■ 医薬製剤原料生産のための密閉型組換え植物工場の開発
遺伝子組換え植物(GMO)を利用した「完全密閉型植物工場システム」を開発し、医薬製剤原料等の実証生産を行います。
生産システムの安全性と経済性を実証することにより、植物機能を活用した新たなものづくり産業の創出につなげていきます。
遺伝子組換え技術を使った医薬製剤原料生産の実用化へ
インターフェロンなどの蛋白質の医薬製剤原料は、これまで微生物や動物細胞を用いて生産されてきましたが、植物の遺伝子組換え技術を応用することによって多大なメリットが期待できます。例えば「安全性が高い」「培養タンクを必要としない」「保存・輸送が簡便」などがあげられ、結果として「コストが著しく低くなる」ことになります。
この技術を本格的な産業に発展させるため(特に医療用原材料の生産)には、外界と隔離したクリーンな環境で、経済性のある方法で組換え植物を育成する技術を開発しなければなりません。
このプロジェクトでは、組換え遺伝子拡散防止措置および医薬生産用GMP基準に対応した「完全密閉型植物工場システム」を開発し、産総研北海道センターに設置します。そこで組換え植物の人工育成技術を開発して実証生産を行います。産総研には、これまでインターフェロン発現イチゴや抗体発現タバコなどの組換え植物開発の実績があります。このプロジェクトは、これらのシーズを、「組換え植物を利用した医薬製剤原料生産」などの「ものづくり産業の創成」につなげるものです。
プロジェクトがもたらす効果予測
このプロジェクトの産業化へのシナリオのポイントは、完全に外界と隔離した人工環境下で種々の組換え植物体を通年・安定的に育成し、実用化モデルとして実証することです。
これによって、我が国で組換え植物を利用した「ものづくり産業」が加速的に形成され、その市場規模は国内で300億円におよぶ(2010年)との見通しを持っています。
2年間のプロジェクトとして開始されるこの計画は、日本製紙株式会社および社団法人北里研究所等と共同研究を予定してます。
研究棟の中に設置された密閉型植物工場で、「完全密閉型植物工場システム」と「遺伝子組み換え技術を使った医薬製剤原料生産」を実証する。 |
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■ 知識循環型サービス主導アーキテクチャ(AIST SOA)の開発
ネットワーク上に存在する無数の知識モジュールを利用者の多様なニーズに応じて統合して最適な知識サービスを提供するための、情報インフラ技術を開発します。
低コスト化によって普及を図ることで、知識の市場化を促進し、新しい知識サービス産業の創成を誘起します。
世界に先駆けて「知識の市場化」を具現化する
このプロジェクトはネットワーク上に存在する無数の知識モジュールを利用者の多様なニーズに応じて統合して最適な知識サービスを提供することを可能とする情報インフラ技術を開発するものです。具体的には、「グリッド技術の拡張に基づくミドルウェア」と、「意味レベルでWebサービスを記述し運用するミドルウェア」の開発を行うことになります。開発にあたっては国際標準に準拠しつつ、必要な機能を厳選することで軽快な動作を保証しながら、導入と運用の低価格化を実現します。
この技術の開発によって、新規参入の容易な「新しい知識サービス産業」の創成を目指しています。知識サービス産業の具体例としては、「一括事務手続きサービス」や「金融動向分析サービス」などが想定されます。また、サービスを稼働させる情報インフラの提供事業への参入障壁が低くなることが期待されます。
天然資源の乏しい我が国は、世界に先んじて「知識の市場化」を目指した技術の根幹を握り、世界をリードしていく必要があると考えています。産総研には、これまでに築いた「グリッド技術」と「セマンティックコンピューティング技術」での優位性があります。これらの技術を新しい知識サービス産業の創出につなげるのがこのプロジェクトです。成功すれば日本が世界の知識循環のハブになることが期待されます。
プロジェクトがもたらす効果予測
このプロジェクトの産業化へのシナリオでは、オープンソース化によって低コスト化と標準化を図ることがポイントとなります。これによって新規参入の障壁が小さくなり、新しい知識産業の創成が加速されます。その市場規模は国内で1500億円におよぶ(2010年)と見通しています。
今年度より3年間のプロジェクトとして開始され、中小データセンター企業や自治体と共同して、知識サービスの有効性を実証していきます。産総研秋葉原サイトを活用して研究開発を行っていきます。
最新の知識モジュールを最大限に活用した、情報インフラ技術を開発する。 |
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