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平成11年度 年報


2.1 試験研究業務

2.1.8 その他


1)その他


〔大 項 目〕産業公害防止対策に必要な経費

〔研究 題目〕大気汚染シミュレーションモデルの開発
〔研究担当者〕水野 光一、山本  晋、下形 茂雄、吉門  洋、
         菅原  清、近藤 裕昭、兼保 直樹、村山 昌平、
         三枝 信子、林  正康、蒲生  稔、今須 良一、
         古賀 聖治、前田 高尚、田中 敏之

〔研究内容〕通産省環境立地局の行う産業公害総合事前調査の一環として調査対象地域の発生源および気象条件を考慮した硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒子状物質等の大気汚染物質の環境濃度を予測するモデルを開発するとともに、これらのモデルを適用して、事前調査対象地域についての環境影響評価を行う。また、有害大気汚染物質の動態について調査し、環境濃度予測モデルの開発に向けた基礎的データを取得する。本年度は大牟田地区産業公害事前調査の一環として、この地域の将来の大気環境に関する予測をまとめた。また、浮遊粒子状物質の組成別濃度シミュレーションの精度向上のための補完的な測定を行った。有害大気汚染物質予測手法の開発のため、発生源周辺・建造物周辺の拡散モデルの構築をさらに進めた。


〔研究 題目〕水質汚染予測手法開発
〔研究担当者〕水野 光一、石川 公敏、原田  晃、辻  正明、
         左山 幹雄、青木 繁明、堀口 文男、渡辺  豊、
         鈴村 昌弘、鷲見 栄一

〔研究内容〕
1.東京湾奥部の有害化学物質の吸着態の空間分布および負荷量を調査するために、湾奥部およびそこに流入する主要河川(多摩川、荒川、隅田川、江戸川)の表層、中層、低層の有機SS、デトリタス、無機SSについて夏期2回の観測を行った。これらの観測結果を基に、負荷量の推定を行い生態系モデルシミュレーションおよびSSの拡散シミュレーションを行った。その結果、有機SSについては観測結果と比較して有意な相関が得られ、かなり高い再現性が示唆された。
 2.これまで開発されてきた富栄養化モデルでは、堆積物からの栄養塩の溶出は境界条件として与えられているのみであり、モデル化されていない。したがって、流入負荷の削減や水質浄化による沈降有機物量の減少に対応して、堆積物からの栄養塩の溶出量が変化したとしても、既存の富栄養化モデルではその影響を表現することはできない。この問題を解決するために、堆積物表層における有機物の分解・無機化過程を定量的に表現できる数理モデルの開発を行っている。本年度は、酸素を主要なパメータとする物質循環モデルを開発し、三河湾を対象海域として数値計算を行い、モデルの基本的な動作を確認した。本モデルを実際に運用するためには、堆積物表層における酸素の動態についてのデータが必要である。今後は、現地調査によるデータの蓄積と、そのデータにもとづくモデルの改良を行う。


2)共同研究


〔研究題目〕高性能水素化触媒の開発
〔研究担当者〕斉藤 昌弘、佐々木義之、藤谷 忠博、
         富永 健一、高原  功、三村 直樹

〔共同研究者〕(財)地球環境産業技術研究開発機構

〔研究内容〕Cu/ZnO系触媒上での二酸化炭素の水素化反応によるメタノール合成について研究した。二酸化炭素の水素化によるメタノール合成と合成ガスからのメタノール合成とを比較したところ、二酸化炭素の水素化によるメタノール合成の欠点は、(1)メタノール合成の反応速度が、生成する水により低下すること、(2)生成する水によって触媒の結晶化が促進され、活性低下が大きくなることであるが、一方、利点としては、(1)反応の発熱量が小さく、メタノール合成プラントの運転が容易になること、(2)副反応が少なく、生成メタノールの純度が高いことであることがわかった。また、触媒の高性能化についても検討し、新たな高性能化方法を見いだした。


〔研究 題目〕エネルギー使用合理化新規冷媒等研究開発
〔研究担当者〕指宿 堯嗣、水野 建樹、横山 伸也、林  正康、
         田口 彰一、今須 良一、古賀 聖治、前田 高尚、
         山本  晋、兼保 直樹、竹内 浩士、小池 和英、
         忽那 周三

〔共同研究者〕(財)地球環境産業技術研究機構

〔研究内容〕昨年度に引き続き、冷媒、溶剤などについて新規に開発される候補化合物の地球温暖化能(GWP)評価を行うために次の項目について研究を実施した。

(モデル・解析研究)

  • GWP計算におけるCO2の絶対地球温暖係数(AGWP)の3通りの計算方式の明確化。
  • 資源環境技術総合研究所/RITEモデルとAERモデルで数種類の化合物のGWPの計算結果の相互比較を行い、両モデルの計算結果がよく一致することを確認。
  • 開発したモデルを用いて、候補化合物のGWPを計算。
  • 3次元移流拡散モデルを用いた物質輸送計算手法の改良。
  • 2次元光化学反応モデルの物質輸送計算部の開発。

(実験室研究)

  • 温度可変大型大気化学反応チャンバーを用いて、相対速度法により新規候補化合物とOHとの反応速度定数を測定。
  • 新規候補化合物の光分解生成物の高感度分析手法の整備(濃縮−GCMS分析)。
  • 塩素原子を反応開始剤とした新規候補化合物の気相酸化分解反応の生成物分析。
  • CH3CCl3の大気寿命に与える粘土鉱物上の反応の影響を見積もり、大気中OHラジカル濃度の推定値が再検討される可能性を指摘。

〔研究題目〕間節型操舵車両の経路計画と走行制御に関する研究
〔研究担当者〕皿田 滋

〔共同研究者〕筑波大学

〔研究内容〕直線とクロソイド曲線等の経路要素を用いた経路計画に関する研究として、内界センサーによる自己位置推定法における誤差要因と誤差の大きさについての検討を行った。また、走行制御方式に関する研究として、実験模型を用いて車輪駆動モータの発生トルクを計測し、外力によって車輪がスリップする場合の条件について検討を加えた。


〔研究題目〕LCA手法の開発
〔研究担当者〕
稲葉 敦、匂坂正幸、小林光雄、近藤康彦、松野康也

〔共同研究者〕(社)産業環境管理協会

〔研究内容〕地球温暖化で最も大きな原因物質として二酸化炭素が指摘されている。環境中に放出される二酸化炭素の90%以上がエネルギー起源であるとの試算もある。エネルギー利用に伴う発生二酸化炭素量を精度高く求めることが、正確なLCAの実施に不可欠になる。共同研究では、石炭、石油、天然ガスといった、化石エネルギーの海外や国内での採掘、運搬過程で排出される二酸化炭素、メタンについてデータ整備を行った。そのため、採掘深度、燃料のグレード等々の条件を各化石エネルギー産出現場・地域について文献調査等で求め、さらに地図等を基に輸送距離・方法を考慮してデータ取得を行った。


〔研究題目〕DCHE暖冷房システムの開発
〔研究担当者〕盛田 耕二

〔共同研究者〕三井造船(株)、(株)クボタ、鉱研工業(株)、(株)三井造船昭島研究所

〔研究内容〕普通の温度の大地が有する温熱源、冷熱源および蓄熱体としての機能を冷暖房や温水造成等に利用するシステムの開発を目的に検討を行った。本年度は、九州を想定して、地層を熱交換装置として利用する冷暖房システムについて、二酸化炭素の削減効果と経済性の評価を行った。この結果、この冷暖房システムは、従来型の吸収式冷温水機を用いるシステムに比べ、二酸化炭素排出量が6割以上少ないこと、トータルコストで比較すると、経済性が優れていることがわかった。また、150uを対象とするガイア融雪システムの設計と開発を行った。このシステムは平成11年12月に青森県深浦町に設置されているが、これまで順調に運転されている。さらに、三沢市総合社会福祉センターの冷暖房システムの詳細設計を行った。


〔研究題目〕石炭の基礎物性・熱化学反応に関する基礎的データ収集と反応のモデリングおよびシミュレーションに関する研究
〔研究担当者〕海保  守、山田  理、川島 裕之、安田  肇、
         山田 能生、吉澤 徳子、丸山 勝久、鈴木 善三

〔共同研究者〕(財)石炭利用総合センター

〔研究内容〕X線回折法の標準化では、炭素六角網面からの回折線を使って石炭中の炭素網面の構造に関する情報を得る手法の確立を目的としている。これまで、標準化した測定・解析手順で、25炭種の平均積層数、層面間隔など積層構造に関する各種パラメータを求め、これらと諸物性との傾向を調べた。その結果、組織分析値と積層構造パラメータとの相関から、分子構造として芳香族炭素が多いものでは、凝集構造として積層構造化が進んでいることがわかった。また、ダイヤモンド法による解析手法の改良を検討した結果、炭種間の差異を明確に評価することができた。しかし初期値の設定、モデル化合物の選定に関しては、さらなる改良が必要である。
 熱化学反応に関する研究では、昨年度までに確立した急速昇温炉を用いる実験手法を用いて、反応器内の石炭濃度を8〜32g/ まで変化させ、800℃、70気圧のヘリウムおよび窒素雰囲気下で熱分解し、石炭濃度のチャー収率への影響、気液生成物の分布と安定性、反応における伝熱の効果等についての系統的なデータが得られた。


〔研究題目〕液化油と共水素化処理後の循環溶剤性状の石炭液化特性におよぼす影響の研究
〔研究担当者〕佐藤 芳樹

〔共同研究者〕新日本製鐵(株)、三井石炭液化(株)

〔研究内容〕石炭液化プラントにおける溶剤水素化工程を利用した石炭液化油の水素化処理による生成油性状の変化、循環溶剤性状の変化及び石炭液化特性への影響等を解明し、合理的なプラントの設計及び運転のための基礎的検討を行った。すなわち液化工程後、蒸留によって軽質油を分離する以前に溶剤を含む全液生成油を水素化処理することによる軽質油品質への効果を水素化処理温度を変化させるなどの反応条件による軽質油中の窒素濃度の変化を測定したところ、比較的低温の350℃で水素化処理することによって窒素濃度は目的の1,000ppm以下に低減する事ができた。さらに、軽質油と溶剤留分を分離後、各々水素化処理をしていた従来のNEDOLプロセスよりも石炭の分解が促進され、液化油収率の向上が図られ、水素化反応塔を一本削減出来ることがわかった。以上石炭液化油を循環溶剤とともに溶剤水素化工程で水素化処理することにより、貯蔵安定性をはじめとした品質の改善された液化油を得るプロセスが構築できることが明らかとなった。


〔研究題目〕発破振動予測の高度化に関する研究
〔研究担当者〕井清 武弘、国松  直

〔共同研究者〕(株)ニュ−ジェック

〔研究内容〕本研究では、発破による地盤振動の振幅、周波数および振動レベルの高精度予測手法および制御手法について、検討・検証を行うことを目的とする。研究内容として、(1)発破の振源特性文献調査、(2)地盤の伝達特性文献調査、(3)発破振動波形予測手法の開発、(4)最適制御手法の評価、(5)フィ−ルド実験による実測、の5項目について検討を行う。
 本年度は(3)において、地盤中のSV波が境界面においてP波へ変換され、伝搬する過程についてPSM(擬似スペクトル法)の改良を行った。


〔研究 題目〕石炭水素添加ガス化反応機構の研究
〔研究担当者〕海保  守、牧野 三則、山田  理、
        曽根田 靖、安田  肇

〔共同研究者〕(財)産業創造研究所

〔研究内容〕昨年度までに20炭種の水添ガス化反応性を検討したところ、石炭化度80%を境に様相が異なり、高石炭化領域では石炭化度の増加とともに反応性が低下し、低石炭化領域では炭種により反応性が大きく異なることが判明した。そのため、反応性序列を決める指標を見いだすことはできず、水蒸気や炭酸ガスガス化と比較すると、低石炭化度炭では含有金属の触媒作用を検討する必要が生じた。そこで、6種類の低石炭化度炭を強酸および弱酸で金属質を除去した後、水添ガス化を行い、酸処理前後の反応性の違いを調べた。その結果、原炭の反応性が低い炭種では酸処理は殆ど反応性に影響しないのに対し、本来反応性の良好な炭種においては強酸、弱酸ともに著しい反応性の低下をもたらした。このことから、石炭中のある種の金属が触媒として働いていることが推察できるが、酸処理による溶出金属量と反応性低下の程度との間には、明確な関係は見いだせなかった。一部の特定の結合形態の金属のみが触媒作用を示すことが考えられるので、例えば、脱灰炭に特定の金属を添加するなどの手法を適用する必要があると考えられる。


〔研究題目〕環境調和型燃焼技術に関する研究
〔研究担当者〕大屋 正明、宮寺 達雄、土屋健太郎

〔共同研究者〕(株)クボタ

〔研究内容〕改質ガスおよび都市ガスを燃料としたエンジン開発の基礎的データを得るために、これらの燃料の高温・高圧における燃焼特性やNO排出特性を調べた。都市ガスは空気比がほぼ1.2のときにNO生成量が最大になりること、NO生成傾向は火炎温度が2000K以下の場合は混合気の組成にあまり依存しないでほぼ温度だけで決まること、2100K以上の高温では温度だけでなく混合気の組成にも依存すること、CO2によるEGRはN2の場合よりもNOの排出低減に有効であること等が明らかとなった。


〔研究題目〕微粒子の機械的複合化とその評価
〔研究担当者〕遠藤 茂寿、大矢 仁史、古屋仲茂樹、幡野 博之

〔共同研究者〕(株)徳寿工作所

〔研究内容〕高速楕円ローター回転型複合化装置(θ-コンポーザー)による機械的複合化過程は巨視的な観点から明らかにされつつある。それと同時に、粒子間や粒子-装置間に作用する接触力や装置内の粒子挙動に関するミクロ的な検討は、被覆粒子層の質の向上を図るうえで必要である。そこで本年度は、θ-コンポーザー内での付着過程をミクロ的に解明するため、核粒子の挙動のみに着目し、その運動を粒子要素法(PEM)で3次元シミュレーションした。核粒子として直径200μμμmの単分散球形粒子を装置内に仕込み、核粒子に及ぼされる接触力や接触点数の変動を解析した。
 ローターをつけない装置内の粒子層のPEMにより求められた巨視的な運動と実測結果はよく一致しており、用いた粒子要素法が妥当なことを検証した。楕円型容器の長軸が水平に対し約45度に傾斜した状態で、最も大きな圧縮が粒子層に作用していた。また、核粒子に作用する各種の接触力のうち、ローターから受ける力が最も大きく、それはローターの回転速度に依存した。以上のことから、複合化状態を制御する上でローターの回転速度を制御することが重要であることがわかった。また、操作条件との関係は複合化実験の傾向と一致し、装置設計に関する工学的知見を得ることができた。


〔研究題目〕廃棄物処理における微細粒子の電磁的挙動の解明
〔研究担当者〕遠藤 茂寿、大矢 仁史、古屋仲 茂樹、鈴木 繁幸、林 高弘

〔共同研究者〕日本エリーズマグネチックス(株)

〔研究内容〕乾式および湿式磁選機での分離テストとして、粒子状廃棄物の選別機での分離特性を明らかにした。また、有用成分と不用成分の粒度解析として、廃棄物の性状による分離を行うにあたっての形状依存性を明らかにした。そのためには粒子形状と電界および磁界強度の関連性の解明が必要であるので、廃棄物の利用について、必要な電界及び磁界を用いた分離に有益な基礎的特性に関して検討した。


〔研究題目〕岩石の破壊靭性と履歴応力の評価に関する研究
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、歌川  学

〔共同研究者〕九州大学工学部

〔研究内容〕本年度は、主に、AEおよびひずみ計測に結果に基づく地山応力測定法と封圧法の適用性について検討した。その結果、封圧及び経過時間は推定精度に有意な影響を及ぼさないこと、応力の時間履歴ではコア採取時に受けていた地圧が推定されること等を明らかにした。また、封圧法を用いて軟岩コアの地圧推定を試みた結果、実用的な精度で適用可能であることを確認した。


〔研究題目〕エアテーブルによる廃プラスチックの分別
〔研究担当者〕大井英節

〔共同研究者〕日本鋼管(株)

〔研究内容〕容器包装リサイクル法の完全施行により、都市ゴミ中のプラスチック廃棄物の排出量が、年々増大している。これらのプラスチックはフィルム状をしたものが多い。湿式選別法では沈降速度が非常に遅く、プラスチックフィルム混合物の選別は困難である。本研究においては、振動とパルス空気流の作用を利用した、パルス空気流動エアテーブル装置を用い、プラスチックフィルム混合物中に10%混在するポリ塩化ビニルを、1%以下に乾式選別する操作条件を検討した。振動数を10Hz、空気流速を0.9m/s程度に設定すると、回収率86.5%で、PVC混入率0.8%の選別物をえることができた。


〔研究題目〕舵紋岩の高付加価値化プロセスに関する研究
〔研究担当者〕小菅 勝典

〔共同研究者〕東邦オリビン工業(株)

〔研究内容〕蛇紋岩の酸処理で作製される非晶質シリカは比較的高純度で、反応性が高く、これまでに種々工業原材料としての可能性を検討している。本非晶質シリカと市販試薬LiF、NaF、MgOとの反応により膨潤性フッ素マイカを固相法によって作製できることは報告した。本年度は、他のシリカ原料と比較するため、国内産けい砂から同様な反応によってマイカを合成し膨潤性等の特性を検討した。SiO2:MgO:NaF:LiF=1:0.5:0.5:0.25が最適混合比であることは蛇紋岩から作製した非晶質シリカを用いた場合と同様であるが、膨潤性は層間に水一分子層に限定され、さらにMgの一部を他の遷移金属で置換した雲母を合成することは難しくいことが分かった。現在も本研究課題を継続的に検討している。


〔研究題目〕多孔質セラミック粒子の基盤的評価手法に関する研究
〔研究担当者〕遠藤 茂寿、鈴木 繁幸、古屋仲茂樹、林  高弘

〔共同研究者〕(財)ファインセラミックスセンター

〔研究内容〕ファインセラミックス製造における高濃度微粒子スラリーのプロセシングを高度化するためには、高濃度スラリーの性状モニタリング技術の確立が求められている。そこで、高濃度アルミナスラリーの性状評価を超音波減衰分光法で適正に行うため、当該計測法が適用できる濃度限界を明確にすることを目指し、アルミナスラリーの粒子径分布の計測値と超音波減衰理論を比較検討した。その結果、体積濃度20%以下では、計測された超音波減衰スペクトルと計算値との誤差は小さく、粘性によるエネルギー損失のみを考慮してもほぼ適正な粒子径の評価が可能であることが明らかとなった。他方、20%以上において濃度の増加とともに計測値と理論値の差が増加し、その差異を粘性損失のみから説明することはできなかった。また、熱的損失、散乱損失、材料あるいは物性固有の特性に由来する損失の影響は非情に小さいことが明らかになった。


〔研究題目〕電子線照射等によるダイオキシン処理の研究
〔研究担当者〕大屋 正明、竹内 正雄、今川  隆

〔共同研究者〕電気興業株式会社

〔研究内容〕小型でありながら高いエネルギーを発生できる高周波型電子線照射装置を用いて焼却炉の煙道中に電子線を照射し、ダイオキシンを分解する技術の基礎研究を行った。
 昨年までの研究で、電子線照射により無機粒子に吸着した塩化ダイオキシン、及び塩化ベンゼンは脱塩素反応により低塩素数の化合物に変化することと、塩素引き抜きの順番は塩素の結合エネルギーの低いところからであることが分かった。本年度は、さらに数値計算を進めて結合エネルギーと脱塩素の関係を調べるとともに、低塩素化合物の挙動を調べた。その結果、塩素数が2以下の化合物は、ダイオキシン、ベンゼンともにほとんど検出されないため、塩素数が少ない場合には化合物の炭素骨格が破壊されていると推定される。


〔研究題目〕二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響に関する基礎的調査研究
〔研究担当者〕原田  晃、青木 繁明、石坂 丞二、渡辺  豊

〔共同研究者〕(株)関西総合環境センター

〔研究内容〕本研究では、海洋深層水中に液体二酸化炭素を注入し隔離した場合の環境影響を評価するために、海洋調査を実施し、海水の流動、炭素および炭素に関連した物質の挙動を調査する。本年度は、昨年に引き続き、西部北太平洋での化学トレーサーの観測、堆積物中の炭酸カルシウムの測定、短寿命放射性同位体による堆積物表層での混合速度の測定を実施した。


〔研究題目〕平成11年度 省エネ・減溶化フィルターの開発と燃焼処理過程で発生する凝縮性有害化学物質の抑制に関する研究(エレクトリックフィルターの集じん・減溶化特性の評価及び焼却処理に伴うぎ凝縮性有害化学物質の抑制に関する研究)
〔研究担当者〕荷福 正治、田中 敏之、小暮 信之、白波瀬雅明

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構、金沢大学、財団法人日本品質保証機構、東洋濾紙株式会社

〔研究内容〕本研究の目的はエレクトレットフィルターの集じん・減容化特性の評価及びその焼却処分に伴って発生すると考えられる凝縮性有害化学物質の抑制技術の開発である。
 本年度は、昨年度に引き続きエレクトレットフィルターの集じん効率、圧力損失等の変化、フィルターの焼却性・減容化性、放電特性とガス分解性の関係、ガス中の水分量・粉じん量が放電処理に及ぼす影響等について検討した。
 これらの検討により、フィルターのエレクトレット化のためには、パルス放電や直流を重畳したパルス荷電が効果的であり、これによるエレクトレットフィルターは高集じん率(例えば、粒径0.5μmのDOP捕集効率は、単層品で約85%、二層品で概ね100%、圧力損失は20mmH2O以下)であることが明らかにされた。使用済みフィルターの焼却を想定した有害ガスの放電処理については、パルス放電を用いると有害ガスの無害化ができ、さらにパルス放電に直流を重畳すると有害ガスの無害化が大きく促進され、集じん率も高く(放電による集じん効率は90%以上)、粉じんと有害ガスの効果的な同時処理が行える見通しを得た。


〔研究題目〕平成11年度 OA機器廃棄物の表面剥離・選別技術の研究(物理的粉体選別技術に関する研究)
〔研究担当者〕遠藤 茂寿、大矢 仁史、古屋仲茂樹、林  高弘

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構

〔研究内容〕本研究は、振動する粒子層を疑似的な流体として固体廃棄物を密度選別する手法を確立することを目的とする。本年度は、水平旋回振動するZrO2粒子層内での金属粒子の偏析・分離に及ぼす操作条件の影響について実験的な検討を行った。その結果、ZrO2中のPbの偏析は、PbがZrO2粒径より小さい場合に生じた。他方、非球形のAlの偏析はAlとZrO2の粒径に依らず生じた。その結果、Pbの粒径とZrO2の粒径の比、および、ALの粒径とZrO2の粒径の比が約0.85、ならびに、旋回速度150〜200rpm、旋回半径1.5〜2cmの条件で最も偏析分離することが確認された。偏析状態の観測や評価にもとづいて設計・試作した分離装置を用い連続分離実験を行い、その分離効率を評価した。Pb-Alの連続分離実験では、ニュートン分離効率0.78、Pb回収物の品位95.4%とAl回収物の品位99.9%が得られ、水平旋回運動を利用した乾式の密度選別が可能であることを明らかにした。


〔研究題目〕中立フロートブイによる北太平洋中層の流動に関する研究
〔研究担当者〕原田  晃、青木 繁明

〔共同研究者〕(財)電力中央研究所

〔研究内容〕海洋中層の流動場を直接把握する有効な方法の一つとして、浮力を自動調節して一定水深に滞留し指定した時間間隔で浮上するブイの航跡を追求する方法がある。本研究では、北太平洋における二酸化炭素の挙動を把握するための基礎データとしての海洋中層流動場の推定のために、電力中央研究所協力して中層ブイのデータの解析を行っている。まだ、統計的に必ずしも有意といえるデータ量があるとはいえないが、興味深いデータが集積されつつある。


〔研究題目〕窒素酸化物浄化塗布剤に関する技術開発
〔研究担当者〕竹内 浩士、忽那 周三、小池 和英、根岸 信彰

〔共同研究者〕神奈川県環境科学センター、積水樹脂(株)、石原テクノ(株)、関西ペイント(株)

〔研究内容〕交差点周辺、トンネル内部など局地的に窒素酸化物が高濃度となる地点の汚染物質対策として、光触媒を用いた窒素酸化物除去用塗布剤を開発し、その性能・効果を検討することを目的とする。
 本年度は、高度汚染地域における塗布剤の性能を評価するために、川崎市内の産業道路高架下に試験装置を多数設置し、秋から冬にかけて現地実験を行った。共同研究者が開発した塗布剤試料のほかに、一般から公募した試料の評価も併せて実施した。これらは、吸気ファン及び紫外線ランプを内蔵した装置の中に設置し、一定の風速・光量での暴露試験とした。前年度までに開発した試料の性能を確認し、今後の局地汚染対策の資料とすることができた。


〔研究題目〕発破技術の安全化に関する研究
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、緒方  雄二、歌川  学

〔共同研究者〕日本油脂株式会社 愛知事業所

〔研究内容〕チャンネル効果による残留爆薬の発生メカニズムを解明するために、透過材料を用いた円筒型内を伝播する爆轟波と先行する衝撃波の状態を高速度カメラで観察した。観測結果から爆薬により駆動される先行衝撃波が、前年度までの角形容器と比較して1/3程度の加圧時間で死圧現象が起きることを確認した。これは、円筒容器では先行する衝撃波が、スピンデートネーションとなり、エマルション爆薬の全方向から加圧するため、爆薬内の気泡体を圧縮し、爆轟伝播機構を阻害するためと推定できる。


〔研究題目〕ガス爆発における構造材料の力学特性と破壊形態に関する研究
〔研究担当者〕井清 武弘、小杉 昌幸、匂坂 正幸、
         大森阿津美、中川 祐一、田中 敦子

〔共同研究者〕高圧ガス保安協会 液化石油ガス研究所

〔研究内容〕ガス置き場の建材の破壊特性を評価するため、スレート板など4種の試料を用い、衝撃試験と落推試験を実施し、三点曲げの試料寸法、最大載荷までの衝撃載荷速度、落推エネルギーの差違が破壊強度に及ぼす影響を明かにした。これらのデータをまとめ、ガス爆発時の建材破壊を診断する基礎データを構築した。また、ガス爆発に伴う建屋の破壊形態を評価するため、30cm立方の建屋模型内におけるガス着火実験を行い、初期着火後に急激な圧力上昇を伴う火炎加速現象を新たに見いだした。さらに、1m立方の容器内における爆発実験を行い、圧力計測データに基づいて実規模実験を設計する基礎データを評価した。


〔研究題目〕発破解体の高度安全化に関する研究
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、緒方 雄二、歌川  学

〔共同研究者〕株式会社 カコー

〔研究内容〕爆破解体時に問題となる発破振動の軽減法について、現場適用実験を実施した。実験では、基本振動となる発破振動の解析結果から振動波形の半周期・周波数解析・自己相関関数による最適起爆時間を設定し、振動低減効果を検討した。実験結果から振動波形の解析結果から複数の振動波動が干渉し、1/4程度に低減できることを確認した。また、起爆に使用する雷管の種類として、高精度雷管と普通瞬発電気雷管の相違について検討したが、岩盤発破では、起爆時間を数ms程度で制御可能である普通瞬発電気雷管で、十分な振動低減効果が期待できることを示した。


〔研究題目〕出水防止対策技術に関する研究
〔研究担当者〕井清 武弘、瀬戸 政宏、緒方 雄二、歌川  学、
         駒井  武、青木 一男、境  勝介、鈴木  忠、
         内田 早月、神宮司元治

〔共同研究者〕(財)石炭エネルギーセンター

〔研究内容〕本研究は、夾炭層岩石中の地下水流動の特性を明らかにするとともに、複雑な地層条件における地下水挙動を予測する解析技術を開発し、炭鉱における出水防止対策のための技術指針を得ることを目的とする。そのため、調査用ボーリング孔を利用した地下水位、間隙水圧、透水係数および地下水質などの観測を継続して実施し、夾炭層岩石中の地下水流動の特徴や断層面の影響などに関する基礎データを取得した。また、調査対象領域を地質条件や断層、風化および採掘跡などの擾乱条件によって類型モデル化し、2次元および3次元のメッシュデータを作成した。これらのデータと汎用浸透流解析手法を用いて、地下水流動の特性や地下水位の分布および時間変動に関して数値シミュレーションを行った。その結果、調査地域全体の地下水流動に与える要素として、大規模な採掘跡、断層面の走向、地表付近の風化帯や擾乱帯の影響を定性的に明らかにした。これらの影響を考慮に入れた鉛直2次元解析の結果は、調査孔を用いた観測結果とほぼ一致した傾向を示した。今後は、より定量的な結果を得るため、3次元解析による数値シミュレーションを行う予定である。


〔研究題目〕地震時側方流動に関する研究
〔研究担当者〕井清 武弘、國松  直、神宮司元治

〔共同研究者〕早稲田大学理工学部

〔研究内容〕本研究では、地震時側方流動による地中構造物の安全性を評価するため、液状化地盤の流動特性について検討を行うことを目的とする。研究内容として、(1)地震時側方流動の流動特性の解明、(2)(1)で得られた流動特性を用いた数値解析手法の開発について検討を行う。
 本年度は振動台を用いた土槽実験(土槽サイズ:2m×0.5m×0.4m)を用いて、液状化現象及びそれに伴う側方流動現象の解明のため、比抵抗計測を試みた。比抵抗計測のため土槽内壁にアクリル板をおき、その内面に線状電極を深度方向に2cm間隔で取り付けた。その結果、土槽の大きさに対して装置の最大電流が小さくS/N比が十分でないことが判明し、装置の改良方法について検討を行った。


〔研究題目〕銅系触媒の高性能化に関する研究
〔研究担当者〕斉藤 昌弘

〔共同研究者〕日産ガードラー触媒(株)

〔研究内容〕脂肪酸エステルの水素化反応による高級アルコールの製造に用いる銅系触媒の高性能化を目的として、種々の銅系触媒を検討した。モデル反応として、ラウリル酸メチルエステルの水素化によるラウリルアルコールの製造を取り上げた。種々の検討の結果、担体の種類により、(1)触媒活性が大きく異なること、(2)反応後の触媒と生成物との分離のし易さも大きく異なることが明らかになった。


〔研究題目〕サンゴ礁におけるリン収支の研究
〔研究担当者〕原田  晃、鈴村 昌弘

〔共同研究者〕科学技術振興事業団

〔研究内容〕本研究はサンゴ礁におけるリンの収支を明らかにすることによってサンゴ礁における炭素を中心とした物質循環過程を解明しようとするものである.。陸域の影響の度合いが大きく異なる裾礁型サンゴ礁である沖縄県石垣市白保サンゴ礁及び外洋型サンゴ礁パラオにおいて、サンゴ礁生態系に関わる生物、堆積物、海水中のリンの現存量を調査し、リンが海水中で微量であるにもかかわらず、生物や堆積物中には比較的高濃度で蓄積していることを明らかにした。


〔研究題目〕NIRE−GLADシステムによる低純度二酸化炭素の高効率海洋固定技術の研究
〔研究担当者〕齋藤 隆之、清野 文雄、永翁 龍一

〔共同研究者〕住友金属工業株式会社

〔研究内容〕本研究は、二酸化炭素による地球温暖化を防止する技術を世界に先駆けて確立する、すなわち、資源環境技術総合研究所が発明したGLADシステムを低純度二酸化炭素ガスに対しても有効なシステムとして、実用化することを目的とする。
 本年度は、気泡の衝突確率を実験により解明するとともに、これを基に、コヒーレント構造化における気泡溶解特性を推定し、非コヒーレント構造化の気泡溶解率との相違を考察した。
 また、GLAD本体の構造設計技術、CO2溶解海水の深海生物への影響、GLAD係留方式等に関し研究した。


〔研究題目〕炭鉱保安機器によるリスク低減の評価に関する研究
〔研究担当者〕井清 武弘、国松  直、野田 和俊、神宮司元治、
         小杉 昌幸、中川 祐一、田中 敦子、駒井  武、
         蒲生 昌志、岸本 充生

〔共同研究者〕(財)石炭エネルギ−センタ−

〔研究内容〕本研究では、炭鉱において保安確保のために用いられている各種センサ−、監視ロボット等の技術的な性能評価手法を明らかにするとともに、各種機器のリスクに関係する個別要因分析手法を確立することにより、集中監視システムによるリスク低減の定量評価に資することを目的とする。
 本年度はシステムの信頼性の把握に適したFMEAならびにFTAの手法を採用する必要があることを明らかにした。これらの手法の妥当性を実証するため、メタン検知系およびベルトコンベア周辺の火災検知系に対するケ−ススタディを開始した。ケ−ススタディを通じて、メタン検知系およびベルトコンベア周辺の火災検知系に関するFTAの骨格を明らかにした。


〔研究題目〕気相燃焼に対して固体表面が及ぼす影響に関する研究
〔研究担当者〕竹内 正雄

〔共同研究者〕芝浦工業大学工学部

〔研究内容〕気相燃焼に対して固体表面が及ぼす影響は、固体壁の存在による温度分布の変化と、中間生成物の供給又は消滅によるものと思われる。固体壁近傍では表面反応が定義しにくいため、対向流火炎を使用して火炎の安定性を調べた。
 本年度は、希薄な混合気と可燃限界以下の希薄な混合気の対向流衝突噴流中に形成される予混合火炎について、数値計算により火炎構造と消炎の関係を調べた。詳細な化学反応を取り入れた計算の結果、希薄火炎の安定性は対向する超希薄な混合気の影響を受けており、よどみ点を横切っての中間生成物の拡散と熱移動が、火炎の消炎限界に影響を与えていることが分かった。


〔研究題目〕火薬類の爆ごう現象の解析に関する研究
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、緒方 雄二、歌川  学

〔共同研究者〕科学警察研究所

〔研究内容〕非理想爆轟現象を呈するエマルション爆薬およびANFO爆薬の爆轟状態の観察から反応帯の影響を検討した。エマルション爆薬では、爆轟速度が4,000m/s以上に達し、十分な反応帯は観測できなかったが、ANFO爆薬では衝撃圧による断熱圧縮で爆轟状態に達する反応帯を観察できた。また、エマルション爆薬の密閉状態による爆轟状態の変化と容器の破片化について、鉄管・PMMA管・PC管・PCV管による相違を検討した。実験結果から密閉強度が大きくなると爆轟伝播速度が増加することを明らかにした。しかし、今回の実験で使用した容器は、全て細かく破片化され、容器による相違はなかった。


〔研究題目〕エアテーブルによる粒状固形物の乾式分離に関する研究
〔研究担当者〕大井 英節

〔共同研究者〕出光興産(株)

〔研究内容〕乾式分離は、水利の悪い地域における有効な資源処理技術としても注目されているが、湿式法に匹敵する高い分離精度を得るには至っていない。そこで本共同研究では、中国の内陸地区における選別技術を開発するために、石炭のような連続的な比重分布を持つ粒状固体を対象として、エアテーブルを適用する可能性について検討した。特に選別対象物の下部から流出させる空気流を、連続から脈動に変えた結果、大幅に選別精度が向上することが認められた。また、連続運転に対応するために、粉塵やデッキ面の目詰まり対策についても検討した。


〔研究題目〕岩盤内応力の長期測定技術の開発
〔研究担当者〕山口  勉、成田  孝、石原 治幸、
         青木 一男、竹原  孝

〔共同研究者〕日鉱探開(株)、昭和機器工業(株)

〔研究内容〕本研究では岩盤内の応力変化を安価かつ簡便に測定できる手法を確立するために、現場において適用可能なセンサー類等ハードウェア及び岩盤の長期安定性を評価するための解析手法を開発して実用化普及を目指す。
 本年度は岩盤内の応力変化を高精度で長期にわたって検知するための、孔井内埋めこみ式センサーを完成した。このセンサーの長期安定性を調べるために、応力変化に対する感度や熱ドリフトを実験室実験により検討するとともに、応力変動が予測される鉱山内において本センサーを孔内に設置し、応力変動の測定を実施した。その結果、今回開発したセンサーが地圧の動きを捉えていることが明らかとなった。


〔研究題目〕火薬類を用いた消化薬剤散布装置の開発に関する研究
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、緒方 雄二、歌川  学

〔共同研究者〕日本ドライケミカル(株)、細谷火工(株)

〔研究内容〕森林火災等の広域火災が拡大することを防止し、消火するために、火薬類の爆発力を利用して粉末消火薬剤を火災域上空で効率的に散布する消火薬剤散布装置の開発を行った。今年度は消火薬剤散布装置の落下速度制御に使用するパラシュートの効果を明らかにし、消火薬剤散布装置が落下する時の風の影響について実験的に検討した。また、薬剤の散布状態について不連続変形法による数値シミュレーション手法を適用し、散布密度への影響を検討した。


〔研究題目〕平成11年度 半導体レーザ分光法によるリアルタイム燃焼診断技術の研究(実用燃焼機器におけるシステム評価と基礎データの取得)
〔研究担当者〕大屋 正明、竹内 正雄

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構

〔研究内容〕実用燃焼装置の燃焼場への半導体レーザ分光法適用確認のために、基礎燃焼器を対象とした研究を行った。半導体レーザ分光法による安価なリアルタイム制御を可能にするためには、燃焼現象と計測可能な事象との関連を正確に把握することが必要である。本年度は、時系列データを取得できるレーザ分光法の特性を考慮して、乱流拡散火炎を対象とした実験的検討を行った。対向噴流中に形成されるメタン/酸素・窒素拡散火炎の、火炎変動平均位置の測定、火炎近傍温度場の変動測定、理論混合分率を変化させた場合の消炎限界の測定など、火炎構造の変化に密接な関係があると予想される火炎特性の測定を行った。


〔研究題目〕平成11年度 高効率の熱交換・熱拡散促進型の省エネ都市形成手法の開発
(気象の4次元分布を活用する都市の熱交換評価システムの開発)
〔研究担当者〕近藤 裕昭、吉門  洋、山本  晋

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構

〔研究内容〕本研究では、まず夏季のオフィスビルの空調エネルギーについて、空調システムが外気に廃熱する結果、外気温度が上昇しさらにそれが空調システムのエネルギー使用を増加させる正のフィードバック過程のモデル化を行った。これにより、業務用オフィスビルでの日最高電力使用量の気温感応度が約6%/℃、住宅地区で約9%/℃となることを明らかにした。都市の温度を支配する熱源としては、日射と人工廃熱が主なものであるが、これらの影響度は街区における平均的なビルの高さとビル間隔(天空率という)の関数として表される。このため、都市の気温を低下させるためには、このような都市の具体的な構造に応じてとる対策を変えるべきことが明らかとなった。また、都市空間のような複雑な地表面を持つ領域での気温の測定値はおおよそ100m以下の代表スケールを持つことが明らかとなった。


〔研究題目〕「ガスハイドレート資源の総合開発・利用技術の研究開発」に係る「永久凍土中におけるガスハイドレートの採取技術に関する研究」
〔研究担当者〕清野 文雄、山本 佳孝、長島 和茂、駒井  武

〔共同研究者〕財団法人エネルギー総合工学研究所

〔研究内容〕本研究は、永久凍土中に存在するメタンハイドレートからメタンガスを回収するとともに、二酸化炭素を封入して、二酸化炭素ハイドレートとして固定する技術を確立することを目的とする。
 本年度は、ハイドレート分解促進剤を添加した場合並びに圧力を制御した場合におけるガスハイドレートの分解挙動を解明し、効率的な採取技術の可能性を明らかにするとともに、二酸化炭素ハイドレートと置換する方法とその効率化について技術的見通しを得た。


〔研究題目〕発破による砂地盤の締固め効果および周辺地盤への振動、騒音の影響に関する研究
〔研究担当者〕井清 武弘、国松  直、今泉 博之、神宮司元治

〔共同研究者〕佐藤工業(株)

〔研究内容〕本研究では、発破を用いた液状化対策工法(発破締固め工法)に関し、現場実験時に地盤の比抵抗変化および発破振動、発破音を測定し、比抵抗による締固め効果の確認方法の確立および発破振動および発破音の予測方法の確立を目的とする。
 本年度は埋め立て砂地盤で現場実験を行い、現場実験時に地盤の比抵抗変化および発破振動、発破音を測定した。その結果、昨年度同様、地盤の比抵抗変化は実験後のN値の変化と良い対応を示し、比抵抗により締固め効果を確認する方法の有効性が確かめられた。また、発破締固め工法における地盤の挙動について比抵抗計測値から検討を行った。さらに、当該地点で実施された発破締固め工法に伴って生じる発破音、発破振動について周波数特性、距離減衰特性などをまとめた。


〔研究題目〕省エネルギー型金属ダスト回生技術開発のための亜鉛分離回収条件設定に関する研究
〔研究担当者〕小林 幹男、玉川 建雄、西須 佳宏

〔共同研究者〕財団法人金属系材料研究開発センター

〔研究内容〕本研究は、製鋼用電気炉の排ガス中に含まれる鉄及び亜鉛を直接回収する省エネ型、省工程型新規技術開発研究の一環として、CO-CO2雰囲気中における亜鉛蒸気の凝縮回収に関する基礎的データの集積を行っている。本年度は予備的研究として、反応管内部に亜鉛揮発部と水冷式凝縮管を備えた大型熱天秤形式の測定装置を試作して不活性ガス(4%H2-Ar)雰囲気中における亜鉛の揮発速度と凝縮挙動について調べた。気化温度、キャリアーガス流量、バブリングガス流量、揮発面積などをパラメータとして測定を行いこれらの関係を明らかにした。さらにその結果により任意の温度における亜鉛ガスを含む試験ガス調整法についても検討を加えた。


〔研究題目〕洋上における大気・海洋化学成分insitu計測システムの研究開発
(FTIR方式大気微量化学成分測定装置と表面pCO2、pO2測定システムの開発)
研究担当者〕原田  晃

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構

〔研究内容〕将来的にはブイなどの洋上プラットフォームに搭載し、長期間の無人観測が可能な栄養塩測定装置と二酸化炭素、メタンなど温室効果ガスの大気中濃度を測定する装置の開発を行った。栄養塩測定装置には、廃液量が少なくなるようにマイクロフロー方式を採用した結果、従来法よりも廃液発生量を1/50から1/100に押さえることができた。また、リン酸塩の定量に従来の比色法ではなく、電量滴定法を採用することにより、検出限界を数nMまで下げることができた。


〔研究題目〕可視光応答型酸化チタン光触媒を利用した高効率環境浄化技術の開発(新規光触媒による高効率環境浄化技術の開発)
〔研究担当者〕竹内 浩士、小池 和英、根岸 信彰

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構

〔研究内容〕酸化チタンに水素プラズマ処理を施すことによって可視光でも機能する光触媒を調製し、屋外・屋内における環境浄化の効率向上を目指す。
 本年度は、窒素酸化物の除去性能に関してプラズマ処理条件の最適化を図った。当初用いたマイクロ波プラズマでは試料の温度制御が難しいため、高周波プラズマ装置を用いて表面処理を行った。紫外域の活性低下なしに、600 nmを超える波長まで可視光活性を獲得することができた。結晶構造はアナターゼのままであった。量子収率は波長とともに指数関数的に低下したが、太陽光照射下での使用を考えると、紫外光しか利用できない従来品と比べてほぼ2倍の活性が得られた。電子スピン共鳴スペクトルはプラズマ処理が酸素欠陥をもたらすことを示し、これに基づく新たなエネルギー準位が600 nmの光吸収に対応することが明らかとなった。このような基礎的知見に基づいて、安価な大量生産技術が確立される見込みである。


〔研究題目〕光クリーン技術を用いた省エネルギー環境浄化システムの開発に関する研究
〔研究担当者〕指宿 堯嗣、竹内 浩士、忽那 周三、
         小池 和英、根岸 信彰

〔共同研究者〕(株)富士電機総合研究所

〔研究内容〕日米民需産業協力に基づいて、光触媒反応を利用した空気浄化装置の開発を米国エネルギー省国立再生可能エネルギー研究所(NREL)と共同で実施する。国内では新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)及びNEDO委託の企業とともに研究開発を推進する。
 本年度は、引き続き光触媒の製造方法、処理温度、異種金属担持などを検討するとともに、固定化方法の改善によって浄化材料の高性能化を進めた。また、昨年度試作した2,000 m3/h級浄化装置を東京都内のトンネル換気設備に設置し、実ガスデータの収集を開始した。降雨により著しく湿度の高かった日を除いて、実ガスでも高い浄化効率が得られた。装置内での気流を数値シミュレーションにより評価し、最適な装置構造・浄化材料配置を明らかにした。


〔研究題目〕プラスチック廃棄物の乾式分離技術の開発
(プラスチック廃棄物に関する分離機構の解析)
〔研究担当者〕大井 英節
〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構
〔研究内容〕プラスチック廃棄物は、1年間に約950万トン排出されるが、その有効利用技術はまだ確立されていない。製鉄用の高炉やセメントキルンへ投入する原料として活用できれば、大量処理が可能である。しかし混在するポリ塩化ビニル(PVC)が有害なガスを発生するので、できるだけPVCを除去しなければならない。特に都市ゴミ中のプラスチック廃棄物はフィルム状のものが多い。この選別は湿式法では非常に困難なので、エアテーブルを利用して選別する可能性を検討した。その結果、振動デッキの横桟(リッフル)を従来型の6倍程度に高くし、選別対象物の成層化を促進させたところ、当初7.5%混入していたPVCを、0.20%程度に低減できることが認められた。


〔研究題目〕光ファイバ温度計を用いた岩盤中の湧水モニタリングに関する共同研究
〔研究担当者〕國松  直、神宮司元治、野田 和俊

〔共同研究者〕(株)鴻池組

〔研究内容〕本研究では、光ファイバーを用いたトンネル前方探査における岩盤中の湧水状況の把握を行うことを目的とする。本研究では、光ファイバー温度計を用いた岩盤中の湧水状況の把握を行うが、岩盤中を流れる地下水の温度は、岩盤温度とほぼ熱平衡に達しているため、温度のみでの検出は不可能であると考えられる。そのため、光ファイバーの表面に一定の比抵抗を持つ薄層の金属管を被せ、その薄層金属管に一定の電流を流して放熱させ、金属管の温度変化を光ファイバー温度計で計測する手法を用いる。
 本年度は、地盤中にセンサーを埋設し、そのセンサー表面温度応答を計測した。また、併せてその土壌を深度別にサンプリングし、その含水比を計測した。その結果、深度方向で分解能を持つ熱伝導プロファイルを得ることができ、熱伝導率のプロファイルと含水比との関係に良い相関があることが判明した。


〔研究題目〕ガス核の発生メカニズムの解明に関する研究
〔研究担当者〕高橋 正好

〔共同研究者〕東京医科歯科大学

〔研究内容〕ダイビングや高圧環境下での作業に伴う減圧症の発症は体内での気泡形成に関与している。しかし、この現象の詳細については不明な部分があり、効果的な安全対策を立てる上での障害となっている。本研究では、Tribonucleation(摩擦核形成)のメカニズムを解明するため、アガロース(寒天)や超音波を利用した研究を実施した。その結果、気体が水溶液中に過飽和に溶解した条件下で物理的な刺激が加わった場合に、気泡核形成を極めて強力に促進することが明らかとなった。そのメカニズムとしては、局部的な撹拌効果が作用している可能性が高いと考えられる。このことは減圧症において、体内の可動部位において気泡形成が優位に進展する現象を合理的に説明している。


〔研究題目〕ガスクロマトグラフ分取装置を用いた内分泌かく乱物質の分取と分離分析に関する研究
〔研究担当者〕宮崎  章、山下 信義

〔共同研究者〕東京水産大学

〔研究内容〕本研究では、ガスクロマトグラフ低温分取装置を用いた内分泌かく乱物質の分取と高度分離分析に関する基礎的研究を行う。具体的には、大気・河川/海水・生物等の環境試料中に存在する複雑な内分泌かく乱物質の分析及び高度分取を上記装置を用いて行い、個々の異性体・同族体ごとの女性ホルモン活性を調べ、将来的な危険性評価に結びつける。
 本年度は、東京湾湾奥部で採取した試料中の女性ホルモン様活性の測定を行い、東京湾への流入経路を調べることを目的とした。サンプリングは、東京湾湾奥部で行った。底質試料はソックスレー抽出器でジクロロメタン溶媒で抽出を行った。抽出液をイソオクタンに溶媒転換し、1mlに濃縮したものを濃縮試料とした。MVLN細胞を用いた96穴マイクロプレートによるバイオアッセイを行った。17b-エストラジオール(E2)の活性の最大値に対する試料の活性の最大値の比を求めたところ、底質試料では10.0-63.2%で平均33.5%であった。


〔研究題目〕液体微粒子噴射型ハイドレート生成装置に関する研究
〔研究担当者〕清野 文雄

〔共同研究者〕日東高圧株式会社

〔研究内容〕ハイドレートは、高圧低温環境下で水分子とCO2等のゲスト分子が結合した氷状の結晶である。水分子が作る籠の中にゲスト分子が取り込まれるという特異な構造を有することから、選択的ガス捕収性、高密度ガス貯蔵性等の優れた特性を示す。本研究は、気相中に微粒化された液相を噴射することにより、水分子とガス分子の接触効率を高め、均質なハイドレートを連続的に生成する液体微粒子噴射法によるハイドレート生成特性を解明することを目的とする。
 本年度は、昨年度試作した液体微粒子噴射型ハイドレート生成装置を用いて酸素、窒素および二酸化炭素混合気体中に水微粒子を噴射して、非平衡条件下におけるハイドレート生成機構解明のための基礎データを取得した。


〔研究題目〕高圧環境下での微小気泡の物理特性の解明に関する研究
〔研究担当者〕高橋 正好

〔共同研究者〕徳山工業高等専門学校

〔研究内容〕本研究は、微小気泡(マイクロバブル)が持つ特異な物理・化学的特性を明らかにして、工学的な利用に道を開くことを目的としている。本研究の結果、微小気泡の上昇特性は従来考えられていたストークスの式には従わず、より緩慢に移動することが明らかになった。また、帯電特性を電気泳動法により計測した結果、大部分の気泡がマイナスに帯電していることを明らかにした。さらに、微小気泡の場合、通常利用されていた気泡に比べて桁違いのオーダーで溶解能力に優れており、径が10μmの場合、10秒程度の時間で圧滅が完了することを明らかにした。また、この圧滅特性には気泡毎に個性が存在する可能性を確認した。


〔研究題目〕機能性凝集剤Gellannicの高機能化とその実用化に関する研究
〔研究担当者〕辰巳 憲司、和田 愼二

〔共同研究者〕三菱商事プロジェクト開発部環境資源研究所

〔研究内容〕共同で特許出願中の「有害性イオンを除去するための方法及び除去剤」を実用化するため、機能性凝集剤のさらなる高機能化と、実用化における問題点解決を目指すとともに、新たな排水処理法及び処理剤の開発を図る。
 本年度は、開発した凝集剤で種々の重金属を含む実排水を処理し、各金属に対する除去率を明らかにするとともに、同じ金属を含む排水でもその起源によって処理性が大きく異なることを明らかにした。


〔研究題目〕無電解ニッケルめっきプロセスにおけるゼロエミッションに関する研究
〔研究担当者〕辰巳 憲司、和田 愼二、市川 廣保、福嶋 正己、
         小林 幹男、田中 幹也、六川 暢了、小山 和也、
         増田  薫

〔共同研究者〕日本カニゼン株式会社

〔研究内容〕無電解ニッケルめっき老化液中から反応副生成物を除去し、めっき液のリサイクル・長寿命化を工業レベルで可能にするとともに、めっき排水中のニッケル回収技術を確立し、無電解めっきプロセスにおけるゼロエミッション化を実現することを目指す。
 本年度は無電解ニッケルめっき老化液から水酸化カルシウムで、まずニッケルと反応副生成物である亜リン酸を回収し、そこからニッケルを回収する方法について検討し、ニッケルをほぼ100%回収できることを明らかにした。


〔研究題目〕光触媒を用いた脱硝技術
〔研究担当者〕竹内 浩士、忽那 周三、根岸 信彰、小原ひとみ

〔共同研究者〕日本道路公団試験研究所

〔研究内容〕光触媒を用いた建材を道路等に適用するために、それらの性能や問題点を明らかにすることを目的とする。
 本年度は、既に試験施工が始まっているセルフクリーニング建材について、その脱硝性能を調べた。透光遮音板などのセルフクリーニング建材では硝酸等の生成が極めて少なく、したがって構造材料等への影響を考慮しなくてもよいことを確認した。また、いくつかの大気浄化材料についても脱硝性能を試験した。炭化水素共存下においてもおおむね良好な除去性能が得られたが、高NO/NO2比のNOxを供給した際に、光触媒によるNO2生成が目立つ場合も認められたため、材料の性能改善を図った。


〔研究題目〕平成10年度 高炉スラグ有効利用による最終処分場遮水システムの開発
(微量漏水の検知・サンプル技術)
〔研究担当者〕皿田  滋、朱   赤

〔共同研究者〕(財)エンジニアリング振興協会

〔研究内容〕最終処分場最下層の漏水集排水層内に敷設された排水管内の漏水の位置を検知し、漏水の採取を行うシステムのプロトタイプ開発を行った。検知・サンプリングシステムの開発にあたっては基本的なシステム形態として排水管内を自走し、遠隔操作と一部自律化によって漏水の検知・採取をおこなう方式を採用した。管内自走車には漏水検知のため管内観察用CCDカメラを装備し、また、漏水採取用に注射器を用いた採水器とそれに接続した採水チューブを漏水個所に保持するための採水用マニピュレータを装備した。これらの機能を、内径200mmの管内に適合するよう限られた空間に収納するため検討試行を行い、プロトタイプを試作し、実験室内および小型模擬処分場において現場試験によって性能を確認した。


〔研究題目〕岩盤亀裂中への注水による岩盤変形挙動の研究
〔研究担当者〕山口  勉、成田  孝、石原 治幸、竹原  孝、
         小林 秀男、青木 一男、及川 寧己

〔共同研究者〕山口大学工学部

〔研究内容〕本研究では地下構造物の安定性に大きな影響を及ぼす岩盤内のき裂の変形挙動を原位置地圧との関連から明らかにする。このため、原位置の岩盤内に造成されたき裂内に注水した際のき裂周辺挙動の測定や、室内実験において花崗岩の試験片を対象とした実験を行ってきた。本年度はき裂開口幅測定型パッカーを使用して孔内の水圧破砕き裂の開口幅を直接測定した実験結果から、地圧を詳細に推定するための手法の検討を行った。地圧を推定するために従来より様々な手法が提案されているが、これらの手法による推定結果と、き裂開口幅による推定結果を比較すると、それらに大きな差異はなく、今回開発した方法が有効であることが明らかとなった。


〔研究題目〕硫酸溶液中での腐食機構の反応動力学
〔研究担当者〕田中 幹也

〔共同研究者〕早稲田大学

〔研究内容〕本研究の目的は、チタンの溶解機構を提唱し、それに基づく理論的定常分極曲線を求め、次にこれを実験より得られる定常分極曲線との比較を行うことにより、反応速度論的パラメーターを求め、チタン腐食機構に対する速度論的知見を得ることである。チタンのアノード溶解実験は、10N硫酸水溶液中で、浴温30℃、測定電位-0.2〜-0.6V、攪拌の条件下で行い、定常分極曲線を測定した。仮定したチタンのアノード溶解機構に基づいて導出された理論定常分極曲線を、実験より得られた定常分極曲線に対し、シンプレックス法を用いて非線型フィッティングすることにより各反応速度定数を算出し、チタンのアノード溶解現象の合理的解釈を与えることができた。


〔研究題目〕廃自動車シュレッダーダストのエアテーブルによる乾式分離に関する研究
〔研究担当者〕大井英節

〔共同研究者〕(株)佐野マルカ商店

〔研究内容〕廃自動車は年々増大し、それに伴い大量に発生する廃自動車シュレッダダストの処理処分が、埋め立て地の逼迫から困難な状況になっている。本研究では、主に鉄、アルミ等の金属類を選別した後に残る、プラスチック類中に混在するポリ塩化ビニルを、エアテーブルにより乾式分離する操作条件を検討した。特にシュレッダダスト中には、銅線、ガラス、アルミ薄片等も混入しているので、先ず、振動デッキの傾斜角や振動数を大きくし、これらを予め除去する必要があった。次ぎに、軽産物として選別されたプラスチック類中に、約6%混在するPVCを除去する方法を検討した。振動数10Hz,空気流速0.8m/s,エンドスロープ角9.0度に設定すると、PVC混入率が0.15%以下の産物を得ることが認められた。


〔研究題目〕メタノール改質用触媒の開発
〔研究担当者〕斉藤 昌弘

〔共同研究者〕トヨタ自動車(株)

〔研究内容〕燃料電池自動車に用いるメタノール改質用高性能触媒の開発を試みた。種々の担体に担持した銅系あるいはPd系触媒のメタノール改質反応に対する触媒活性および長時間耐久性を検討した。その結果、いくつかの高活性で、耐久性にも優れた触媒を試作することができた。


〔研究題目〕窒素酸化物の低減触媒に関する研究
〔研究担当者〕宮寺 達雄、浮須 祐二

〔共同研究者〕筑波大学

〔研究内容〕含浸法及びイオン交換法で調製したFe/USY、Fe/ZSM-5触媒によるN2O単独分解反応及びO2過剰雰囲気下での分解反応を調べた。いずれの反応もイオン交換法で調製した触媒の方が活性が高かった。鉄の分散性と酸化状態が影響していると考えられる。イオン交換法で調製したFe/ZSM-5触媒は特に、C3H6のような還元剤が共存するとO2過剰雰囲気下でも非常に効率よくN2Oを除去できることが分かった。この触媒の高活性の発現にはタイムラグがあり、鉄の酸化状態の変化を伴っていることが分かった。イオン交換法で調製したFe/ZSM-5はSO2やH2Oの共存する条件下でも高活性を示した。


〔研究題目〕人工衛星による大気中のCO2濃度測定手法の開発
〔研究担当者〕今須 良一、田口 彰一、前田 高尚

〔共同研究者〕科学技術振興事業団

〔研究内容〕人工衛星から測定された地球大気の赤外線スペクトルデータから、地球温暖化物質である二酸化炭素の全球濃度分布を求めるためのデータ解析手法を開発した。この手法では、最尤法における放射伝達行列の中に赤外線吸収強度の温度依存性を陽に取り入れたことと、二酸化炭素濃度に関する統計値の共分散行列の最適化を行ったことが新しい試みである。
 本研究で開発した手法を1996年に打ち上げられたADEOS衛星搭載の温室効果気体センサーIMGのデータ解析に適用した。その結果、南北半球の二酸化炭素濃度勾配を検出するなど、データ解析手法としてある程度の有効性を示すことができた。
 さらに、得られた二酸化炭素濃度情報をもとに、その安定同位体類の大気中濃度比を解析し、それらに季節変化のあることを示した。これは同位体濃度比を人工衛星データから得ることに成功した世界で初めてのものである。


〔研究題目〕岩盤不連続面計測による支保効果の評価に関する研究
〔研究担当者〕小杉 昌幸、大森阿津美、中川 祐一、田中 敦子

〔共同研究者〕パシフィックコンサルタンツ株式会社九州本社および東京本社

〔研究内容〕岩盤内施設の効果的な施工や安全性管理のため、岩盤内不連続面を対象としてロックボルトなどの支保工を打設する際に、その挙動を三次元的に計測監視する装置を共同で設計し、試作装置の開発に着手した。また、原位置における不連続面計測を施工法に直ちに反映する情報化施工法を検討し、共同で特許申請を行った。さらに、岩盤内不連続面の基礎的な変形挙動特性を室内実験によって評価した。今後支保効果の基盤データを構築するため、模型ロックボルトを打設した試料による実験の載荷条件と計測システムを設計した。


〔研究題目〕ガスハイドレート「掘削技術等に関する研究」
〔研究担当者〕小林 秀男、駒井  武、山本 佳孝、羽田 博憲、
         斉藤 隆之、清野 文雄、高橋 正好

〔共同研究者〕日本海洋掘削株式会社

〔研究内容〕海底地層中ガスハイドレート層の掘削に際して、ガスハイドレート固体界面の剥離、破壊・分解挙動を実験的に解明し、坑井の掘削流体内への混合ガスの初期気泡径および坑井内気泡分布を明らかにすることを目的とする。ハイドレート固体に清水・泥水を接触させ、界面の流体環境(温度、圧力、流速など)の影響を調べた。その結果、分解速度に及ぼす圧力の影響、清水に僅かの泥水を加えることによりハイドレートの分解速度を大きく減少できること等を明らかにした。また、多孔質媒体内のガスハイドレートの生成・分解挙動に与える構成粒子径の影響について検討した。メタンハイドレートの分解ガスの初期気泡について観察し、ハイドレートから解離する初期気泡が10-20μmであることを確認した。分解ガスの坑井内流動に関して、非ニュートン流体での気液二相流挙動を観察し、独立気泡終端速度、テイラー気泡上昇速度に係わる基礎データを得るとともに、ガスキックが泥水性状、地層性状に密接に関係するという知見を得た。


〔研究題目〕環境負荷物質低減対策調査に関する研究
〔研究担当者〕大屋 正明、竹内 正雄、鈴木 善三

〔共同研究者〕(財)省エネルギーセンター

〔研究内容〕ダイオキシン生成挙動については、ダイオキシン生成に影響する要因をできるだけ絞り込むために、触媒として塩化銅を、有機塩素源として塩化ビニル、無機塩素源として食塩を加えた模擬燃料を使用して燃焼実験を行った。燃焼条件を一定としてダイオキシン生成量を比較した結果、比較的良好な燃焼条件で触媒が十分に存在する場合は、塩素供給量とダイオキシン生成量には密接な関係があることが明らかになった。また、塩素源の違いによる生成量の差は少なく、無機塩素源であっても条件によっては有機塩素源と同等以上の生成挙動を示すことが分かった。
 亜酸化窒素(N2O)については、下水汚泥の流動焼却時のN2O生成特性を調べた。乾燥下水汚泥、下水汚泥乾留物を試料として実験を行った結果、生成するN2Oはほとんどが揮発分中のN分を起源とするものであることが確認された。N2Oの生成量は非常に大きいものの、N分の転換率で比較すると石炭等に比べ1/2〜1/3でありそれほど大きくない。


〔研究題目〕地球温暖化モニタリング洋上プラットフォームの開発に関わる基礎研究
〔研究担当者〕原田  晃、山本  晋、鈴村 昌弘、村山 昌平

〔共同研究者〕海洋科学技術センター、川崎重工(株)、紀本電子工業(株)、(株)堀場製作所

〔研究内容〕大気中二酸化炭素濃度を制御する海洋の役割を理解するために必要な、時間的に細かで長期間におよぶデータの取得が可能になる洋上観測プラットフォームの概念設計を行った。また、各機関が試作した機器の現地実証試験を、五ヶ所湾に設置されているマイティーホエール上で実施した。大気化学成分測定装置、栄養塩測定装置、自動採水冷凍保存装置のいずれも1ヶ月間無人運転に成功した。使用後の機器の詳細な点検を行い、改良したのちより長期間の実証試験を行う。


〔研究題目〕アコースティックエミッション法によるビル構造物の監視に関する研究
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、勝山 邦久

〔共同研究者〕前田建設工業

〔研究内容〕ビル構造物の損傷監視技術としてのAE技術の適用性に関する検討を行った。ビル構造物内部で発生するAE計測方法、AE発生源標定法について検討し、ビル内部損傷箇所の同定法を確立した。また、破壊規模の違いによるAE波形への影響についても明らかにした。


〔研究題目〕石炭の超臨界処理油の構造解析
〔研究担当者〕三木 啓司、古屋  武

〔共同研究者〕CCUJ、三菱マテリアル(株)、

〔研究内容〕石炭を超臨界水処理して得られる水溶液中には、フェノール、クレゾール類に加え、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンやそのアルキル誘導体などの多価フェノール類が含まれることを明らかにしてきた。最も多く生成する多価フェノールはカテコールであるが、これまでの試験ではその収率は約2〜3%と低い。しかし、ヤルーン炭の超臨界水処理生成物の中で多価フェノール類の占める割合は約1割以上に達すると推定され、もしこれらが効率的に分離できれば有用な化学品としての利用も可能となる。
 ヤルーン褐炭からの多価フェノールの詳細な定性、定量を行った結果、定性的な観点からは、ピロガロールのような3価のフェノールを得るためには穏和な条件が必要であること、条件を過酷にする場合には迅速に生成物を取り出すことが必要であることがわかった。定量的な観点からは、超臨界水処理により得られるカテコールなどの2価のフェノールの収率は、理論値の20〜30%に相当すると推定された。しかし、反応時の石炭濃度、反応温度など諸条件の変化に敏感であり、反応条件の最適化が重要であることがわかった。
 モデル化合物を用いた試験から、酸素が2置換した芳香族単位が、熱分解といわゆる加水分解により、2価フェノールを与えることが明らかになった。しかし、収率は20%以下であり、これら化合物の反応時における不安定性を示唆した。また、1価のフェノールから2価のフェノールが生成することも明らかになった。


〔研究題目〕エレクトレットフィルター作成のための荷電特性に関する研究
〔研究担当者〕荷福 正治、小暮 信之

〔共同研究者〕東洋濾紙(株)新潟工場

〔研究内容〕効果的なエレクトレットフィルター製作ため、荷電の特性がフィルターの電荷密度に及ぼす影響を検討するため、放電電源回路と放電特性の関係および放電特性がフィルターの表面電荷密度に及ぼす効果を調べた。
 これらの検討により、針状電極・平板電極・この両者の間に設けたグリッド電極を有する印加電極系上の試料への直流高圧印加、針状電極・平板電極を有する印加電極系上の試料へのパルス放電印加および直流を重畳したパルス放電印加がフィルターの電荷密度を大きくすることに効果的であることが明らかになった。この中で直流を重畳したパルス放電印加が安定的に大きな表面電荷密度を発生し、最大値は約45μC/m2であった。これは市販のエレクトレットフィルターの電荷密度最大値の約1.5倍の値である。


〔研究題目〕微細藻類を利用したエネルギー変換に関する研究
〔研究担当者〕小木 知子、澤山 茂樹、柳下 立夫、塚原建一郎

〔共同研究者〕富山県工業技術センター

〔研究内容〕本研究の目的は、微細藻類が行っている光合成や呼吸等の代謝反応を利用して、太陽エネルギーや光合成産物等の化学エネルギーを高効率に電気エネルギーに変換することである。本共同研究において、従来問題となっていた酸素による電子伝達剤の再酸化を抑制するため、ポリイオンによる電極上への微細藻類の固定化を試みた。その結果、光照射下での電流の増加が見られ、またポリイオン中へ電子伝達剤が濃縮されることから、出力向上の可能性が示唆された。


〔研究題目〕平成11年度 高次修飾による超高性能メタン貯蔵用吸着剤の開発
(有機鎖導入法ならびに金属元素高分散化法による高次修飾吸着材の開発)
〔研究担当者〕山田 能生、羽鳥 浩章、吉澤 徳子

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構

〔研究内容〕超高性能メタン貯蔵用吸着材を開発する目的で、これまでに各種炭素材への有機鎖とイオン性を導入する実験に着手した。有機鎖の導入は、市販のピッチ系活性炭素繊維を用い、あらかじめ過硫酸アンモニウム水溶液によって液相酸化を行い、表面含酸素官能基を導入して親水性表面に改質した。このような処理でミクロ細孔はわずかに減少したが、比表面積などはほとんど変化しなかった。現在このような親水性表面を、チタネート系カップリング剤で修飾し、有機鎖を導入する実験を行っている。
 一方、イオン性の導入については、市販及び日本真空技術(株)製のカーボンナノチューブを用い、まず窒素吸着法により比表面積を測定した。比表面積が約290m2/gと比較的大きい市販ナノチューブを選び、ボロンが10%含まれているカーボンから作製したサンプルホルダーにセットし、黒鉛化炉で2300℃に熱処理した。現在ボロンドープしたナノチューブのラマン分光、X線回折の測定などによって、導入されたボロン量の推定、電磁気的な特性変化などを調べている。
 また、これらの実験と並行して、試料を大気に暴露せずにメタン吸蔵量が精度よく測定できる簡易型の装置を制作した。これによって、約10MPaまでの加圧下で吸蔵したメタンの重量を直接測定することが可能である。今後は、上記表面修飾した各種炭素材のメタン吸蔵の評価に使うことにしている。


〔研究題目〕岩盤空洞の安定性に関する評価手法の検討
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、歌川  学

〔共同研究者〕核燃料サイクル開発機構

〔研究内容〕堆積性軟岩中での地下応力の深度依存性について検討するために、瑞浪層群に掘削された地表からの鉛直ボーリングによって採取した岩石コアから三次元主応力を推定した。
(1)AE法とDRAによる推定を行った結果、鉛直応力はほぼ深度に相当する被り圧程度であった。
(2)最大主応力はN-S方向であり、最大と最小主応力の応力比は約1.4程度であった。また、求められた主応力は水圧破砕法によって求められたものと調和的であった。
(3)本試験によって、AE法、DRAが軟岩からの三次元主応力推定にも適用可能であることが確認された。


〔研究題目〕石炭等の熱化学的分解による水素製造に関する研究
〔研究担当者〕大屋 正明、幡野 博之、鈴木 善三

〔共同研究者〕石炭利用総合センター

〔研究内容〕石炭等有機物からの革新的な水素製造法についての研究を行った。本方法は、超臨界状態を含む高温高圧水蒸気と有機物を二酸化炭素吸収剤の共存下で反応させ水素を選択的に製造する方法である。各種有機物、二酸化炭素吸収剤であるCaO、触媒を水蒸気と反応させた。反応器は急速昇温条件を達成するため、固定層に高温高圧水蒸気を流通させる流通型の半連続装置を用いた。水素生成反応は前年度行ったオートクレーブによるものと同様に水素を主成分とするガスが得られた。また、反応率は10分で70%以上を示し、従来の条件における水蒸気ガス化反応に比べ格段に大きいことが確認できた。


〔研究題目〕重質炭化水素資源の分解技術に関する研究
〔研究担当者〕斎藤 郁夫、近藤 輝男、佐藤 信也、松村 明光

〔共同研究者〕ブラジルPETROBRAS、神戸製鋼株式会社

〔研究内容〕当所とブラジルPETOROBRAS及び神戸製鋼との官民連帯国際共同研究で、窒素分やアスファルテン分の多い劣質なブラジル産Marlim減圧残油から高収率で良質なデイーゼル燃料などの軽質油留分を得る水素化分解技術について検討した。
 本研究では、Marlim減圧残油の組成、構造を明らかにし、水素化分解用触媒として、資源量としても豊富で安価な天然リモナイトを用い種々の反応条件下でMarlim減圧残油の水素化分解を行い、リモナイトの触媒としての適応可能性や分解反応方式について検討した。
 天然リモナイトはオ-ストラリア産及びブラジル産を微粉砕して用いた。いずれのリモナイトも従来のNiMo系触媒に比べ脱硫や脱窒素活性は低いが、脱金属活性は高く、また、重質油の水素化分解でトラブルの要因となるコーク生成に対しても十分な抑制能を示すことが明らかになった。ブラジル産とオーストラリア産リモナイトの比較では、ブラジル産リモナイトはオーストラリア産に比べ、高いコーク抑制能を示した。これはリモナイトの主成分であるαFeOOHの結晶サイズがブラジル産は小さく分散性が高いことやFe以外の成分、例えばNiなどが活性に関与しているためと思われる。天然リモナイトを用いたスラリ−床型連続反応装置によるMarlim減圧残油の水素化分解では、450℃以上の過酷な反応条件下でも触媒添加量が1%程度でコークやガスの生成が抑えられ、高収率で軽質油を得ることが判明した。本研究結果はMarlim減圧残油のような劣質重質油のアップグレーディングには、安価で使い捨て可能な天然リモナイトを触媒に用い反応条件の選択が容易で製品需要に柔軟に対応できるスラリー床方式が適していることを示唆した。


〔研究題目〕PVC含有廃プラスチックの脱塩素化のための反応制御技術の研究
〔研究担当者〕佐藤 芳樹、加茂  徹

〔共同研究者〕NKK(株)

〔研究内容〕廃プラスチックのリサイクル技術として、高炉への廃プラスチックの吹き込みが行なわれているが、高炉へPVCを直接吹き込めないという制約から、現在はPVCを含まない産業廃棄物系廃プラスチックを対象としている。しかし、将来的には、PVCを含む一般廃棄物系廃プラスチックへの本技術の適用が望まれていることから、前処理技術として脱塩素化造粒技術を検討・開発していかなければならない。本研究は、装置の実機化に向けて脱塩素化特性やPVCの脱塩素に及ぼす共存物の影響および条件の最適化を図るとともに、新規脱塩素化技術として溶剤を用いた廃プラスチックの脱塩素化及び廃プラスチック熱分解技術について検討する。


〔研究題目〕深海底物理探査技術に関する研究
〔研究担当者〕皿田  滋、冨島 康夫

〔共同研究者〕金属鉱業事業団

〔研究内容〕昨年度まで実施してきた、クラスト試料に対する振動の印可とそれに伴う透過波及び反射波の計測結果を検討した結果、クラストと基盤岩石との境界面での弾性波の反射が見られない試料が存在し、とくに境界面付近のクラスト試料内部構造が反射波強度および透過波減衰に大きな影響を及ぼしていることが予想された。この点を明らかにするため本年度はX線CTにより内部構造を把握し弾性波強度および減衰との関係について検討を行った。クラストと基盤岩石の密度の大小関係は試料によって異なり、弾性波速度についても同様な結果を得た。


〔研究題目〕光触媒による環境浄化に関する研究
〔研究担当者〕竹内 浩士、小池 和英、根岸 信彰

〔共同研究者〕オキツモ(株)

〔研究内容〕環境浄化光触媒材料として最も幅広い用途が期待される塗料について、一層の高性能化を図ることを目的とする。
 バインダーとしてアルコキシシラン類を用いる無機系塗料には、工場塗装用の焼付型と現場施工用の常温乾燥型があるが、後者の性能改善が強く求められている。このため、引き続きバインダーの種類や助剤を含めた組成の検討を行い、低温でも多孔質構造が発達するような配合を確立した。一方で、光触媒塗料といえども色彩や光沢など種々の意匠性が要求されるため、光触媒性能を低下させない顔料を調べるとともにその混合方法を検討した。


〔研究題目〕平成11年度 生物起源桂藻土からの高純度シリカの新しい製造技術
(分離されたシリカの高純度精製技術の研究)
〔研究担当者〕綱島  群、小林 幹男、田中 幹也、
         六川 暢了、玉川 建雄

〔共同研究者〕新エネルギー・産業技術総合開発機構

〔研究内容〕本プロジェクトは、国内産珪藻土から、湿式法によって、太陽電池級の高純度シリカを製造するプロセスを提案することを目的としており、当所は、沈殿法によって粗精製されたシリカ中の微量のホウ素、カリウム等を除去し、高純度シリカを得ることを目標としている。今年度は、合成浸出液として、微量のホウ素を含む珪酸ナトリウム溶液を用いて、陰イオン交換樹脂AmberliteIRA743を用いたホウ素の吸着実験を行った。その結果、pH12において、約98%の吸着率が得られ、本樹脂が実際の珪藻土試料から得られたシリカの精製に使用できる可能性を明らかにした。


〔研究題目〕精密起爆法を用いた坑道掘削技術の開発に関する研究
〔研究担当者〕瀬戸 政宏、緒方 雄二、歌川  学

〔共同研究者〕株式会社間組

〔研究内容〕発破に発生する応力波の伝播状況を数値シミュレーションから解明し、隣接孔の応力状態の変化を解明した。解析結果から応力波の伝播により伝播方向では引張状態となり、亀裂が発生し易く、スムースブラスティング効果が期待できることを示した。また、応力状態の時間的な変化から亀裂を最適の制御する最適起爆時間差を検討した。さらに、これらの数値シミュレーション結果から制御発破工法(スーパースムーズブラスティング工法(SSB))を検討した。


〔研究題目〕森林バイオマスとバイオマスエネルギー利用による温暖化抑制機能の評価に関する研究
〔研究担当者〕小木 知子

〔共同研究者〕宮崎大学

〔研究内容〕バイオマスは再生可能で大気中のCO2を固定するため温暖化抑制に寄与すると期待されているが、本研究ではバイオマスからのエネルギー変換技術の主なものについての技術評価を行い、バイオマスエネルギーを導入した場合のCO2削減効果を計量化することを試みる。本年度はパイロリシス(急速熱分解)について検討し、熱分解−オイル生成−デイ−ゼル発電システムが有効であるが、バイオマス生産地現地で利用する場合は直接発電のほうがCO2削減効果があるとの結果が得られた。


〔研究題目〕大水深域における探査技術に関する研究
〔研究担当者〕皿田  滋、富島 康夫、山崎 哲生

〔共同研究者〕金属鉱業事業団

〔研究内容〕大水深域における岩盤に関する基礎的物性データベース構築を目指し深海底における岩盤の力学的物性および熱伝導性についての検討を行った。岩盤の力学的物性については海底ボーリングマシンによる採取コアを用いて、岩石の弾性波試験結果、X線CT画像および多段階3軸圧縮試験結果の検討を行った。熱伝導性についてはLCコアラーに装備した海底地盤温度計測装置を用いて深海底岩盤の温度勾配の計測を行った。


〔研究題目〕MMOバイオミメティック触媒の設計に関する研究
〔研究担当者〕三木 啓司、矢津 一正、古屋  武

〔共同研究者〕大阪ガス(株)

〔研究内容〕酵素よりも安定な素材表面あるいは内部に酵素と類似もしくはより活性な触媒機能を発現する活性部位を創出する、いわゆるバイオミミッキング技術を用い、メタンを選択的にメタノールに水酸化するメタンモノオキシゲナーゼ(MMO)のバイオミメティック触媒を設計するための調査を行った。
 メタンモノオキシゲナーゼ(MMO)のバイオミミッキングにおいては、触媒反応を担う活性部位とともに、酵素を構成するアミノ酸高分子鎖により生み出される反応場の模倣が重要である。本研究ではMMO酵素のバイオミミッキングに不可欠なこれら2つの要素を、同時に組み込む方法を探索することを目標にして触媒設計に関する調査を実施した。
 第一の要素であるMMOの活性部位については、二核鉄錯体構造をカルボキシレート配位子で安定化させるための設計が重要である。鉄カルボキシレートは極めて不安定であり、溶液中では単独で存在できない。このため、無機担体表面上に錯体を固定化する方法を調査検討した。
 第二の要素である反応場の設計については、活性部位に疎水性の基質が迅速に接近でき、また反応後の親水性の生成物(アルコール)が素早く活性部位近傍から離脱できるような反応環境を目指す。このため、MMOと類似した疎水性反応場について調査検討を行った。


〔研究題目〕携帯移動電話通信システムの防爆化に関する研究
〔研究担当者〕鈴木  忠

〔共同研究者〕(株)中村電機製作所

〔研究内容〕炭鉱坑内に設置する防爆型移動電話システムの開発を行うため、システムの防爆特性、通信特性を究明する。本年度は携帯移動電話と中継機の防爆設計を行った。
 携帯移動電話は本質安全防爆構造。中継機は耐圧防爆構造。防爆設計を終えて検定を取得後、実炭鉱で通信試験を実施を予定している。


〔研究題目〕岩盤不連続面計測評価と挙動予測に関する研究
〔研究担当者〕小杉 昌幸、北原 良哉、大森阿津美、中川 祐一

〔共同研究者〕株式会社 地層科学研究所

〔研究内容〕岩盤の崩壊・崩落を効果的に検知する手法として岩盤内ジョイントを監視する手法を検討するとともに、既存のジョイントが破壊進展する際のジョイント挙動を評価する室内実験を行い、原位置計測データを解釈するための破壊に関連する変形特性を抽出した。また、岩盤斜面等における多岐にわたる計測項目のデータを集約して評価するプログラムの作成に着手し、これらの成果として断層など岩盤内不連続面の微細挙動を長期的に観測して評価するシステムを設計し、共同で研究スキームへの提案を行った。


〔研究題目〕物性データとリンクした化学事故データベースの構築
〔研究担当者〕勝山 邦久、瀬戸 政宏、緒方 雄二

〔共同研究者〕科学技術振興事業団

〔研究内容〕現在、当所が所有するRIO-DBにて提供されている事故事例ソースを基に、事例情報を多角的な視点で分析し、事故に至る物理的かつ化学的要因の同定に必要な情報までを提供するデータベースシステムの開発を目指す。具体的には事故例と事故関連物質のエネルギー危険性の測定データを組み合わせて提供することになり、この事はファインケミストリーなどの化学産業では、様々な性質を持つ化学品を様々な条件で取扱っている状況を踏まえると、非常に有意義であると考える。
 以上を基に、本年度は以下の作業を行う。

(1)データ分析

  • RIO-DBに含まれる情報及び他の質の高い事故情報を再整理し、通常時の工程及び事故フローを抽出する。その際、事故フローの表記フォーマットも併せて検討する。
  • 事故に関連した化学物質を抽出し、それら物質の基本物性及び、熱測定データの収集を行う。また、熱測定データは測定条件が異なる事が推測されるので、測定結果の標準化法の検討も行う。

(2)システム開発

  • サーバー/クライアント方式のデータベースシステムを念頭に置き、システムに必要な機能の抽出とユーザーインターフェイスの検討を含む、概念設計及び基本設計を行う。
  • 検討したシステムに従い、データの保持構造やオブジェクト指向におけるクラス設計等の部詳細設計を開始する。

〔研究題目〕石炭の選択粉砕特性に関する基礎研究
〔研究担当者〕大木 達也

〔共同研究者〕早稲田大学

〔研究内容〕粗粒子状態で高収率な脱灰を達成するため、石炭-鉱物間の粒界破砕を促進させる粉砕プロセスについて基礎研究を行った。前処理として12種類の試薬を用い、常温、常圧下で24時間浸漬したのち、50kgf〜1000kgfの加圧を行い、粒度と単体分離性の関係について検討した。従来、粉砕前処理としては、アセトン、メタノールのような有機溶剤や、高圧下でアンモニア処理をする方法が知られている。しかし、このような従来法では、石炭の粉砕性は向上するものの、鉱物粒子の単体分離性は未処理の場合とほとんど変わらなかった。これは、上記の試薬では、石炭に内在するクラックの成長が起き、石炭自身は脆弱化するものの、石炭-鉱物の粒界に応力の集中が起こらないためである。一方、前処理試薬として酸を用いた場合には、石炭自身に大きな変化は認められなかったが、鉱物の単体分離性が著しく向上することが明らかとなった。これは、酸により鉱物最表面が溶解し、石炭-鉱物粒界に微小な空隙が発生したためと推測される。また、この前処理で高い単体分離性を得るためには、粉砕時に100kgf程度の弱い力で加圧する必要があり、高圧力下で細粒化すると、単体分離性が低下するという、従来の理論とは逆の傾向を示すことが明らかとなった。


〔研究題目〕都市の気候緩和に効果的な舗装に関する研究
〔研究担当者〕近藤 裕昭

〔共同研究者〕建設省土木研究所

〔研究内容〕都市の気候緩和と省エネルギーに寄与する多孔質体舗装の熱特性と都市大気への影響を明らかにするため、広域拡散風洞を用いて実験を行った。実験は、都市の気候緩和と地下水の涵養に効果的な舗装の基本的な特性を調べるため、広域拡散風洞に、数種類の舗装物質を持ち込み、表面に高照度の照明(人工太陽)をあてて風を流し表面の熱収支とその時間変化を計測した。表面にははじめに水を十分含ませた状態から実験を始め、水の蒸発量の変化も測定した。このデータを基本として多孔質体舗装を都市に施した場合の熱環境の変化について、数値モデルによる解析を行う。


〔研究題目〕有害物質吸着材料の開発に関する研究
〔研究担当者〕野田 和俊、長縄 竜一

〔共同研究者〕愛媛県工業技術センター化学工芸室

〔研究内容〕本研究は、工場等におけるオンラインセンシングの低コスト化、簡易性、迅速性を目的として、有害汚染物質を選択的に吸着する材料の開発及び、水晶振動子を利用した高感度検知器の基礎的特性の解明を試みる。
 具体的には、選択的吸着膜として、各種の特殊膜を作成し、対象ガスに対する吸着特性を調査し、開発した特殊膜のガスと膜との反応メカニズムを解明し、そのメカニズムから最適な特殊膜を作成するための基礎データを取得することである。
 本年度は、アセトアルデヒドを検知対象物として特殊膜を作製した。その後、特殊膜を水晶振動子に被覆させ、飽和状態のアセトアルデヒドを利用して基礎的な検知特性の実験を行った。その結果、特殊膜を利用したガス検知が判明した。また、この作製法による特殊膜の反応メカニズムについて基本特性データを取得した。


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