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シリーズ:NIMTプロジェクト(第5回[最終回]) |
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タイ王国
国家計量標準機関(NIMT)の設立支援 |
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計量標準総合センター 国際計量室 |
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新年明けましておめでとうございます。 タイ国家計量標準機関(NIMT)プロジェクトの特集も最終回となりました。今回はプロジェクト実施に伴って変化してきているタイの国家計量標準の現状と展望について紹介します。 NIMTの計量標準の現状プロジェクトの成果を表1にまとめました。技術移転した計量標準は放射線標準を除く8分野で、詳細は2列目に示しています。また、NIMTが同等性の確保のために参加している国際比較と、標準機器の校正依頼先は3列目に示しています。 タイ王国の国家標準の整備状況は、表1の最後の列に示しています。●は技術移転前の整備状況を、また○は技術移転後の整備状況を示しています。たとえば、音響・振動標準分野では、外部校正に依存していた音響標準に一次標準を追加整備し、また振動、加速度標準は新たに一次標準を整備し、新しい標準供給体制を整えています。 表1に示されているように、ほとんどの標準量目は新たに整備され、各標準分野で一次標準を基に所内校正の整備が進められています。NIMTでは電気標準のトレーサビリティー体系は、NIMTが独自に整備したジョセフソン直流電圧標準と、プロジェクトで整備した量子ホール抵抗標準により構築することを計画しています。しかし、質量関連量はキログラム原器と標準分銅の間の整備が不十分であり、認定取得までには時間を要すると思われます。 認定審査の状況は、量目毎に矢印で示しています。音響振動分野の標準は、3標準量目とも太い矢印で示されておりIAJapan(製品評価技術基盤機構認定センター)の認定審査が終了し、認定証の公布を受けていることを示しています。これまでに、14の標準量目の認定証交付を受けており、太い点線の矢印で示されている6標準量目は昨年10月に認定審査を終了し、評定委員会の結果を待っています。細い点線の矢印で示されている7標準量目は本年2月に認定審査が予定されています。そして、本年8月頃に最後の認定審査を計画しており合計36の標準量目の認定審査を行う予定です。 以上のように、NIMTの標準は、プロジェクトで整備計画したものと、NIMTが独自に整備した標準量目と合わせ、全ての標準分野を整備したことになります。
プロジェクト成果の普及と研修
また、プロジェクトでは経済産業省の協賛で、アセアン地域の国家計量標準機関(NMI)にも成果を紹介する機会を設け、6回のアセアン・セミナー・ワークショップ(1週間)を実施しました。講師は、日本の専門家、NIMT職員、セミナーへの招待者が担当しました。招待者は95名に達しており、総参加者は1,510名になっています。 アセアン・セミナーへの参加者から、より詳しい研修の要請が高まってきたためプロジェクトは、JICAと協議し第三国研修(1週間)を開始しました。研修は、日本の専門家とNIMTの職員が講師となり、延べ81名のNMIの職員を対象に3回実施しています。 さらに、アジア地域の民間企業の計量標準の専門家を対象の研修(海外技術者研修協会主催)をNIMTにて3回実施し、82名の参加者になっています。 これらのセミナーや研修には17カ国から合計258名の専門家を招待しています(表2)。セミナーと研修を通じて、NIMTの職員の計量標準への取り組み方が充実するとともに、アジアの計量標準関連の専門家のネットワークが構築され始めています。 展望NIMTは、日本政府の協力により42の技術を習得し、国際的に承認されるNMIとして活動を開始するとともに、アジア地域に計量標準のネットワークを構築しています。そして、タイ政府の周辺国支援政策を背景に、プロジェクトの成果を基盤とした周辺国支援の新しいプロジェクトをJICAに提案し、計量標準の供給を柱とした支援に結びつける努力をしています。 まとめ
これまで実施してきたセミナーや研修を通じて広くアジア地域に新しい計量標準のコミュニティーができつつあります。タイ王国にスポット移転した日本の計量標準が、アジア地域で活用されることも夢ではないように感じています。 顧みますと、山あり谷ありの道のりをNIMT実現に向けて約10年間歩んできました。ようやく実現の見通しが得られホッとしているところです。NIMT実現には多くの関係者のご協力、ご支援がありました。誌面をお借りして関係各位に御礼申し上げます。 |