北海道東部太平洋海域の海洋地質図 |
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落石(おちいし)岬沖・釧路沖・襟裳(えりも)岬沖の表層堆積(たいせき)図 |
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海洋地質図の整備産総研では前身の地質調査所時代から30年あまりの年月をかけて、日本周辺海域の20万分の1海洋地質図(海底地質図・表層堆積図)を整備してきました。2006年に北海道日高沖を調査したことで、主要四島周辺海域の調査航海はすべて終了し、現在は東シナ海・沖縄海域の調査・研究を進めています。 表層堆積図を作成するためには、100以上の地点において堆積物採取と海洋環境測定を実施します。さらに、海底浅部の地下構造を知るための音波探査を実施します。調査で取得した地質や海洋環境のデータから、どこにどのような堆積物が分布しているのかがわかるような図面を作成し、20万分の1海洋地質図シリーズの表層堆積図として出版します。堆積図には、解説および調査で取得したさまざまなデータを掲載した説明書が付属します。 北海道東部太平洋沿岸の表層堆積物北海道東部太平洋海域における「落石岬沖」・「釧路沖」・「襟裳岬沖」海洋地質図の作成のために、およそ120日間の調査航海を実施しました。水深150 m以浅の海底には、大陸棚と呼ばれる平たん面があり、砂や礫(れき)または泥が堆積しています。それらの分布には陸域からの土砂供給(河川や海岸侵食)、海底地形、海水準変動、海流などが影響を与えています。また、釧路川の河口沖には日本有数の規模をもつ釧路海底谷があります。その谷底には砂を含む地層が複数あり、洪水や海底斜面崩壊によって土砂を含む強い流れ(混濁流)が海底に発生していた証拠となっています。
表層堆積図の研究例この海域における調査の研究例として、地震による津波が海底堆積物に与えた影響の評価があります。表層堆積図作成のために十勝沖海域を調査した3カ月後(2003年9月25日)に、マグニチュード8.0の十勝沖地震が調査海域内で発生し、波高4 mに達する津波が海岸域に襲来し、多くの被害を与えました。地震直後に緊急調査の準備を行い、12月に地震前の調査地点と同じ地点から海底堆積物試料を採取しました。その調査結果から、水深40 mより浅い海域において、津波の前後で海底堆積物の粒度が変化していることを確認しました。 このように日本周辺海域から収集・記録した基本的な地質情報は、防災・資源開発・海底利用・海洋環境研究の重要な基礎データとして使用されます。今後さらに成果の普及に努め、海底調査によって得られた貴重な地質情報がさまざまな分野で活用されることを期待しています。 |
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