独立行政法人産業技術総合研究所
現在位置広報活動 > 出版物 > 産総研 TODAY Vol.3(2003) 一覧 > VOL.3No.08
AIST TODAY
研究、成果、そして未来へのシナリオ
社会に活力をもたらす本格研究を
特集
産総研のナノテクノロジー
電子ブックで読む PDFで読む [ PDF:7.3MB ] ※PDFファイルをご覧頂くためには、Acrobat Readerが必要です。
 Acrobat Readerをお持ちでない方はダウンロードしてご覧下さい。
Get Acrobat Reader
表紙 [ PDF:492.7KB ]
目次 [ PDF:289.7KB ]
メッセージ [ PDF:104.1KB ]
  ナノテクノロジーへの取組み
特集 [ PDF:776.4KB PDF:1.0MB ]
[ PDF:968.6KB PDF:1.2MB ]
[ PDF:591.8KB PDF:199.4KB ]
  産総研のナノテクノロジー
トピックス [ PDF:247.7KB ]
  世界最高温度(27℃)で強磁性を示す半導体新材料(Zn,Cr)Teの開発に成功
リサーチ ホットライン  
  地球温暖化新評価指標提案 フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センター
  森林の二酸化炭素吸収量を連続計測 環境管理研究部門
  木材からの直接水素生産技術の開発 循環バイオマス研究ラボ
  高性能ガス吸蔵体の創製 海洋資源環境研究部門
  新VOCセンサ材料の開発 シナジーマテリアル研究センター
  EUPS・マイクロビーム光電子分光装置の開発 次世代半導体研究センター
  新世代型密封セルによる平衡水素三重点の実現 計測標準研究部門
  プリオンタンパク質の分子シミュレーション 生命情報科学研究センター
  生理活性脂質に対する拮抗阻害物質を発見 物質プロセス研究部門
  活断層から発生する地震規模の予測 活断層研究センター
産学官連携 [ PDF:265.3KB ]
  産学官連携のスターティングポイントを目指して
技術移転いたします!  
  高分子−金属クラスター複合体の製造方法 ナノテクノロジー研究部門
  安全な血管塞栓剤 糖鎖工学研究センター
ベンチャー [ PDF:230.9KB ]
  (株)iGENE
テクノ・インフラ [ PDF:373.4KB ]
   平面度と真直度の標準化
固体物性標準の開発
地球化学標準試料
AIST Network [ PDF:731.8KB ]
  役員人事
第2回産学官連携推進会議
先端SoC共同研究センター竣工記念式典

基礎素材研究部門 国際シンポジウム2003開催
米国バイオ産業展示会 「BIO2003 ANNUAL CONVENTION」
第1回AIST・「産学官」交流フォーラム
石原舜三特別顧問ロシア科学アカデミー会員に選出
カレンダー [ PDF:101.5KB ]
  2003年8月→2003年12月
AIST Today 冊子の送付を希望される方は下記までご連絡下さい(無料)
成果普及部門広報出版部出版室 TEL 029-861-4127〜4128

AIST リサーチホットライン
  地球温暖化新評価指標提案 [ PDF:509.1KB ] 関屋章の写真
持続可能社会の構築を目指して 関屋 章(せきや あきら)
関屋 連絡先
フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センター

 地球の温暖化問題を解決するためには、平成6年に公布された「気候変動に関する国際連合枠組み条約」第二条に明記されているように、大気中に含まれる温暖化ガスを安全な濃度で安定化させることが特に重要である。この目的の達成のためには温暖化の原因とされる化合物が大気中に放出されたときに、その化合物が大気中から除去されるまでを考慮する必要がある。しかし、現在フロン等の代替物の温暖化評価は100年間を基準にしているため、100年以上大気に存在する大気寿命の長い化合物に関する十分な評価がなされていない。大気寿命の長い化合物には温暖化の主要な原因である二酸化炭素が含まれるために、100年間のみの評価では代替物の選択に大きな誤差が生じる。この様な状況から現在の温暖化評価に持続可能性を導入した新評価手法が必要と考えた。
 新規な評価指標開発に取り組み、温暖化ガスの大気濃度を安定化させる概念としてS-GWPを考えた。この概念は 大気中への放出量と大気中での分解量を釣り合わすことで大気濃度を一定に保つ考え方であり、長期間の評価を必要とする。この概念に基づき、二酸化炭素を評価期間にかかわらず常に“1”とする現行の温暖化係数(GWP : Global Warming Potential)の代わりに、二酸化炭素の100年間の温暖化効果を常に“1”と基準にして100年間以降外も評価する新しい指標である積算温暖化効果(IWE : Integrated Warming Effects)を算出し提案した。表にIWE値の一部を示す。IWEにより、これまでできなかった異なる積算期間での温暖化効果比較、異なる特定期間の温暖化効果比較、無限大の評価期間の評価が可能となった。IWEは100年間以降の温暖化も化合物が無くなるまで評価できるのである。この評価手法は持続可能社会の構築に最適な評価法といえる。
 IWEを用い大気中に放出した温暖化物の効果と使用機器のエネルギー使用量を合わせて評価する手法を積算総量温暖化効果(ITWE:Integrated Total Warming Effects)と名づけて評価を行った。その結果を図に示す。図は持続可能社会の構築には、代替化合物の温暖化係数よりも性能や効率が重要であることを示唆し、従来のGWP(100年値)を用いた評価順位と逆転する場合が非常に多いことが明らかとなった。つまり、エネルギー効率、二酸化炭素の100年以降の温暖化等を考慮することで、GWPの大きい含フッ素化合物が炭化水素などのGWPの小さい化合物よりも地球環境に優れるケースが多いことが明らかになった。間接的な温暖化効果を適切に評価することで、後世により良い地球環境を残せるように、この評価手法が役立つことを望む。


表
※GWP(100年)は、IWE100年にほぼ等しい。

図
表 代表的なIWE計算例
20年から無限大の期間でIWEを計算した。無限大値は二酸化炭素を60と仮定して計算した。
図 カーエアコンでのITWE評価(北米)
左の各冷媒を用いた場合を100年から1,000年まで計算。100年と1,000年では各冷媒の温暖化効果の順位が異なる。「Ref.75966 A.D.Little社, Cambridge. MA, P.E-9, 2002」より計算を行った。


関連情報

  • 1) 関屋 章, 未来材料, 1 (6), 30 (2001).
  • 2) A.Sekiya: Earth Tech. Forum, Proceeding, Washington DC, (2003).

トップへ


AIST リサーチホットライン
  森林の二酸化炭素吸収量を連続計測 [ PDF:500.8KB ] 三枝信子の写真
温室効果ガスフラックスの観測ネットワーク 三枝 信子(さいぐさ のぶこ)
三枝 連絡先
環境管理研究部門

 地球上の陸地の約3分の1は森林に覆われている。森林は地球大気の二酸化炭素をどれだけ吸収しており、その吸収能力は将来どのように変化する可能性があるのだろうか。この質問に答えるには、次のような三つのことを知る必要がある。第一に現在の森林はどれだけの炭素を蓄えているか(炭素プール)、第二に森林と大気は単位時間あたりどれだけの炭素交換を行っているか(炭素フラックス)、第三に森林の炭素プールとフラックスを変化させる重要な過程(プロセス)は何か、である。
 当研究部門大気環境評価研究グループは、特に東アジアの森林を対象として、森林直上の二酸化炭素フラックスを無人計測する技術を開発すると同時に、得られた実測データを用いて森林の炭素循環プロセスを解明するための研究を進めている。測定には空気中の乱流による拡散理論に基づく「渦相関法」と呼ばれる方法を用い、気象観測用のタワーを用いて樹木の上で三次元の風速と二酸化炭素濃度を高速で測る。そして上下方向に空気が混合する間に二酸化炭素濃度が激しく変動する様子を計測し、風速と濃度変動の相関関係から二酸化炭素フラックスを算出する。計測装置(写真)の開発では、日射や風雪を受けて気温が−30℃から+30℃以上に大きく変動する野外環境下で、安定した動作と精度の高い乱流計測を可能にする小型装置を実現した。取られたデータからより正確に炭素収支を算出する解析手法については更に研究が進められている。
 現在、当研究グループでは、岐阜県高山、北海道、中国東北部、タイ、インドネシア、カナダなどのさまざまな森林で渦相関法による長期連続計測を行っている。取得した実測データは、森林炭素収支のモデル化や、気候変動に伴う炭素収支の変化予測などの研究に用いられると同時に、産総研の先端情報計算センターから一般にも公開されている(図)。これまでの研究により、日本の温帯落葉広葉樹林では1ヘクタールあたり年間およそ1〜3トンの炭素が吸収されること、そしてその吸収量は日射量や気温といった気象条件の違いに応じて年々大きく変動することなどが明らかになってきた。
 近年、陸上生態系での温室効果ガスフラックスに関する世界的な観測ネットワーク(FLUXNET)がつくられ、アジアにおけるネットワーク(AsiaFlux)の構築も進められている。2002年度には、森林総合研究所、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターほか国内外の研究グループと協力して、測定手法の相互比較を行うと同時に、日本、中国東北部、シベリアに広がるカラマツ林で炭素収支を同時観測する研究が始まった。私達は国内外の研究グループと連携し、東アジアの森林が地球の炭素循環に果たす役割を総合的に解明することをめざしている。


二酸化炭素フラックス計測装置の一部の写真
図
写真 二酸化炭素フラックス計測装置の一部
図 陸域生態系における温室効果ガスフラックスのデータベース


関連情報

  • 共同研究者 : 山本 晋, 近藤裕昭, 蒲生 稔, 村山昌平, 王 輝民, 岩下広和(環境管理研究部門).
  • N. Saigusa, S. Yamamoto, S. Murayama, H. Kondo, and N. Nishimura: Agricultural and Forest Meteorology, Vol. 112, 203-215 (2002).
  • 陸域生態系における温室効果ガスフラックスのデータベース http://riodb.ibase.aist.go.jp/PXECO/index.html
    ●本研究は、環境省地球環境研究総合推進費「21世紀のアジアにおける科学的陸域炭素管理に向けた統合的炭素収支研究」により実施 している。

トップへ


AIST リサーチホットライン
  木材からの直接水素生産技術の開発 [ PDF:501.3KB ] 美濃輪智朗の写真
二酸化炭素吸収ガス化による水素の直接生産により理論値に近い収率を達成 美濃輪 智朗(みのわ ともあき)

循環バイオマス研究ラボ

 バイオマスは再生可能な資源であり、また再生時に大気中の二酸化炭素を吸収することからカーボンニュートラルである。最近の地球温暖化の懸念から、また化石資源枯渇の観点から、化石資源代替として有望である。本研究は、将来の水素社会を目指し、バイオマス、木材から直接水素を生産する技術を開発するものである。
 「二酸化炭素吸収ガス化」とは、炭素資源(石炭、石油やバイオマスなど)を水蒸気を用いてガス化する反応場に、二酸化炭素吸収剤(カルシウム)を添加し、発生する二酸化炭素を吸収剤に吸収させることで、水素を主成分とするクリーンガスを直接生産する手法である。理論式は、
  C+2H2O+CaO → 2H2+CaCO3 
である。この原理は財団法人石炭利用総合センターと産総研の共同研究で見い出した日本独自の技術で特許取得も進んでいる。
 これまでに、日量10kgの木材を処理するベンチ試験装置の設計を終えて建設中であり、平成15年度夏から稼動する予定である(図1)。基礎試験の結果からは、他の炭化水素資源(石炭、重質油等)と反応性が大きく異なると共に、理論水素量に近いクリーンガス(水素とメタン)が得られることが分かった(図2)。図中の二酸化炭素は吸収剤に吸収された二酸化炭素の量であり、生成ガス中には二酸化炭素は検出されない。
 吸収剤の再生(CaCO3→CaO+CO2)プロセスに必要なエネルギーも含めて、1tonの木材から、約1,000立方メートルのクリーンガスが得られると試算され、また、楽観的な経済性試算では、天然ガスから生産する水素よりも高くはなるが、電気分解により生産する水素よりも安くなり、競合できる価格である。今後、ベンチ試験装置の運転を通して、技術的、経済的目処を得る予定である。吸収剤再生プロセスから出てくるCO2は元々バイオマスが光合成により固定化したCO2であり、放出しても大気中のCO2を増やすことは無く、化石資源代替分のCO2削減に寄与することになる。さらに、高濃度のCO2が得られることから、これを固定化すれば一層のCO2削減に寄与することもできる。
 当研究ラボでは、経済産業省の補助金により、財団法人石炭利用総合センター、中国電力株式会社、広島大学と共同で、バイオマスに特化した二酸化炭素吸収ガス化の開発を開始した。国際的に重要な課題であることから、米国再生可能エネルギー研究所、ハワイ大学、スペイン・サラゴーサ大学との国際的な協調により進めている。


図1

図1 ベンチ試験装置の概要
加圧容器内部に反応器を設置するシェル方式を採用。平成15年度夏に稼動予定。

図2
図2 バッチ試験結果の一例
理論量に近いクリーンガス(水素とメタン)が得られた。図中のCO2は吸収剤への吸収量。 


関連情報

  • 林 石英、鈴木善三、幡野博之、原田道昭 : 化学工学論文集 25 (3), 498-500 (1999).
  • CCT Journal 第4号 (2002.11).
  • 日刊工業新聞 平成15年4月17日.
  • 美濃輪智朗ら、花岡寿明ら、第12回日本エネルギー学会大会、2003年7月30日(発表予定).

トップへ


AIST リサーチホットライン
  高性能ガス吸蔵体の創製 [ PDF:509.0KB ] 王正明の写真
新規ナノポーラス炭素・金属酸化物複合体の合成に成功 王 正明(おう せいめい)
王 連絡先
海洋資源環境研究部門

 我々は、メタンの貯蔵・輸送に有効な高性能メタン吸蔵体の開発研究を進めている。壁の極めて薄いナノ構造体は空間的にガス吸着・貯蔵に有利であるにもかかわらず、その合成技術に関して系統的に研究された例は殆どない。本研究では、グラファイトを前駆体として用い、壁の極めて薄い吸蔵体、或いは一枚の壁だけを持つような究極的な吸蔵体の開発を目指している。今回、グラファイトを酸化して得たグラファイト酸化物にソフト化学的なナノプロセシング技術を適用し、高表面積の炭素/シリカ複合体の合成に成功した。この複合体は構造中に薄いカーボン壁と小さいシリカ粒子が混在し、カーボン壁の疎水的な性質と活性なインタカレート種(金属酸化物)の特性を同時に生かせるため、新規吸蔵体や触媒としての応用が期待される。
 複合体は、以下に示すコロイド・界面化学/ソフト化学的な手法と炭素化プロセス等を複合した手順で合成した。(1)グラファイト酸化物を弱アルカリ性溶液中に分散して単層に剥離したグラファイト酸化物ナノシートの安定系コロイド溶液を作成した。(2)次に、長鎖界面活性剤を加え、界面活性剤のインタカレーションにより層間を予備拡張したグラファイト酸化物を固相状態で得た。(3)予備拡張した層間にテトラエトキシシランを導入し、加水分解させ、架橋剤のネットワーク構造を作った。(4)さらに、不活性雰囲気下で加熱処理し炭素の層構造を保持しながら成孔化させた。
 図1の高分解能透過型電子顕微鏡像で見られるように、550℃で炭化処理して得た多孔性複合体には一枚あるいは数枚の層の間に小さな粒子が形成され、ネットワーク構造の形成が確認される。ラマン分光法、X線光電子分光法及び固体核磁気共鳴法により、これらの層及び粒子が、それぞれ乱れ構造を持つ微小グラフェン構造体およびシリカ(SiO2)粒子であることを確かめた。図2に示した77 Kにおける窒素吸着等温線を解析して得た複合多孔体の比表面積は、1100 m2/gであった。また、図2に示すようにメソポアを持つ一方で、平均ポアサイズが1.1 nmであり、よりブロードな細孔径分布のミクロポアも同時に含有した。この多孔性複合体のメタン吸着量はゼオライト類と同程度であった。現在、調製条件を詳細に検討し、メタン吸蔵性能のさらなる向上を図っている。
 今回開発した複合多孔体の水に対する親和性は親水的なシリカゲルと疎水的な活性炭の中間にあり、メタン吸蔵体としての利用だけでなく、特殊吸着剤や触媒としての利用も期待される。

図1 図2
図1 ナノポーラス炭素・シリカ複合体のTEM像
図2 ナノポーラス炭素・シリカ複合体の77Kにおける
窒素吸着等温線及びポアサイズ分布


関連情報

  • Z. M. Wang, K. Hoshinoo, M. Xue, H. Kanoh, and K. Ooi: Chem. Commun., 1696-1697 (2002).
  • Z. M. Wang, K. Hoshinoo, K. Shishibori, H. Kanoh, and K. Ooi: Chem. Mater., Vol. 15 (in press).
  • http://www.nanostructure.jst.go.jp/
    ● 本研究は科学技術振興事業団さきがけ研究21との共同研究で得られた成果の一部である。

トップへ


AIST リサーチホットライン
  新VOCセンサ材料の開発 [ PDF:462.9KB ] 松原一郎の写真
ラティスコンポジットによる材料創製 松原 一郎(まつばら いちろう)

シナジーマテリアル研究センター

 近年住宅の高気密化に伴い、建材、家具、塗料、接着剤などから放出されるVOC(揮発性有機化合物)によるシックハウス症候群が問題となっており、室内におけるVOCモニタリングに対するニーズが高まっている。しかしながら、従来のVOC検出器では、ガス選択性に乏しい、検出時間が長い、大型である、あるいは高価であるなどの問題点を抱えており、現場での簡便な各種VOC測定を可能とするリアルタイムモニタリング小型センサデバイスの開発が望まれている。
 我々はこのようなニーズに応えるため、ラティスコンポジットのコンセプトに基づき新しいセンサ材料を開発した。ラティスコンポジットとは、物質の結晶格子を機能発現のための最小単位として考え、異なる機能を持つ物質を結晶格子レベルで複合化し機能調和させることにより、元の物質に比べはるかに高い機能あるいは新規な機能を示す材料の創製を目的とする技術である。複数種の結晶格子の複合化は、複数種の機能をナノレベルで複合化することに対応する。VOCセンサ材料の開発では、ラティスコンポジットの概念を無機化合物のみならず有機化合物にも拡張し、センサ材料に必要な分子認識機能と信号変換機能をそれぞれ有機化合物と無機化合物に分担させることで高い選択性が実現出来るのではないかと考えた(図1)。今回このコンセプトに基づいて、無機層状化合物である酸化モリブデン(MoO3)の結晶層間にポリピロール(PPy)がインターカレートした有機無機ハイブリッド材料((PPy)XMoO3)を作製した(図2)。
 この化合物の室温における1000ppm濃度の各種VOCガスに対するセンサ感度(Rg/Ra: Raは空気中での抵抗値、Rgはガス雰囲気中での抵抗値)を評価した(図2)。代表的なVOCであるホルムアルデヒドとトルエンに注目すると、ホルムアルデヒドに対しては明確な応答を示すのに対して、トルエンには応答しない。VOCに対するセンサ応答は可逆的であり、VOCガスが存在しない雰囲気に戻すと電気抵抗値は初期値に戻るため、リアルタイムモニタリングのためのセンサデバイスへの応用が期待できる。さらに特徴的な点は、有機化合物と無機化合物の組み合わせの多様性であり、この組み合わせを変化させることで、特定VOCガス種のみに応答するセンサ材料が創成できる可能性がある。
 今後は有機化合物と無機化合物の組み合わせを種々変化させ、高感度化を含めさらなる高性能化を図るとともに、耐久性についても様々な評価を実施していく予定である。


図1

図2

図1(上)
ラティスコンポジットのコンセプトに基づく有機無機ハイブリッドセンサ



図2(左)
(PPy)XMoO3の結晶構造の模式図と各種VOCガスに対するセンサ感度


関連情報

  • 共著者:細野幸太、村山宣光、申ウソク、伊豆典哉
  • 「新しいVOCセンサ材料を開発」 (プレスリリース) 2003.5.7 発表.
  • 松原一郎, 舟橋良次, マテリアルインテグレーション, Vol. 13, 67-71 (2000).

トップへ


AIST リサーチホットライン
  EUPS・マイクロビーム光電子分光装置の開発 [ PDF:544.9KB ] 富江敏尚の写真
サブミクロンビームの照射で光電子分光スペクトルを取得 富江 敏尚(とみえ としひさ)
富江 連絡先
次世代半導体研究センター

 材料・デバイスの開発には、機能や性質を発現する電子状態の分析が重要であり、その最良の分析手法である光電子分光法(PS:Photoelectron Spectroscopy)の重要性が高まっている。ところが、X線を光源とするXPS装置は10 - 30µmの空間分解能しかなく、ナノテクノロジーの発展のために、PSのサブµm分解能化が望まれる。
 光子エネルギーと放出される電子のエネルギーの差から、電子の物質中での束縛エネルギーが求まるが、精度の高いPSスペクトルを得るには、光源と電子の両方に、高精度の分光が必要である。二つの分光が必要な「暗い」分析法なので、明るい光源が必要であり、サブµm分解能の実現には、「明るさ」を数桁以上大きくする必要がある。
 産総研では、パルスレーザ生成プラズマを光源にするPSを考案した1)。極端紫外(EUV)光を光源とするPSであるので「EUPS」と名付けた。EUPSでは、プラズマから線スペクトルを発生させて分光器を使わないで単色化し、飛行時間法で電子分光するが、この二つの工夫により、サブµm照射に対応する「明るさ」が確保できる。図1に示すように2)、線スペクトルによるSiウエハーの広い領域の照射で、Siの化学シフトが識別できるが、他のスペクトルで、0.5 eVのエネルギー分解能が実証できている。
 多層膜を成膜した凸面鏡と凹面鏡を組み合わせたシュバルツシルト集光光学系(SO)を用いて、EUV光をマイクロビーム化して照射すれば、微小領域の分析ができる。現在開発中のシステムでは、パルス幅 3nsで繰り返し100Hzのレーザをテープターゲットに照射してプラズマを発生させ、その像を、2m先に置いたSOで試料上に結像照射して、光電子を発生させる。縮小率1/50のSOで直径 1µm弱のマイクロビームが得られている。試料から放出される電子を磁気ボトルの磁力線に巻き付けて高効率で捕集し、70cmの距離を飛行させた後にMCP検出器で検出し、光電子の電流波形を記録する。マイクロビーム照射の32ショットの積算で、図2に示すPSスペクトルが得られている3)
 連続スペクトルを発生するTaプラズマを光源とし、波長16nm用多層膜の反射スペクトルで2eV程度にしか単色化していないため、図2のスペクトルのエネルギー分解能は2 - 3eVである。次は、線スペクトルをマイクロビーム化する技術を開発し、マイクロビームと高エネルギー分解能を同時に実現する予定である。
 さらに、Siなどの元素が見えるようにマイクロビームの波長を12nm以下に短波長化し、また大口径試料に対応できる電子捕集技術を新たに考案し、種々の試料が観測できるようシステムの高度化を図る計画である。100µm分解能および10µm分解能の装置であれば、必要な技術は既にほぼ完成しているので、1〜2年内の製品化を目指している。


図1 図2
図1 ストライプ状のSiNあるいはSiO2があるSiウエハーの数mmの領域を、4.8nmの単色光で照射して得られたEUPSスペクトル2)
他のスペクトルで、0.5eVのエネルギー分解能が確認されている。
図2 マイクロビーム照射で得られたEUPSスペクトル3)
僅か32ショットの積算。試料はAu。Taプラズマからの連続スペクトルを波長16nm用の多層膜で反射させただけなので、励起光のスペクトル幅は2eV程度である。


関連情報

  • 共同研究者 : 錦織健太郎(次世代半導体研究センター)
  • 1) 特許第2764505号 「電子分光方法とこれを用いた電子分光装置」(富江敏尚).
  • 2) H. Kondo, T. Tomie, H. Shimizu; Appl. Phys. Lett.72 (1998) 2668.
  • 3) 錦織健太郎他 第63回応用物理学会学術講演会(2002.9.24) 24p-T-14.
    ● 本研究は文部科学省科学技術振興調整費により実施した。また一部は、NEDOから委託されて実施した。

トップへ


AIST リサーチホットライン
  新世代型密封セルによる平衡水素三重点の実現 [ PDF:554.5KB ] 中野享の写真
低温度標準の問題点とその解明に向けて 中野 享(なかの とおる)
中野 連絡先
計測標準研究部門

 温度計は、生活、産業、研究と様々な場面で広く利用されている計測器である。私たちが利用している温度計の目盛は、国際的に合意された1990年国際温度目盛(ITS-90)に基づき設定されている。このITS-90の低温度領域(図1)は、主に純物質の三重点からなる定義定点と、それらの定点間を補間する白金抵抗温度計や気体温度計により実現される。これらの定義定点は、試料物質が完全に密封された金属製セル(密封セル)を用いることで実現出来るが、密封セルの製作過程で不純物が混入すると三重点温度は大きく影響を受けてしまう。そこで産総研では、試料ガスの汚染を抑制し、かつ、密封操作を容易化した新世代型の密封セル(図2)を開発し、これまでにこのセルを用いてITS-90の定義定点である平衡水素三重点、および、アルゴン三重点の精密測定に成功している。
 ところで、平衡水素三重点には二つの問題点があることが近年明らかになってきた。一つは、核スピン状態が異なる水素分子の異性体(オルト水素、パラ水素)の間の熱平衡状態を得るために用いる触媒によりその三重点近傍の比熱に異常が現れ、三重点温度の精密測定を阻害していることである。もう一つは、試料水素の同位体組成の違いにより三重点の実現温度に0.7mK以上の差が出ることである。
 前者の比熱異常は、産総研(旧計量研)において他国の標準研究所に先駈けて寒剤を使用しないGM冷凍機を用いた装置により長時間精密測定を可能にしたことにより明らかなった。更に最近、上記新世代型密封セルとGM冷凍機を用いた装置により比熱の精密測定を行ったところ、比熱異常は、一部の固体水素のサイズが多孔質状の触媒の微小な孔に閉じこめられることにより制限されてしまうために、その融解温度が低下することに起因することを強く示唆する結果を得た。そして、触媒の量が多いときにはその異常のために数mKにわたって広がっていた融解曲線の幅が、触媒の減量により0.1mK以内になることを示し、平衡水素三重点の温度値の精密測定(0.1mK以内の不確かさ)には触媒の減量が有効であることを明らかにした(図3)。
 一方、平衡水素三重点の実現温度値の国際的な整合性をとるためには、二つ目の問題点である三重点温度の同位体組成依存性を明確にすることが必要である。現在そのために国際比較が進行中であり、産総研も新世代型密封セルによりその国際比較に参加している。


図1
 図2

図3

図1(左上)1990年国際温度目盛(ITS-90)の低温度領域の模式図

図2(右上)新世代型密封セル(断面図)

図3(左下)比熱の測定から求められた三重点での平衡水素の融解曲線
触媒として酸化水酸化鉄FeO(OH)を使用。


関連情報

  • 共同研究者 : 田村 收, 櫻井弘久 (計測標準研究部門).
  • H. Sakurai: T. SICE 34, 1153-1158 (1998).
  • T. Nakano, O. Tamura, H. Sakurai: T. SICE 38, 947-951 (2002).
  • T. Nakano, O. Tamura, H. Sakurai: in Temperature, its Measurement and Control in Science and Industry,   Vol. 7 (2003) in press.
  • 中野 享, 田村 收, 櫻井弘久: 2002年秋季第63回応用物理学会学術講演会.
  • T. Nakano, W. Tew, O. Tamura, H. Sakurai: 15th Symposium on Thermophysical Properties, Boulder, June   22-27 (2003).
  • B. Fellmuth et al., in: Temperature, its Measurement and Control in Science and Industry, Vol. 7, (2003) in press.

トップへ


AIST リサーチホットライン
  プリオンタンパク質の分子シミュレーション [ PDF:512.9KB ] 関嶋政和の写真
分子動力学計算による構造転移機構の解明に向けて 関嶋 政和(せきじま まさかず)
関嶋 連絡先
生命情報科学研究センター

 プリオンなどのアミロイド性タンパク質は、アミロイド化して難溶化することで狂牛病やアルツハイマー病の原因となる。アミロイド性タンパク質は、アミロイド形成する際にタンパク質の立体構造が変化することが知られている。プリオンタンパク質は、アミノ酸配列が同じでありながら異なる立体構造をとるisoform(アイソフォーム)が存在していることが知られており、正常な立体構造をとっているものは生体内に元来存在しているが、その機能は明らかになっていない。この正常な立体構造がmisfold(ミスフォールド)を起こして異常な構造のisoformとなることにより、アミロイド化・難溶化する。このことがいわゆるプリオン病と言われる狂牛病、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病などを引き起こす原因となっている。しかしながら、この構造転移がどのようにして起き、プリオン病を引き起こすかは明らかになっていない。そのため、プリオンタンパク質の構造転移や安定性を理解するための様々な研究が行われている。
 正常なプリオンタンパク質の立体構造の一部がNMRによって決定されて以来、分子動力学シミュレーションを用いた構造転移機構の研究がなされてきた。しかしながら、これらの研究はプリオン病を引き起こすとされる構造全体ではなく、NMRにより構造決定された部位のみであったり、短い時間のシミュレーションしか行っていなかった。また、これらは全てmonomer(単量体)に対してのみのシミュレーションである。我々は、正常プリオンタンパク質から異常プリオンタンパク質に構造転移する際に、dimerization(二量体化)が重要な一つのステップであるという説を検証するために、通常の生体内を模した環境及び構造転移の原因もしくは構造転移を加速するとされる環境(178番目の残基のAspからAsnへの置換とacidic pH)においてdimer(二量体)の世界初のシミュレーションを行い、同条件で行ったmonomerのシミュレーションと比較検討を行った。その結果、dimer interface(界面)にあるαヘリックスとinter moleculeな(分子間の)βシートが両者のダイナミクスの違いに大きく影響を与えていることを明らかにした 。
 本研究では、monomerとdimerのダイナミクスの違いやその違いの原因となる二次構造・立体構造上の違いについて議論を行ったが、本研究を基礎として、最終的にはプリオンタンパク質の構造転移機構を明らかにすることで、狂牛病やクロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病の治療に関する知見の一端が得られるようになるよう努力していきたい。


図

図 (a)正常プリオンタンパク質monomer  (b)正常プリオンタンパク質dimer

dimerは2つのmonomerのH3がswapしたような、対称的な構造を取っている。我々は、dimer interface(界面)にあるαヘリックスとinter moleculeな(分子間の)βシートが両者のダイナミクスの違いに大きく影響を与えていることを明らかにした。



関連情報

  • S. Prusiner: Science, 252, 1515-1522 (1991).
  • M. Sekijima et al.: Biophysical Journal, 85, 1176-1185 (2003).

トップへ


AIST リサーチホットライン
  生理活性脂質に対する拮抗阻害物質を発見 [ PDF:480.1KB ] 村上悌一の写真
動脈硬化・リウマチ等の治療予防薬創製へ道 村上 悌一(むらかみ ていいち)
村上 連絡先
物質プロセス研究部門

 生物の細胞膜を構成する脂質は、化学構造上の違いからグリセロ脂質、スフィンゴ脂質、及びコレステロールに大別される。近年、スフィンゴ脂質類の分解代謝産物であるスフィンゴシン-1-リン酸(S-1P)が細胞間の情報伝達に関与する事例が報告され、注目されている。たとえばEdgと呼ばれる血管内皮細胞上の特定の受容体と結合し、細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させる作用を示す。Ca2+イオン濃度の上昇は、炎症細胞活性化や血管平滑筋細胞増殖、血行動態悪化など動脈硬化促進の方向に作用し、またリウマチや固形癌の進行の方向にも作用する可能性が示されている。この作用機構から考えると、Edg受容体に結合してS-1Pの作用を拮抗的に阻害する物質があれば、抗動脈硬化性、抗循環器系疾患性、抗リウマチ性等を示す可能性がある(図1)。したがって、受容体作動物質及び拮抗物質の探索は、上記疾患の予防・治療薬を創製する上で極めて重要である。
 我々はマルハ株式会社との共同研究により、S-1P類のアナログを合成し、生物活性を評価した(図2)。まず、天然erythro型S-1P及び内部水酸基の立体配置のみが異なる非天然threo型S-1P(化合物1)を化学合成途中の工程で作り分ける方法を見出し、共通の出発物質からそれぞれ立体選択的に合成する方法を確立した。Edg受容体を細胞表面に発現しているヒト前骨髄性白血病細胞株HL60を用いてバイオアッセイを行った結果、threo体(化合物1)が比較的低濃度で天然S-1Pの細胞内Caイオン濃度増加作用を用量依存的に阻止することを見出した。次にアミノアルコール部が化合物1と同じthreo型の立体配置をもち、より合成の容易な芳香族置換体(化合物2)を評価したところ、拮抗作用を示すことが判明した。化合物2の他の立体異性体は活性を示さなかった。一方、これらのアミノリン酸類は水にもアルコール類にも溶けにくいという難点があった。そこで、リン酸基の代わりに臭素等のハロゲン原子を導入したthreo体(化合物 3 )を調製したところ、溶解性が高くなり、かなり強い拮抗活性を示すことがわかった。以上の結果から拮抗阻害活性の発現にはアミノアルコール部の立体配置が重要であることが明らかになった。化合物 3 に関してはさらに抗炎症試験、血管平滑筋細胞増殖試験などの薬理試験を実施している。
 脂質関連物質にはアポトーシス(細胞死)に関与するものなども見つかっており、今後は一層の外部との連携を視野に入れながら生理活性脂質に関する研究を進めていく予定である。



図1


図2

図1(上)
細胞応答のイメージ図



図2(左)
脂質S-1Pアナログの化学構造と活性


関連情報

  • T. Murakami, K. Furusawa, Tetrahedron, Vol. 58, pp. 9257-9263 (2002).
  • 特開 : 2003-137894 「アミノアルコールリン酸化合物、製造方法、及びその利用方法」(産総研・マルハ株式会社).
  • 特願 : 2003-67628(産総研・マルハ株式会社).

トップへ


AIST リサーチホットライン
  活断層から発生する地震規模の予測 [ PDF:535.9KB ] 遠田晋次の写真
北アナトリア断層帯での発掘調査 遠田 晋次(とおだ しんじ)
遠田 連絡先
活断層研究センター

 内陸直下の被害地震は既知の活断層から発生する場合が多い。その地震規模は震源断層の長さに比例する。このため、地震規模は活断層の長さから予測できる。しかし日本列島では活断層が密集しており、活断層と被害地震を1対1に結びつけることはできない(例えば、1891年濃尾地震は温見断層・根尾谷断層・梅原断層の3つの活断層から発生)。したがって、大地震の規模を的確に予測するには、活断層の細分化・グループ化の評価技術が必要である。
 当研究センター断層活動モデル研究チームでは、ケーススタディとして、世界有数の長大活断層の1つである北アナトリア断層帯の掘削調査を行ってきた。北アナトリア断層帯はトルコ北部に分布する横ずれ断層である。その総延長は1100kmに達し、20世紀に断層帯のほぼ全域が活動した。その活動は1つの超巨大地震ではなく、12個の大地震の断続的な発生というスタイルをとった。その中には最近発生した1999年8月のイズミット地震(M7.4)・同年11月デュズジェ地震(M7.1)も含まれる。
 我々がイズミット地震断層上で実施した調査では、17世紀以降の地層から4回の地震記録が得られた(図)。地震の繰り返し間隔は約100年である。イスタンブールとイズミット市に残されている地震被害記録を参照すると、これらの活動は西暦1894年、1754年、1719年地震の震源であったとみられる。一方、デュズジェ地震断層上では、約9世紀以降3回の大地震の痕跡が地層に記録されていた。デュズジェ地震の繰り返し間隔は数100年と推定され、イズミット地震断層の繰り返し活動間隔よりも有意に長い。以上の結果から、地域により大地震発生頻度が異なることがわかった。つまり、この地域の北アナトリア断層帯は、別々の地震を発生させる2つの独立した断層として区分ができる。特に、区間境界の断層屈曲部が地震発生の分断に果たす役割は大きいとみられる。断層不連続・屈曲・分岐などが動的破壊停止・伝搬に影響していることは他の断層の事例からも確かめられつつある。
 今後は野外調査だけでなく、断層破壊の停止・伝搬・進展過程と断層幾何形態・分布の関係について検討し、ダイナミックな破壊過程を予測する計算技術を開発する必要がある。最終的には、当評価技術を中央構造線活断層系など国内の活断層の地震規模予測に適用する予定である。


図
図(上)北アナトリア断層帯西部の分布と1999年イズミット地震、デュズジェ地震での活動区間
  (下)過去の大地震の繰り返し。区間は上図に対応し、1ボックスが1回の地震に相当する。


関連情報

  • http://unit.aist.go.jp/actfault/team/awata/index.html
  • H. Tsutsumi, S. Toda, O. Emre, M. Okuno, EOS, Supplement, S11B-1152, AGU Fall Meeting (2003).
  • T. Parsons, S. Toda, R. Stein, A. Barka, J. Dieterich, Science, Vol.288, 661-665 (2000).
  • 遠田晋次, 地震ジャーナル, 30, 64-72 (2000).

トップへ