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新しいタイプの高輝度蛍光体を開発照明やディスプレーなどへの応用に期待 |
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半導体ナノ粒子を分散したガラス蛍光体を作製
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産総研光技術研究部門ガラス材料技術グループは、半導体ナノ粒子を分散したガラスで出来た、新しいタイプの高輝度蛍光体を作製した。これまでの蛍光体と違い、一つの励起光で任意の波長の可視光を得ることが出来る。また、この蛍光体ガラスは安定しており、ガラス基板上には固く固着する。このため、デバイス化も容易であり、照明やディスプレーなどへの応用が期待される。
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身の回りで活躍する蛍光体の特徴 蛍光体はディスプレーや照明に不可欠のものであり、我々の日常生活にとって極めて重要なものである。この蛍光体は、これまで数十年の間、希土類などのイオンを添加した酸化物が主に用いられてきており、今でも少しずつ改良が続けられている。ところが、この希土類イオンの発光寿命はおよそ1ミリ秒と長く、このため励起光を強くしても、それを効率よく蛍光に変換出来ない。また、発光波長を細かく制御することも難しく、このため表示装置の高輝度高精細化の流れの中で、新しいタイプの蛍光体の出現が待ち望まれている。 |
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半導体ナノ粒子からの蛍光と表面の問題 IIーVI 族半導体のバルクでのバンドギャップを図1に示す。この場合は、構成原子が重たくなるほどバンドギャップは長波長側に移動する。この半導体結晶をどんどん小さくしていくと、バンドギャップはバルク体の時に比べて広がる。これは「量子サイズ効果」と呼ばれ、模式的に示すと図2のようになる。この図で、直径2〜10ナノメートル(nm)、クラスターよりも大きくて構成原子数にして102〜104個くらいの範囲を「ナノ粒子」と呼ぶ。ナノ結晶や超微粒子とも呼ばれ、そのバンドギャップの位置がほとんど可視光領域と一致するので、同じ化合物でも粒径によって色が変わることがある。
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溶液中でのナノ粒子の合成と蛍光 近年、溶液中の合成法の発達により、高効率で発光する半導体ナノ粒子が作られるようになった。これは界面活性剤をうまく選択して凝集を防ぎ、表面の欠陥を取り除くことで、前記の表面の不活性化を達成することで実現されたものである。我々はその合成法の中でも、水を溶媒として用いる方法に着目した。例えば、写真1のカドミウムテルライドナノ粒子分散水溶液では、量子サイズ効果により粒径が約3nmでは緑色、約7nmでは赤色の発光を示す。この半導体ナノ粒子では、発光寿命が10ナノ秒程度と希土類よりも5桁も小さい。このため吸収と発光のサイクルを素早く繰り返すので、非常に高い輝度が得られ、顕微分光の手法によりナノ粒子1個1個からの蛍光を捕らえて分光することもできる(単一粒子分光)。この手法を用いて、ナノ粒子を取り付けた生体分子やウイルスの動きを追う研究も特にアメリカでは盛んになりつつある。現行の希土類蛍光体では、輝度が低いためこのような分光は決して出来ない。
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ガラス中へのナノ粒子の保持と高輝度化 ガラスは、高度な透明性を持ち、水や酸素を通しにくくて高温や紫外線にも耐える。このため、我々はこの数年間、光機能性のガラスを作製すべく研究を推進してきた。始めにガラス中の熱処理でナノ粒子を析出させた後に、ガラスを反応場としてナノ粒子の表面(界面)を処理する作製法を試みた。しかし、ガラス中のナノ粒子を均一に表面付近のみ反応させることは非常に難しく、さらに悪いことに、ガラス中にはナノ粒子を析出させるために必要なイオンが必然的に分散されており、ナノ粒子表面を処理しようとする際にこのイオンが邪魔をする。ガラス中ではナノ粒子の凝集はないが、反応を制御できる見込みが立たなかった。これに対して溶液中では容易に化学平衡に達するため、透析や遠心分離により、必要なものだけを取り出したり取り除いたりすることも可能である。
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新しい蛍光体の特徴と応用 このようなナノ粒子分散ガラスは、励起波長に依らずほぼ一定の発光効率を示すという利点もある。さらに粒径を細かく制御することで色調の調整も容易で、励起光波長を自由に選ぶこともできる。このため、ガラスなどの基板上に塗布して用いられ、様々な新産業創成に貢献するものと期待される。今後、作製法を工夫してさらに分散濃度と発光効率を上げ、輝度の高いガラス蛍光体作製を目指す。 |
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新しいタイプのガラス蛍光体を開発した光技術研究部門 ガラス材料技術グループ 村瀬主任研究員(右)と開発メンバーのNEDO養成技術者 李氏(左) |
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問い合わせ 独立行政法人 産業技術総合研究所 関西センター 光技術研究部門 |
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