G タンパク質共役型受容体(GPCR )は7 本のへリックス構造を持つ膜タンパク質である。世界中の薬の実に半数近くは、このタンパク質の機能制御を目的としており、創薬の観点から極めて重要なタンパク質である。これら全てを、既に約90 %以上の配列が決定されたヒトゲノムから網羅的に発見して解析すれば非常に重要でしかも全く新しい知見が得られるものと期待される。
私たちはヒトゲノム配列からGPCR を同定する自動システムを開発した。このシステムでは、まずヒトゲノムデータから主に遺伝子発見プログラムGeneDecoder 1) を用いてアミノ酸配列全てを得る。次に、生成アミノ酸配列を基に、配列検索、モチーフおよびドメイン帰属、膜貫通ヘリックスの予測を行いGPCR を同定する。最後に、重複配列の消去、スプライス部位の誤予測による断片配列の融合などにより遺伝子候補を精密化する。
遺伝子同定用の各プログラムの閾値を予め既知のセットで評価しておき、これらの閾値の組合わせにより、888 本の最善選択性配列群から2,298 本の最善感度配列群に至るまでの様々な精度の配列群を得ることが可能になった(図1 )。全セットで11 番染色体に最も多くのGPCR 候補が見られ、1,3,6,19 番染色体でも多数のGPCR 候補が見出された。一方、21番、Y 染色体では候補は極めて少なかった。最善選択性配列群は誤配列は含んで無いと言えるほど精度が高いので、これを詳細に解析したところ、最大のファミリーは嗅覚、味覚受容体で特に1 1 番染色体のGPCR の9 割以上を占めていた。 創薬の観点から言え
ば、実はこのファミリーを除いて考えるのが普通だが、それでも全体で300 程度(内数十が新規)の存在が確認されている。
私たちは、以上のシステムおよび配列群の特許申請を済ませたところであるが、この成果が医療、創薬の分野で大きく貢献するものと期待している。




































