- 被災地中小企業の研究開発支援
産総研では、2011年3月11日の東日本大震災により被災した企業や公設試験研究機関(公設研)の復興支援活動として、@公設研職員に対する放射線測定の講習会の開催、A地元企業への技術支援が困難になった被災公設研を全国の公設研が代わって技術支援(依頼試験、開放機器利用など)するための活動、B被災地中小企業の研究開発支援、を行ってきました。
特に、3番目の被災地中小企業の研究開発支援については、被災から立ち直ろうとする企業から、「原状回復だけでは不安」、「将来の成長に向けての活動をしたい」という要望が強く、産総研研究者がもつ技術シーズを活用して、中小企業の研究開発を支援するための活動を行いました。
産総研は、震災から間もない2011年4月から、東北の中核的企業として位置付けられ、産業政策・エネルギー政策との関連、雇用の拡大の可能性をもつ、約30社の中小企業を抽出しました。6月から8月にかけて、中小企業との連携をコーディネートすることを専門とするつくばセンターの「産業技術指導員」8名と東北センターのイノベーションコーディネータらが中心となり、被災地の中小企業を訪問し、具体的なニーズをヒアリングしました。被災地の企業ニーズを分析し、その重要性と技術的解決方法を検討して、対応できる産総研研究者を探し出し、企業と研究者のマッチングを行い、研究開発プロジェクトを立ち上げました。
今回の研究開発プロジェクト立案では、部材メーカーなどの中小企業と大企業などとの連携を推進する中小企業向けの研究開発事業「戦略的基盤技術高度化支援事業(通称:サポイン)」を活用することで、サプライチェーンの維持あるいは新構築に寄与することを狙いました。
これまで、東北を含む被災地企業との共同研究は極めて少なかったのですが、この活動によって、サポインに25件提案し、11件が採択されました。さらに、企業の自己資金による共同研究を実施するなど、現在、合計16件以上の研究開発プロジェクトが進行しています。
産総研は、被災地企業の新製品開発や製造プロセスの大幅な改善にかかわり、被災地の復興を支援していきます。
