1989年機械技術研究所入所。1990年から1992年まで財団法人 新世代コンピュータ技術開発機構へ研究出向。その後、数式処理技術の設計工学への応用に取り組み、2001年から現在のテーマに従事しています。MZ Platform普及活動のため、あちこちを飛び回っています。 |
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澤田 浩之(さわだ ひろゆき) |
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本格研究 理念から実践へ
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製造業のIT化推進を目指す本格研究
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設計製造支援システム開発実行ツール:MZ Platform |
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研究開発の背景製造業において、業務改革を推進し競争力の維持向上を図るためには、IT化への取り組みが不可欠であると広く認識されています。しかし、特に中小企業では、ITシステムの開発や導入、運用のための負担が非常に大きく、IT化を進められないというケースが多く見られます。このような問題を解決するために、中小製造業の技術者が高度なIT知識を必要とせずに、自らITシステムを構築・運用できるようなツールMZ Platformの研究開発を進めています。 MZ Platformは、コンポーネントと呼ばれるソフトウエアの部品を組み合わせてITシステムを作り上げるツールです。これまで、ITシステムを開発するためには、IT知識を身につけてプログラムを書くことが必要でした。MZ Platformでは、さまざまな機能を持ったコンポーネントがあらかじめ用意されていますので、プログラムを書くことなく、従来よりもはるかに容易にITシステムを開発できます。 技術的課題 MZ Platformの研究開発における主な技術的課題は以下の2つです。 (1)は「コンポーネントを組み合わせることで本当に実用システムを作れるのか?」ということであり、(2)は「さまざまなシステム開発を効率化できるようにコンポーネントを用意できるのか?」ということです。 私たちは、まず中小製造業数社の協力を得て、工程管理システムなどの実用システムを実際に開発してみるところから始めました。その手順は以下の通りです。
この作業により、コンポーネント方式による実用システムの開発が可能であることを例証しました。ここで作成されたコンポーネントには、それぞれのシステムでしか使うことのできないものも多く含まれています。 次に、開発したシステムの機能を分析し、それらを汎用的な標準機能の組み合わせとして再構成しました。この作業は、各システム固有の機能をサブ機能へと分解して基本となる標準機能を抽出すること、機能の実現方法を見直してより汎用性の高い方法で置き換えることにより行われました。 現在では約180種類のコンポーネントが標準で用意され、プログラム作成期間はこれまでの半分以下、実用システムで必要とされる機能の95 %以上が実現可能との検証結果が得られています。
成果普及活動MZ Platformで実用ITシステムを開発する機能は整いましたが、当初、開発したITシステムは企業で使われませんでした。あらためて企業への聞き取り調査を行ったところ、以下のことが分かりました。
ここで私たちは人材育成を含めた成果普及活動の重要性を認識し、以下の活動を開始しました。 (1)成果普及セミナーの開催(2004年〜) (2)コンソーシアム活動(2004年〜) (3)サポート体制の構築
現在の状況と将来現在、MZ Platformを導入しITシステムを構築している中小製造業は10数社で、普及が進みつつあります。大分県の企業は、MZ Platformを利用したIT化により、九州経済産業局IT経営力大賞特別賞を受賞しました。また、TLO契約を締結した長崎県のソフトベンダーは「MZ SUPPORT SYSTEM」というビジネスを開始しました。これは、従来の丸投げ・丸請けのシステム開発ではなく、発注側の製造業も開発に参加し、最終的に自社で維持・管理ができる状態にした上で納品するものです。一方、栃木県のものづくりIT化パイロット事業や大分県の中小企業IT化モデル事業など、地方自治体におけるMZ Platform利用の動きも広まりつつあります。 MZ Platformの活用により、ユーザーである製造業と開発者であるソフトベンダーとの距離を縮めることで中小企業のITスキルの向上を促し、企業の体質・競争力の強化に貢献していくことが将来の目標です。
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