Aランク活火山の火山地質図 |
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安全で安心な社会構築のための地質情報整備 |
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火山災害に対する備え2010年4月、アイスランドの火山噴火により、欧州の航空網がマヒ状態に追いやられましたが、同様のことは日本でも十分に起こりえます。日本には108の活火山(最近1万年間に噴火した、または噴気が活発な火山)があり、このうち特に活動が活発なAランクとされた火山が13あります。北海道には四つのAランク活火山があり、今回そのうちの二つの火山について火山地質図を刊行しました。火山噴火に対する防災計画や火山周辺の土地利用を計画するためには、過去の火山活動履歴をできるだけ正確に把握することによって、その火山が現在どのような状態にあり、将来どのような噴火活動をする可能性があるかを推測することが必要です。活火山におけるこのような地質調査結果をまとめたものが、産総研地質調査総合センターが作成している「火山地質図」シリーズです。火山地質図の活用が、安全で安心な社会の構築に役立つことが期待されます。 火山地質図通算で15番目に刊行された「樽前火山地質図」では北海道南西部にある樽前火山の地質と噴火活動史を明らかにしています。樽前火山は過去1万年間に大規模な噴火を繰り返しており、その噴火は軽石や火山灰を広範囲に放出する爆発的噴火が中心であることが特徴です(図1)。江戸時代の噴火では現在の千歳空港付近で1 m近い厚さの軽石や火山灰が降り積もりました。樽前火山の周辺地域は鉄道や港湾などが集中する交通の要衝であり、その防災対策は重要です。しかし最近100年間はマグマを放出するような噴火をしていないことから、今後の火山活動の推移が注目されます。 16番目の「十勝岳火山地質図」は北海道中央部にある十勝岳火山群の地質と噴火活動史を詳細に示したものです(図2)。十勝岳火山群は溶岩流や火砕流堆積物など多様な噴火堆積物から構成されています。これら岩石の年代測定を駆使して明らかにされた長期的な火山活動の変遷が表現されています。また寒冷地域の火山に特有の融雪泥流堆積物が多く見られることが特徴で、大正15年の噴火に伴う泥流は25 km離れた上富良野市街にまで達して150名近い犠牲者を出しました。 このように、火山地質図には火山の活動履歴や災害履歴に関する多くの情報が含まれています。それらは災害の可能性がある範囲を示すハザードマップの作成や、それに基づいたより適切な火山周辺の土地利用の推進に役立てられます。火山地質の調査は、大地に残された過去の噴火現象を読み解き、将来起こりうる災害への備えを生み出すのです。
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