超音波流量計の現状
半導体製造装置には、耐薬品性に優れ、また非接触で液体の流量を測定でき、測定結果を電気信号として取り出せるテフロン製の超音波流量計が使われています。近年の半導体回路の微細化や省資源化のため、より微小な流量の測定ができる超音波流量計が求められており、半導体業界だけでなく製薬業界など、社会的なニーズが大きくなっています。
開発した超音波流量計
超音波流量計は、超音波送受信子によって超音波の励起と受信を行い、それらの伝搬時間差から流量を測定します。原理的には、流量計のパイプの内径を細くすれば断面積が小さくなって流速が速くなり、より微小な流量を測定できます。しかし、断面積を小さくすると、液体を伝搬する超音波が少なくなるなど受信信号の強度が低下します。これまで、微小流量を測定するため、パイプの細径化が進められてきましたが、信号強度の低下により細径化の限界に達していました。そこで、流量計内部を伝搬する超音波の解析を行い、その原因と解決策を調べました。
下図に示すように、従来品Aは100 mL/minで±1 %の精度があるものの、それ以下の流量では測定精度が急速に悪化しました。従来品Bは100 mL/minでの精度は従来品Aに劣りますが、従来品Aより少ない流量の測定が可能でした。しかし、10 mL/minの精度は±4.5 %で、それ以下の流量では精度が急速に悪化しました。
一方、今回の解析結果を元に作成した超音波流量計の試作機は、10〜800 mL/minの広い範囲で±1 %の精度が確認され、1 mL/minの微小流速も精度±10 %で測定可能でした。すなわち、今回開発した試作機は、これまでの半導体製造装置用超音波流量計では測定できない微小流量の測定ができます。
このような微小流量の測定ができるのは、細くしたパイプの内径に合わせて超音波の周波数を最適化したことによります。
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流量の測定精度 |
今後の予定
開発した製品は、原材料流量コントロールの高精度化などを通してミニマル・マニュファクチャリングに貢献すると考えています。今後は、製薬分野やバイオケミカル分野への展開も視野に入れていく予定です。

佐藤 治道 さとう はるみち