視覚障害者遠隔支援システムは、視覚障害者のまわりの状況をメガネやイヤホンなどに仕込まれている超小型ビデオカメラで撮り、PHS通信などによって、遠隔地にいる支援者に動画像を提供するものである。支援者は、視覚障害者と同じ目線の動画像を見ながら音声で支援できる。
視覚障害者は日常生活の中で、ヘルパーを呼ぶ程ではないが、ちょっとだけ介助してもらいたいときがしばしば生ずる。例えば、「郵便を分けたい」、「好みの色の服や靴下を選びたい」、「液晶表示の内容を確認したい」、「冷凍食品の種類を確認したい」、「自動販売機で好みのドリンクを選びたい」、「おつりを確かめたい」、「付近で助けてくれそうな人がどこにいるか教えて欲しい」などである。
障害者には各種支援制度があるが、ヘルパーを利用できる時間、場所、目的に制約のあることが多く、予約なしに短時間だけでもすぐに利用することはできない。本システムを利用することによって、いつでもどこでもヘルパーを呼び出すことが可能となり、遠方にいる家族から支援を受けることも可能となる。また、肢体の不自由な方や、足腰の弱った高齢の方などが支援者となることもできる。
開発したシステムには、以下の2つの特徴がある。
- ビデオカメラやマイク、スピーカーが目立たないように、「メガネやイヤホンに仕込まれていること」(例え役立つとも、目立つ機器は視覚障害者に使ってもらえないのである)(装着例 図1)。
- 視覚障害者のニーズに合わせた支援が行えるよう、動画像音声通信プログラムの機能(画質、明るさ、フレームレートfpsなど)を「遠隔地から制御できること」(支援者の例 図2)。
開発にあたり、東京都心身障害者福祉センターなどの協力を得た。それは、視覚障害者のニーズや、支援機器の有効性について、客観的な評価を得るためである。また、評価実施母体として、特定非営利活動法人“目の不自由な人と共に歩行を考えるしろがめ塾”を設立した。10月のRWC2001では、電子出版のコンテンツとして、ガイドヘルプ技術の教科書を提供した。
今後は、利用用途拡大を図るため、イメージセンサーの高性能化の研究も進めたい。






































