- ベンチャー企業の創出と支援
今、米国で新技術・新産業の中心となっている企業の多くは、ここ20〜30年にベンチャー企業としてスタートしたものです。日本でもソニーのように、戦後間もない時期にベンチャー企業として発足し大きく成長した例もあります。新技術をいち早く導入し、その発展により新産業創出・経済活性化につなげる上で、ベンチャー企業や中小企業が担う役割はたいへん大きいものです。
日本ではこのような新技術を担うベンチャー企業や中小企業を支えるため、さまざまな政策が立案され、多くの産業支援機関が活動を行っています。また、自社の技術や知識を他社の技術や知識と融合させて新たな価値を生み出すオープンイノベーションの必要性が叫ばれており、既存企業がベンチャー企業と提携して新技術の事業化に取り組むことは、一般的な企業戦略となりつつあります。世界的な経済状況の悪化などにより、技術系ベンチャー企業の多くはとても厳しい状況にありますが、将来の産業を育て、次世代が担う社会をよりよいものにするためにベンチャー企業への支援は必要な活動です。
産総研は支援機関そのものではありませんが、研究開発によって創(つく)り出された技術をベンチャー企業により事業化することを、技術を社会に出すための一つの重要な方法として推進しています。
技術を社会に出す方法としては、既存企業との共同研究(連携)や特許権などのライセンシングがあります。ベンチャー事業化はその二つの方法に加え、既存企業ではすぐに製品化を行えない先端技術について、小回りのきく体制でニーズをとらえ、技術を最も理解している研究者が自ら製品化して社会に出す第3の方法と位置づけられています。
産総研のベンチャー支援策では、ベンチャー企業を興すことを奨励するだけではなく、企業が事業化を適切に行っていくための事業計画策定を重視しています。また創業後は、技術の発明者である研究者が自らベンチャー企業へ参画できる兼業制度を整備するなど、さまざまなベンチャー企業への支援を行っています。
産総研はオープンイノベーションハブ機能の強化をミッションの一つとして掲げています。これまで築きあげてきたベンチャー創出・支援の仕組みについても、今後社会とのつながりをさらに強めながら、改善していきたいと考えています。
