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AIST Network

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社会的取り組み
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産総研は憲章に「社会の中で、社会のために」と掲げ、持続発展可能な社会の実現に向けた研究開発をはじめ、社会的な取り組みを行っています。

ウェブサイト「放射線計測の信頼性について」の開設

 3月11日の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故が発生して以来、環境分野以外でも食品や水、工業製品などに対する放射能や放射線の計測が多方面で頻繁に行われるようになりました。現在、その計測の信頼性は社会的な関心事といえます。産総研は、正確で信頼できる放射線計測を支援するために、技術情報の発信と問い合わせのための窓口としてウェブサイト「放射線計測の信頼性について」を立ち上げました。

 このウェブサイトでは、計測の信頼性は「正確な計測器」、「計測器の正しい使い方」、「測定者の高い技能」の3要素が揃ってはじめて実現できるという基本的な説明から始まり、続いて、これら3要素の信頼性がそれぞれどのように確保されているかを解説しています。

 さらに、放射線計測器の表示値(計数率)を、汚染度合いの指標である「放射能面密度」や「線量当量率」へ換算する方法について紹介しています。用いる計測器やその使い方によって換算が異なることに注意を促すとともに、ケーススタディを用いてある特定の条件における計数率からの換算表を提供しています。

 放射線計測に関連した他のウェブサイトへのリンクや、よくあるご質問への回答集(Q&A)も掲載しています。このウェブサイトの運営を通じて、放射線計測に係る疑問、不安の解消や信頼性の向上に貢献していきます。

 問い合わせ窓口:http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/index.html

上海交通大学に産総研との共同研究室がオープン

 産総研とバイオテクノロジー開発技術研究組合は2011年1月に上海交通大学と共同研究契約を締結しました。この共同研究には産総研からは糖鎖医工学研究センターの成松研究センター長らが、上海交通大学からは上海系統生物医学研究センター(SCSB)の張延教授らが参加し、SCSBに設置した共同研究室において、肝疾患の新しいマーカーを開発することが合意されました。

 2011年4月9日に、上海交通大学の115周年記念式典と同時に、SCSBの新棟落成式、SCSB-AIST共同研究室の開所式とSCSB新棟落成記念シンポジウムが行われました。これらの式典・シンポジウムには、同大学に研究室をもつ白血病の研究者で、世界的にも有名な陳竺厚生大臣も参加されました。

 記念シンポジウムでは、湯元理事が産総研の概要を紹介し、成松研究センター長が産総研の糖鎖研究を紹介しました。SCSB側担当者の張教授は産総研での研究歴もあり、相互交流はすでに活発に行われています。中国では肝臓がんは大きな死因の一つであり、NEDO「糖鎖機能活用技術開発」で開発した肝線維化マーカーにより肝臓がんに至る前の線維化を早期に診断できることが期待されています。

 開所式に先立ち、蔡威上海交通大学副学長とも懇談し、相互の協力関係をさらにさまざまな分野に発展させていくことを確認しました。

上海交通大学SCSBの新棟落成式の写真   SCSB-AIST共同研究室の開所式の写真
上海交通大学SCSBの新棟落成式
 
SCSB-AIST共同研究室の開所式
(左から、陳大臣、成松研究センター長、張教授、湯元理事)

新研究ユニット紹介 2011年4月1日に発足した新研究ユニットを紹介します。

太陽光発電工学研究センター Research Center for Photovoltaic Technologies
研究センター長 近藤 道雄

太陽光発電工学研究センター写真
基準モジュール校正用ソーラシミュレータ

 太陽光発電工学研究センターは、エネルギーの安全保障と低炭素社会化、経済発展、国内雇用創出を同時に実現する太陽光発電の持続的発展を目的として、太陽光発電に関連する研究開発に体系的かつ包括的に取り組みます。そのために、(1)高効率、低コストで長寿命のデバイス・システムの技術開発と民間企業とのコンソーシアムを通した技術協力と技術移転、(2) 産業基盤となる一次基準セルの校正やデバイス・システムの中立評価、(3) 長期的視点からの革新的基礎技術の開発を三つの柱として推進します。同時に、これら技術成果の国際標準化や地域連携にも力を入れていきます。

フレキシブルエレクトロニクス研究センター Flexible Electronics Research Center
研究センター長 鎌田 俊英

フレキシブルエレクトロニクス研究センター写真
プラスチックフィルム上に印刷で作成したTFTアレイとそれを用いたフレキシブルディスプレイ

 ディスプレイやセンサーなどの情報通信端末機器の使用利便性の向上および省エネルギー化の促進を目指して、軽い、薄い、落としても壊れない、形状自由度が高いという特徴を備えたフレキシブルデバイスの開発に取り組んでいます。また、これらフレキシブルデバイスを省エネルギー・省資源・高生産性で製造する技術として、印刷法を駆使したデバイス製造技術(プリンタブルエレクトロニクス技術)の開発に取り組んでいます。これらの技術開発をとおして、社会の隅々にまで行きわたる情報通信端末機器の高度な普及と、グリーンイノベーションの推進を目指していきます。

ナノエレクトロニクス研究部門 Nanoelectronics Research Institute
研究部門長 金丸 正剛

ナノエレクトロニクス研究部門図
20 nm世代対応のFin形トランジスタ

 ナノエレクトロニクス研究部門は情報機器の高性能化、高機能化、低消費電力化をより一層進めるために必要となる新たな半導体技術(ナノエレクトロニクス)において、その競争力の源泉となるコア技術を開発して産業界に移転することにより、我が国の産業競争力強化や新産業の創出を目指します。その実現に向けて、これまで産総研において蓄積してきたナノスケールデバイスの構造、材料、作製プロセス、設計、システム化、解析評価技術に関する研究成果と研究開発リソースを結集し、統合的に研究開発を進めます。

電子光技術研究部門 Electronics and Photonics Research Institute
研究部門長 原市 聡

電子光技術研究部門図
光で溶ける有機材料を開発
紫外光や熱によって固体状態(左)と液体状態(右)の間を相転移する。

 安全・安心で持続可能な社会の実現に向けて、電子と光の特性を最大限に活かした情報処理・通信技術の高度化に加えて、新たな電子と光の可能性を追求していきます。具体的には、光インターコネクションや生体情報センシングなどの電子と光が融合する領域の新技術、量子情報処理や強相関電子系、超伝導、有機材料など新しい電子・光技術に関する理論や材料、素子の研究開発を進めていきます。またレーザー基盤研究に基づく新しい光加工プロセスや光・電子による新しい計測技術を実現するシステムまで、幅広い課題解決手段によるイノベーションを推進していきます。

安定した情報サービスを支える技術
情報技術研究部門 インフラウェア研究グループ 竹房(たけふさ) あつ子(つくばセンター)

竹房 あつ子の写真1
実験室でのひとこま

 情報技術研究部門はグリーンイノベーションやライフイノベーションへの貢献を目指し、ITを提供する技術と利用する技術の研究開発を行っています。その中で、インフラウェア研究グループでは"クラウド"に代表されるITを支えるインフラのためのさまざまなハードウエア、ソフトウエアの研究開発を行っており、高性能・高信頼・低消費電力のITインフラ実現に取り組んでいます。当グループに所属する竹房研究員は、離れた場所にあるデータセンターの計算機とそれらをつなぐ帯域が保証されたネットワークを組み合わせて、安定したサービスを提供する技術の研究を進めています。

竹房 あつ子の写真2竹房さんからひとこと

 ウェブ上のサービスシステムが遅い!といっても、ソフトウエア自体に問題がある場合だけでなく、手元の計算機とサービスを処理するサーバー計算機までの通信遅延が大きい、帯域が不十分である、サーバー計算機が混雑している、ソフトウエアが参照するデータへのアクセスに時間がかかるなど、さまざまな要因が考えられます。私たちは、個々のサービスが必要とする計算機の性能、ネットワークの遅延や帯域、データを格納するストレージへのアクセス性能を適切に選択して予約し、サービスインフラを提供する仕組みについて研究開発しています。これにより、安定したサービスが提供できるだけでなく、IT資源全体の有効活用やITによる省電力化にも貢献できると考えています。


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