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ボーリングデータ処理システムの公開

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国土基盤情報としてのボーリングデータの利活用を目指して

木村 克己の写真木村 克己 きむら かつみ
木村連絡先
地質情報研究部門
主幹研究員
(つくばセンター)

専門は構造地質学で、山岳地に分布する付加体の地質を調査・研究し地質図幅を作成してきました。最近は都市圏の地盤をなす平野の地下を対象として調査・研究を行っています。

ボーリングデータの現状

 ボーリングデータは建築・土木事業において不可欠な地盤情報であり、ボーリング調査により毎年大量のデータが生成されています。このデータは地震防災、都市計画、環境保全などに極めて有用な国土の基盤情報であるため、知的基盤情報として利用可能な状態で保存されるべきものです。国土の知的基盤情報として、ボーリングデータの保管・利活用を促進する上で必要な一連の機能が実装された無料のソフトウエアの提供が期待されているところです。

開発した処理システム

 現在のボーリングデータの電子ファイル形式は、国土交通省の「地質・土質調査成果電子納品要領(案)」にあるボーリング交換用データの形式が国内標準として広く利用されています。そこで、独立行政法人 防災科学技術研究所(防災科研)と産総研は、紙資料のボーリングデータをボーリング交換用データの形式で電子化し、それを利用するためのボーリングデータ処理システムを開発しました。

 防災科研は、ボーリング交換用データから各種様式のボーリング柱状図を表示する「ボーリング柱状図表示システム」、ボーリング交換用データの形式が正しいかどうかチェックする「ボーリングデータ品質確認システム」の開発を担当しました。 産総研は、ボーリング交換用データを作成する「ボーリング柱状図入力システム」、ボーリング柱状図の土質名の規格化とコード化を行う「ボーリング柱状図土質名変換システム」、ボーリング柱状図の断面図表示と地下地質・地盤構造モデルの解析を行う「ボーリング柱状図解析システム」の開発を担当しました。 また、ボーリング交換用データのバージョンを最新のバージョンに変換する「ボーリングデータバージョン変換システム」を、防災科研と産総研が共同で開発しました。

図
ボーリングデータの処理システムの構成

今後の展開

 今回のシステムの公開は、地方自治体などが保有しているボーリングデータの電子化・公開・流通を促進する原動力の一つとなり、これを利用した地質・地盤工学・地震動分野における研究や関係するビジネスの進展が期待できます。 そして相乗効果により、高密度で質の高いボーリングデータやそれらに基づいた高精度な地盤モデルが公開されることで、地震防災をはじめ都市地盤整備や環境保全対策に役立つものと期待しています。


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