EMI試験の現状
電子機器から放射される電磁波の干渉によるほかの電子機器の誤作動が社会的な問題となっています。電磁波の干渉を防止するには、電子機器から放射される電磁波の強度を商品化前に試験する必要があります。これをエミッション試験またはEMI(Electro Magnetic Interference)試験と呼びます。日本や欧州の規制では、2010年10月よりEMI試験の上限周波数が1 GHzから6 GHzに変更され、これまでの1 GHz以下の測定法とは異なる新たな測定法が必要になります。
EMI試験は、周囲反射をできるだけ低減するために電波暗室[1]で行います。しかし、反射波の完全な除去は難しく、反射波の混入がEMI測定結果に影響を与えます。したがって、電波暗室の反射性能を定量的に評価することは、正確なEMI測定に不可欠な技術です。また、周波数が高くなると、信号伝送に用いる同軸ケーブルの伝送損失が大きくなり、1 GHz以下の測定で用いていたケーブルでは暗室の性能評価が難しいという問題があります。
開発した性能評価法
これまでにCISPR[2]などで提案されているEMI暗室性能評価法は、反射波の発生箇所の特定まで考慮していませんでした。私たちは図に示すLN光変調器[3]を用いたマイクロ波光伝送装置を共同開発し、同軸ケーブルによる伝送損失を最小限に抑え18 GHzまでの電界分布測定ができるようになりました。また、電界分布自動測定装置で、ターンテーブル上の電界分布を測定し、平面波スペクトル分解[4]によって反射波の強度と到来方向が推定できます。これらにより1 GHz〜18 GHzの周波数帯にわたり、魚眼カメラで撮影した映像と比較することで反射点の探索が容易にでき、暗室性能改善への手がかりが得られました。
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| マイクロ波光伝送装置と電界分布自動測定装置による電波暗室性能評価の流れ |
今後の展開
今後はマイクロ波光伝送装置をより高周波化するとともに、円筒走査法を導入して測定時間の短縮に取り組む予定です。またこれらの手法を活かして実際のEMI試験測定の高精度化を目指します。

飴谷 充隆 あめや みちたか