被写体のカラー動画像をリアルタイムで撮像することができる技術を開発しました。

 この技術は、暗闇における被写体に赤外線を照射し、被写体から反射された赤外線を独自の高感度赤外線撮像技術および高速画像処理技術により検出し、可視光下での被写体の色と同一または近似した色によるカラー動画像として、リアルタイムで撮像、表示あるいは録画することのできる、これまでにない新しいタイプの撮像技術です。

 図1は、紙に印刷した白抜き文字を赤、緑、青の各色の塗料で着色したものを被写体として撮像したもので、左は蛍光灯照明下における通常のカラー撮像例、右は今回開発した撮像技術による暗闇における赤外線暗視撮像例です。色の再現に改善の余地はあるものの、可視光下における被写体の色をかなりよく再現できています。図2は、暗闇における被写体(緑色のバナナジャック、青色のイーサーネットコネクタキャップ、手)の撮像例ですが、肌色もよく再現されているのがわかります。

図1 図2
図1 蛍光灯照明下における通常のカラー撮像例(左)と今回の研究開発による暗視撮像例(右) 図2 今回の研究開発による暗視撮像例

 今回開発した赤外線暗視カラー撮像技術による画像は、これまでのモノクロや疑似カラーの画像と比較して情報量がはるかに多く、防犯カメラで撮像、記録された画像から犯人の帽子やカバン、着衣の色などが特定できれば、犯罪摘発率の向上につながると期待されます。また、画像のカラー化によって視認性が向上するため、モニター監視者の疲労・負担を軽減できることも考えられます。さらに、夜間の動物観察、車載用アシストカメラなど、さまざまな分野への応用が期待できます。

今後の予定

 今後は産総研技術移転ベンチャーである株式会社ナノルクス研究所へ技術移転し、撮像装置を高性能化、高耐久性化、小型化させて、一般の人にも使用しやすい製品として市販する予定です。この技術に興味をもった企業を求め、共同で各種の応用開発を行いたいと考えています。


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